●大山阿夫利神社
江戸時代、一生に一度は大山詣りと願うほど庶民にとって行ってみたい人気の場所であった大山(おおやま)。大山は別名、雨降山(あふりやま)とも呼ばれ、中腹にある写真の阿夫利神社(あふりじんじゃ)は古くから雨の恵みをもたらす神として信仰を集めていました。

<住所>
神奈川県伊勢原市大山355
<アクセス>
小田急線の伊勢原駅からバスで約30分、大山ケーブルを下車(310円)です。バスの本数は約20分に1本程度あります。
車は市営の有料駐車場が近くにありますが、大山ケーブル駅までは多少歩きます。これはバスでのアクセスでも同じで、写真のような参道を、ひょっこらひょっこら歩きます。両脇には土産物屋さんが多く建ち並びます。
参道は通称、こま参道と呼ばれ、木製の大山独楽は300年もの伝統があり、大山を代表する土産物です。
大山と言えば、独楽よりも有名なのが大山豆腐。古くは修験者などに出された精進料理が庶民にも広がり有名となりました。写真は大山で初めて豆腐料理を出したという老舗、和仲荘(わちゅうそう)さん。こちらは元々は僧侶が寝泊りをする宿坊でしたが、現在は一般客でも宿泊しなくとも料理のみを頂くことができます。
参道沿いには他にも豆腐料理店が多く、どのお店も料金は2千円から5千円以上までと少々お高めですが、霊峰大山の良質の水でつくられた美味しい大山豆腐は絶品ですので是非立ち寄ってみましょう。
豆腐グラタンは外人さんにも喜ばれる人気メニュー。3、5、7品でのコース料理が選べます。もともとは精進料理ですので、あまり腹は満たされません。お腹を満たしたい人には小川屋さんか、かんき楼さんが人気でお薦めです。
大山ケーブル駅からはケーブルカーで約6分、470円(往復870円)で阿夫利神社まで。途中駅の大山寺駅で降りれば、大山のお不動さんとして親しまれている大山寺があります。大山寺の建立は奈良東大寺を開山した良弁僧正によるもので、明治の廃仏毀釈運動によって阿夫利神社から移りました。尚、大山寺駅から阿夫利神社まで、又は大山ケーブル駅から大山寺駅まではケーブルカーで250円(往復480円)です。登山の方は大山ケーブル駅から女坂を登った途中にあります。
登山をされる方は、大山ケーブル駅から男坂か女坂を登り阿夫利神社を目指します。所要時間は男坂で約30分、女坂で約40分で男坂は女坂に比べて急勾配の階段が連続します(女坂も後半は辛くなります)・・・

写真は男坂。高齢な方も多く登っていますが、半端なくキツイ登山ですので注意。石段で有名な香川県の金刀比羅宮どころの話ではありません・・・
写真トップの阿夫利神社の右脇には大山名水が飲める洞窟があります。登山の後の水は美味しい!そして涼しい〜!
大抵の方はケーブルカーで阿夫利神社まで行き、帰りに豆腐を食べて帰るのが一般的なようですが、登山者いわく、ここからが本当の大山ですよ。と言われ山頂を目指します・・・ これがまた険しい険しい。コースは本坂(約90分)と神社から右手に延びる見晴台コース(約100分)とに分かれます。所要時間は健脚の場合ですので注意が必要。
こちらは本坂20丁目にある富士見台からの景色。下社の阿夫利神社から山頂の本社までには全部で1〜28丁目までの石碑があり、これが精神的に良いのか悪いのか、あと8丁目で頂上かぁ。。。
汗だくになって着いた〜!写真は本社より少しだけ上にある奥社です。さすが雨降山と呼ばれるだけあって一帯は霧に包まれています。ちなみに下界は晴天です。
帰りは見晴台コースにて下社の阿夫利神社まで。途中には二重の瀧があり、心安らぎます。途中っていうか殆ど阿夫利神社の近くなんですけど。。

見晴台コースは途中で日向薬師へと向かう道とに分かれるので注意です。とんでもない場所に向かうことにならぬようハイキングマップは必ず持参しましょう。

●小田原城
かつて、武田信玄や上杉謙信の大軍でも落とせなかった小田原城。当時、関東で大きな勢力を持っていた北条氏(鎌倉時代の北条氏と区別し後北条氏とも呼ばれます)ですが、1590年に豊臣秀吉が天下統一の総仕上げとして小田原城を包囲し降伏(小田原合戦)。現在の小田原城は江戸時代に造られた雛形や引き図を基に昭和35年に復興したものです。

<住所>
神奈川県小田原市城内6-1
<入館料>
410円 (見聞館との共通券600円あり)
9:00〜17:00


<アクセス>
新幹線、小田急線、箱根登山鉄道、伊豆箱根鉄道、JRの小田原駅から徒歩約10分。
小田原駅を出て右方向に進めば10分程度で天守閣へと到着しますが、駅前の商店街を正面に進んで行けば、写真のような復元された馬出門や銅門、正門にもあたる常磐木門などを見学することができます。これが正規登城ルートだそうで、徐々に天守閣へと近づくほうが感動も大?で個人的にもお薦めコースです。二の丸正面に位置する馬出門(うまだしもん)は馬屋曲輪へ通ずることからこの名が付いたそうで、1672年に枡形形式に改修され江戸時代末期まで存続しました。当時の基礎石が見つかったことからこの場所に元々あったそうですよ。
こちらは銅門(あかがねもん)です。二の丸に通じる位置にあり、二の丸の正門にあたるそうです。銅板の装飾が名の由来だそうです。
常磐木門の手前には小田原城歴史見聞館(300円、天守閣とのセット券あり)があります。決して広くはない施設ですが、カラクリ人形芝居などを見ながら小田原城の歴史について学ぶことができます。常磐木門の手前にはもう1つ小田原市郷土文化館という施設があります(無料)。時間に余裕のある方は寄ってみるとよいでしょう。
常磐木門を通り抜けると左手には天守閣があり、その手前には何故だかガラスの美術館、小田原城ミューゼがあります。城にガラスの美術館は不似合いなんですが、キラキラしたガラス細工の作品にはウットリします。
小田原城は当時、延長9kmもの城下町を囲む大規模な城郭で、難攻不落と呼ばれる堅城であったため、秀吉は得意であった包囲戦術をとり、その間に小田原城の西に城を築いたようにみせるため、骨組みを造り、外側には白い紙を張るなどの偽の城、石垣城を林の中に建てます。そして、完成すると前面の林を切り裂いたのです(秀吉の一夜城)。一夜にして目の前に城が現れたのですから北条方もさぞ驚いたことでしょう。戦う気が失せて降伏するのも仕方ありません。
小田原駅から正規登城ルートの正面商店街を進むと、左手におしゃれ横丁という小さな路地の入口があります。その少し先に秀吉に敗れた北条氏政と夫人、それと弟の氏照の墓があります。駅からは歩いて3分程度です。小田原征伐において当主の北条氏直は助命されましたが、秀吉の命によって、当時実質的な当主であった氏政と弟の氏照は切腹させられました。一番右の大きな五輪塔が氏政夫人、続いてその左に氏政、一番左が氏照の墓です。かつての関東の覇者であった氏政の墓が小さ過ぎて可哀想・・・ 尚、五輪塔前にある平たい石の上で氏政、氏照が自刃したと伝わります。

●大雄山最乗寺(だいゆうざんさいじょうじ)
1394年に了庵慧明によって開山された曹洞宗の古刹、大雄山最乗寺。寺伝によれば、ある日、1羽の大鷲が禅師の袈裟をつかんで足柄の山中に飛び大松(袈裟掛けの松)の枝に掛ける奇瑞を現じた。その啓示によってこの山中に大寺を建立とされます。寺の完成と同時に天狗になり身を山中に隠したと伝えられることから、道了尊とも呼ばれています。

<住所>
神奈川県南足柄市大雄町1157
<アクセス>
小田原駅からは、伊豆箱根鉄道大雄山線の終点、大雄山駅まで約20分、270円です。さらに、駅からバスで約10分(270円)、終点の道了尊を下車です。バスは、おおよそですが30分1本程度で運行。あじさいの見頃の時期は2つ手前の仁王門を下車し、あじさい参道を歩いて行くのも人気のコース(3km程度)。

境内自由、無料駐車場あり。
バス停から本堂までは徒歩10程度かかります。マイカーでお越しの方はもう少し上の方まで向かうことが出来ます。
境内図の右下の方から歩いていくような感じとなります。
こちらが昭和29年に再建された本堂です。昭和を代表する仏教建築家だそうです。
堂内には御本尊の釈迦牟尼仏、脇侍に文殊・普賢両菩薩が安置されています。
こちらは徳川家康の次男で、結城秀康の五男にあたる松平大和守直基の墓。直基の墓が大雄山最乗寺に建立されたのは、時の権力者である徳川将軍家と大雄山最乗寺との関係の深さもさることながら、直基自身が大雄山最乗寺に対する信仰が深かったことに由来すると考えられています。
ちょっとした滝(洗心の滝)もあります。他にも書院や開山堂、金剛水堂、不動堂、多宝塔・・・と見所?も多いです。
道了大薩の浄域とされる結界門を通り抜けると、その先に下駄がいっぱい置いてある御真殿に辿り着きます。寺伝では天狗になったとされる道了。山で修行する山伏らが下駄を履いていたことから、天狗も大きな下駄を履いていたとされ、御真殿の横には多くの下駄が奉納されていました。尚、御真殿には本尊、道了大薩と、両脇侍に大天狗・小天狗が祀られています。
結界門から御真殿まで石段が77段、奥の院までは350段余りもあるそうです。
まるで天まで続く石段、先が見えない・・・
奥にあるから奥の院。体力に自信のある方はどうぞ・・・ 帰りは林道を歩いて下っていきます。道中の老杉は見応えがあり、もしかしたら悟りが開けるかもしれません。もしかしたら・・・です。

●江の島(江ノ島)
周囲4km程度しかない島、江の島は全国から訪れるほどの観光地ではありませんが、地元をはじめ近県から訪れる人は多く、特に週末は多くの人で賑わう人気の観光スポット。又、鎌倉と並び若いカップルにも人気のデートスポットとなっています。

<住所>
神奈川県藤沢市江の島2
<アクセス>
東京駅からはJR東海道本線で藤沢駅。新宿駅からは小田急線、又はJR湘南新宿ラインの大船駅経由で東海道本線で藤沢駅。藤沢駅からは江ノ島電鉄又は小田急線の片瀬江ノ島行きで終点。
小田急線の片瀬江ノ島駅と江ノ電の江ノ島駅との間はかなり離れています。距離的には片瀬江ノ島駅の方が断然近くなりますが、江ノ電側からの道中には新鮮な刺身やしらす丼などが味わえるお店も多くあります。
江ノ電の江の島駅からは写真の江の島弁天橋まで徒歩15分程度。小田急線の片瀬江ノ島駅からは徒歩7〜8分程度です。尚、歩行者専用の江の島弁天橋の隣には自動車専用の江の島大橋が架かっています。車で来られる方は週末には昼頃から橋、及び周辺道路が激しく渋滞します。特に海水浴シーズンの混雑は半端ではありませんので注意です。

橋の手前、右側に観光案内所があります。ここで忘れずにマップを手に入れておきましょう。
橋を渡るとすぐに江島神社(えのしまじんじゃ)へと続く参道があり、入口には青銅の鳥居(1821年)があります。江島神社は元々は仏教の弁財天を祀っていましたが、明治時代の神仏分離令によって神社へとなりました。
鳥居をくぐると、狭い参道に多くの土産物屋さんが建ち並び、この道幅は江戸時代の頃より変わらないんだそうです。ちなみに、ここが江の島の中で一番賑わいのある場所となっています。江の島と言えば、しらすが有名。お薦めはしらす料理専門店、とびっちょ。メニューも豊富で新鮮な魚介類が味わえますが、週末は並ばなければ食べられないほどの人気です。土産用のじゃこも売れています。他には、あさひ本店の丸焼きたこせんべいも週末は大行列!
江島神社は、辺津宮(へつみや)、中津宮(なかつみや)、奥津宮(おくつみや)の三社からなっており、この先に辺津宮があります。
階段は辛い・・・ そんな方のために屋外エスカレーター、エスカーがあります。料金は360円で、3区間のエスカーが利用できます。途中から乗ることも可能で、展望灯台セット券(750円)や江の島展望灯台+岩屋(他)とのセット料金(1000円)などがかなりお得です。

ゆっくり上れば決して苦ではない階段なので、エスカーを使う人は少ないようです。ちなみにエスカーは上りしかありません。なので、帰りは階段です。
こちらが辺津宮で、日本神話によればアマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって使用された十拳剣によって生まれた女神、イチキシマヒメを祀っています。詳しくは宮崎県の観光を参照して下さい。ここから階段、又は2区目のエスカーで中津宮へと向かいます。この他にも牛頭天王(ごずてんのう)を祀った八坂神社や見晴らしのよい、みどりの広場、階段を下ったところに勝運の神様(児玉源太郎)を祀った児玉神社などの参拝&観光スポットがあります。
中津宮から階段、又は3区目のエスカーで上っていくと江の島のシンボルタワー、江の島展望灯台があります。サムエル・コッキング苑といった庭園もあります。尚、この展望台で引き返す方も多いのですが、せっかく江の島を訪れたのであれば、この先の岩屋まで行ってみるのがお薦めです。尚、展望灯台の先には奥津宮や龍恋(りゅうれん)の鐘など見所も豊富?です。
こちらは展望台から岩屋へと続く道です。この先に奥津宮があります。名物のしらす丼を食べるだけなら人気店にこだわる必要はありません。この道沿いにも多くの食堂があり、どこも新鮮なシラスが味わえます。江の島に来たら釜揚げしらす丼ではなく、是非とも生しらす丼を食べておきたいところです。
こちらが江の島岩屋です。週末は磯釣りをしている人も多く、ちょっとした磯遊び的な事も可能?です。この岩屋まではかなり階段を下るのですが、帰りは元来た道を戻るためかなり辛い!そんな方には遊覧船が400円で江の島弁天橋まで運んでくれます。
この岩屋には江島神社の発祥の場となる洞窟があります。入洞料は500円。エスカーや展望灯台とのセット料金もお得です。この洞窟は第一岩屋と第二岩屋からなり、古くは役の行者が参籠したと言われ、庶民の信仰の対象になり岩屋詣でが盛んに行われていたそうです。岩屋詣に来た印として様々な石造物を奉納しそれが今も残されています。
江島神社の発祥の場所でもある岩屋洞窟には日蓮の寝姿石や探検気分でロウソクを手に持って進む場所もあります。それほど長い洞窟ではないのですが、ここまで来たら是非とも寄ってみましょう。
洞窟内では江戸の浮世絵師、歌川広重の岩屋之図(江の島の浮世絵)や、明治から昭和初期にかけての岩屋の風景なども見ることができます。木の橋なんてちょっと怖いですね。当時はこの橋を使って奉納する石造物を運んでいたのでしょうか。
写真は第一岩屋と第二岩屋の間の橋から見える亀石。ほんと、亀みたいです。大潮の満潮時など潮位が高いと見えないこともあります。

●日本民家園
日本民家園は川崎市にある古民家を中心とした野外博物館で、急速に消滅しつつある古民家を永く将来に残すことを目的に多くの古民家が保存展示されています。

<住所>
川崎市多摩区枡形7-1-1

<入園料>
500円 9:00〜17:00(季節変動あり)
休園日 月曜日、年末年始
<アクセス>
小田急線の向ヶ丘遊園駅から徒歩約15分。都内からも近く、新宿駅から向ヶ丘遊園駅までは小田急線で約25分、250円です。
決して観光名所といった場所ではありませんが、一昔前にタイムスリップしたような風景の中、のんびりとした時間を過ごすことができますよ。
日本民家園では主に東日本の民家を中心とした江戸時代から昭和にかけて多くの建物が保存されています。写真は・・・忘れました。。
古民家ならではの温もり感がなんともいえませんね。
あっ、こんな場所にも合掌造りの家があるじゃないですか!世界遺産にも登録されている岐阜県や富山県の合掌造り集落を見に行かなくとも合掌造りの家を見れるのは嬉しいですね。


神奈川県の観光