●東映太秦映画村(とうえいうずまさえいがむら)
テレビや映画などの撮影で、実際に時代劇で使用されるオープンセットが建ち並ぶ映画村。こちらは正確に言えば観光地ではなくテーマパークとなりますが、江戸時代の雰囲気を存分に味わうことができ、京都に来たなら一度は寄ってみたい場所でもあります。

<住所>
京都府京都市右京区太秦東蜂岡町10
<営業時間>
9:00~17:00(季節変動あり)2200円。年末年始営業、休村日は1月中旬。

<アクセス>
嵐電(京福電気鉄道嵐山本線)の太秦広隆寺駅より徒歩約5分、又はJR太秦駅より徒歩5分。
入村して大きな建物から外に出ると明治通りがあります。日本で初めて京都市内を走ったチンチン電車や明治時代に出来た巡査派出所を模したものなどがあります。
江戸三座の一つである歌舞伎劇場、中村座。映画「大奥」など、実際の撮影にも使われてます。
中村座に入ってみると、なんか忍者ショーみたいなものを行っていました。
江戸の町はまるで本物のよう。いや、当然知りませんけどね。全国に点在する現存する江戸時代の宿場町と比べても、作り物の映画村の方がよりリアルに見えてしまうから不思議です。
こちらはテレビ時代劇の人気シリーズだった銭形平次の平次親分の家を再現しています。
旅籠や酒問屋、油問屋、分銅屋 茶問屋、下駄屋、荒物屋、骨董、武具・・・取りあえず何でも揃っています。
トップの写真は大店街で、材木問屋、蝋燭問屋、薬種問屋などもありますが、撮影では看板、のれんを取替えたり、時には前後左右を使い分けて、素早く商売替えができるようになっているんですって。
こんな路地裏も作り物とは言え風情が感じられていいですねぇ。
江戸時代公認の遊郭地である吉原(よしわら)。その江戸最大の色街・吉原の一部を再現したセット。ちなみに東京都公認の遊郭地、吉原はある意味現存していますが・・・
東映太秦映画村の象徴とも言える東映城大手門は、二条城大手門をモデルにしているそうです。
港町にある池では、5分おきに怪獣?が出現します・・・
出入口の大きな建物であるパディオスの2階には、なんか分かりませんが、子供が喜びそうなものが沢山ありました。

他にも、高額な入村料を支払ったのに、からくり忍者屋敷やお化け屋敷、超立体360シアターやおもしろ迷路館などなど、施設内には有料施設が数多くあります・・・

●広隆寺 (こうりゅうじ)
日本に渡来した帰化人、秦(はた)氏の氏寺である広隆寺は、平安京遷都以前から存在したとも言われ、京都最古の寺院であります。広隆寺の見所は聖徳太子を祀った桂宮院本堂(八角円堂:通常非公開)と霊宝殿にある数々の仏像です。特に国宝の弥勒菩薩半跏像2体は有名。他にも巨大な千手観音立像に十二神将像など、どれも息を呑むものばかりです。

<住所>
京都府京都市右京区太秦峰岡町32
<拝観料>
境内自由ですが、霊宝殿は700円。桂宮院本堂は限定月の日曜・祝日のみ公開、別途200円。拝観時間は9:00~17:00

<アクセス>
嵐電(京福電気鉄道嵐山本線)の太秦広隆寺駅より徒歩1分。
1702年に建立したとされる楼門です。交通量のある道の脇にドド~ンとあるので目立ちます。
楼門を抜けると正面奥に本堂となる写真トップの上宮王院太子殿があります。こちらは1730年に建立したとされます。左手には右写真の薬師堂があります。広隆寺は知名度はありますが、訪れる人は比較的に少なく・・・
こちらは1165年に再建された重要文化財の講堂です。堂内には本尊である国宝の阿弥陀如来坐像に重文の地蔵菩薩坐像、虚空蔵菩薩坐像が安置されています。京都には国宝や重要文化財がゴロゴロしていて、この講堂に立ち寄る人も少なく・・・
多くの方が本堂にも目もくれず向かうのが、こちらの霊宝殿(新霊宝殿)です。国宝の弥勒菩薩像2体は有名過ぎるくらい有名ですが、他の仏像も見応えあります。内部は勿論、撮影禁止となっています。弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)のお姿はお釈迦様にかわり全ての悩みや苦しみを救ってくださる仏様で、一切衆生(この世に生きる全てのもの)をいかにして救おうかと考えている姿をしています。

●龍安寺(りょうあんじ)
1450年(室町時代)、応仁の乱の大将で知られる細川勝元が、この地にあった徳大寺家の別荘を譲り受け創建された寺院です。応仁の乱で焼失しますが後に細川政元が再興し、豊臣秀吉や江戸幕府も寺領を寄付するなどし保護されてきました。世界遺産にも登録されていて、室町時代末期の作と伝えられる枯山水の石庭は一番の見所でもあります。

<住所>
京都府京都市右京区龍安寺御陵下町13
<拝観料>
500円。 8:00~17:00(季節変動あり)

<アクセス>
嵐電(京福電気鉄道北野線)の龍安寺駅から徒歩約10分です。京都駅からは遠くはないものの、乗換え等のアクセスは悪く、嵐山や北野天満宮、広隆寺や太秦映画村など嵐電沿線の観光地とセットで観光されるのがオススメです。ちなみに龍安寺周辺には等持院や仁和寺、金閣寺も比較的に近い場所にあります。
鏡容池(きょうようち)と呼ばれる大きな池は徳大寺によって築かれたもの。 恐ろしく大きな鯉もたくさん泳いでいます。
龍安寺を訪れる観光客の最大の目的は、方丈にある石庭(枯山水)の庭園です。写真の階段を上ると庫裏があり、そこから本堂でもある方丈へと向います。方丈は火災により焼失し、現在のものは西源院の方丈(1606年)を移築したものらしいです。
室町時代末期の作と伝えられる方丈庭園では15個の石を配し、作庭の意図は不明ですが、どの角度から見ても14個しか石が見えないという不思議な構図となっています。とにかく全員、石の数を一生懸命数えています(笑) この庭園、誰が言ったのかは知りませんが、虎の子渡し(渓流を渡る虎の親子)とも呼ばれているそうです。枯山水とは文字通り、山や水のかわりに大小の石や白砂などで山水の風景を表現した庭のことで、金剛峰寺の蟠龍庭ほどの迫力はありませんが、おそらく日本で一番有名な枯山水(石庭)ではないでしょうか。どこか心が落ち着かず謎の多い庭園です。
石庭の反対側の広間には昭和になって描かれたものですが、美しい襖絵(皐月鶴翁の筆の臥龍海)もあります。しかし誰も見向きもしません。拝観者はただひたすら、石の数を数え、この石庭に隠された謎を解こうと一生懸命なのでありました。馬鹿馬鹿しいと思いながら、ついつい石の数を数えている私・・・

●妙心寺(みょうしんじ)
全国に約3500ヶ寺ある臨済宗妙心寺派の大本山、妙心寺。第95代天皇の花園法皇を開基とし、本尊には釈迦如来を安置します。有名な法堂内の雲龍図や国宝の梵鐘、明智風呂などの他にも仏殿や三門等多くの重要文化財を有し、また40数箇院に及ぶ妙心寺の塔頭など見所も豊富です。

<住所>
京都府京都市右京区花園妙心寺町64
<拝観料>
境内自由ですが、法堂は拝観500円。他、個別の塔頭は別途拝観料がかかります。尚、法堂(浴室含む)の拝観(雲龍図、梵鐘、浴室)には、おおよそ20分間隔でガイド付での案内となっています。

<アクセス>
JR山陰本線(嵯峨野線)の花園駅を下車し徒歩2~3分に南門入口、他、京福電鉄北野線の妙心寺駅側にある北門からも入れます。
入口となる南総門です。京福電鉄北野線の妙心寺駅側にある北総門からもアクセス可能ですが、一番の見どころでもある法堂までの道中に他の見所がないので南門から入るのが無難です。
妙心寺の塔頭は40数箇院に及ぶ為、境内はかなり広いです。南総門の左手には、1610年に建立された重文の勅使門があり、参道と並行するように左手には勅使門から三門、仏殿、法堂、大方丈と、禅宗(臨済宗)らしく伽藍が一直線に配置されています。
国の重要文化財にも指定されている1599年に建立された三門。境内では唯一の朱塗りの美しい建造物です。非公開ですが楼上には観世音菩薩と十六羅漢が安置されているそうです。
三門の奥に見えるのが1827年に建立された仏殿です。こちらも重要文化財に指定されています。
仏殿の奥には法堂があり、天井の雲龍図は境内一の見どころとなっています。1656年に建立された法堂もまた重文です。雲龍図の拝観(有料)には大方丈にて受付しています。尚、法堂・天井の雲龍図、国宝の梵鐘、浴室(明智風呂)20分間隔にてガイドさんの案内付きで説明してくれます。
案内開始時刻まで苔っぽい庭を眺めながら大方丈で待機します。江戸時代に建立された大方丈もまた国の重要文化財です。
法堂内部は全て撮影禁止となっています。左と同じ雲龍図が法堂の鏡天井いっぱいに描かれています。狩野探幽によって8年の年月を費やして描かれたという雲龍図は、見る角度によってその表情が変化し皆さん驚いています。私の場合、言われてみれば・・・みたいな感じでしたが。ついでに国宝の梵鐘も法堂内にて見ることができます。
もともと国宝の梵鐘はこちらに吊り下げられていたそうです。なので、ここにある梵鐘は2代目らしいです。
江戸時代に建立された大庫裏。こちらも重文で普段は非公開ですが、特別拝観で公開されていたので、ついでに見学。ただ、建物内は全て撮影禁止でした・・
別名、明知風呂と呼ばれる1656年に建立された浴室もまた国の重要文化財です。法堂と同じくガイドさんの案内付きでの見学となります。もとは明智光秀の菩提を追善するために建立されたというこちらの浴室。今で言うところのミストサウナのような空間です。確か内部は撮影禁止だったような・・
経蔵も庫裏の特別拝観のセットとして内部を見ることができました。輪蔵の美しさもさることながら、土台の彫刻に目を奪われました。ただ、残念ながら内部は撮影禁止でした。しつこいようですが、経蔵もまた国の重要文化財に指定されています。
せっかく40数箇院もの塔頭があるのですから、1つくらいは見学しておこうと立ち寄ったのは、今から約600年前に無因宗因禅師に帰依し創建された退蔵院。
枯山水もありますよ。ここ退蔵院の一番の見どころは、山水画の始祖で画僧であった如拙が1415年に描いた作品、瓢鮎図(ひょうねんず)です。ただ、実際に見られるのは模本となってて、国宝の瓢鮎図は京都国立博物館にあるそうです。
日本最古の水墨画でもある瓢鮎図は、瓢箪(ひょうたん)でどうすれば鯰(なまず)が捕らえられるか?というユニークな禅の問題です。あの宮本武蔵もこの退蔵院所蔵の瓢鮎図を見たとか見ないとか・・・
塔頭の1つでこんなに広いんですからねぇ。他、水琴窟もあるよ。

●大徳寺(だいとくじ)
臨済宗大徳寺派の大本山である大徳寺は、鎌倉末期(1315)に大燈国師(宗峰妙超)により開創され、花園天皇と後醍醐天皇の厚い信仰を受けました。室町時代には幕府の保護を辞退し独自の立場を貫き、応仁の乱にて焼失しますが、一休さんの名で知られる一休宗純(いっきゅうそうじゅん)が堺の豪商の保護を受けて復興し、豊臣秀吉や諸大名により建物や寺領も寄進されました。

<住所>
京都府京都市北区紫野大徳寺町53
<アクセス>
京都市営地下鉄の北大路駅から徒歩約15分。バスでは大徳寺前を下車です。

境内は自由ですが、各塔頭により拝観料がかかります。
入口でもある総門です。大きなお寺ですが、ものすごく有名!ってほどではないので、京都とはいえ週末でも訪れる人も少なく、大人向けの観光スポット?かもしれません。
広い境内には、別院2寺と21の塔頭を有しそれぞれに拝観料がかかります。また多くの塔頭において特別公開を除き非公開が多いので注意です。
山門の手前にある勅使門は国の重要文化財にも指定されています。
こちらも重要文化財の山門です。こちらの山門、有名な茶人である千利休が上層に雪駄履きの自身の木像を安置し、その下を秀吉に通らせたことにが怒りを買い、これが利休が切腹させられた原因であったという説があります。山門は三門とも書き、空門・無相門・無作門を表し、この三解脱門をくぐればあらゆる執着から解き放たれるらしいのですが、こちらでは実際には通り抜けることは出来ず。
トップの写真が大徳寺の本堂でもある仏殿で1665年に那波常有(なわじょうゆう)の寄進で建てられた重要文化財の建造物。左写真は法堂で、こちらも重文。勅使門から法堂までは一直線に並んだ禅寺特有の配置となっています。尚、ここまでは無料で見学できます。
法堂のちょこっと奥に国宝建造物の大方丈と唐門があるのですが、原則非公開なのでこんな写真に・・・
大徳寺の見所といえば大仙院、龍源院の枯山水庭園あたりなのでしょうか、こちらは大仙院ですが、残念ながら一切の撮影は禁止となっています。1509年に創建された大仙院の本堂(方丈)は創建当時の建物で国宝にも指定され、他にも川あり滝ありの枯山水、大河と何もない穏やかな大海原を表した枯山水、豊臣秀吉と千利休が茶を点てたとされる書院など見所も満載です。怪しい住職のサイン会やガイド付きの案内も嬉しいです。
続いて龍源院へ。龍源院の方丈、玄関、表門は全て創建当時のもので重要文化財にも指定されています。
しかしながらここ龍源院の見所もやはり枯山水ではないでしょうか。写真は滹沱底(こだてい)。いや~、禅の庭園は落ち着く空間だすなぁ。
こちらは日本最小といわれる石庭の東滴壺(とうてきこ)。一滴の水が小川から大河となり、ついには大海となる様に、一滴の大切さを表現しているのだとか。一滴であれば石5~6個でもいいような気もしますが、それはそれで悲しい石庭になってしまうので・・・
余分なものを取り除いた禅宗独特の枯山水庭園、一枝坦(いっしだん)です。右奥には神仙思想に説かれる不老不死の薬を持つ仙人が住むという蓬莱山(ほうらいさん)、右隅には鶴島、そして苔の石組みの大きな島が亀島です。悟りの世界が表現されています。
方丈は1502年(室町時代)の建立で、日本で最も古い禅院方丈建築の遺構を残す貴重なものなんだそうです。
最後に龍吟庭(りょうぎんてい)。時期的なものでアレなんですが・・・



京都府の観光