●鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)
平安時代の武将、源頼義が前九年の役での出陣の際に戦勝祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜の海岸近くに祀ったのが鶴岡八幡宮のはじまりです。その後、源頼朝が現在の地に八幡宮を移し、幕府の守護神としました。

<住所>
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31

<アクセス>
JR横須賀線の鎌倉駅、又は江ノ島電鉄(江ノ電)の鎌倉駅から徒歩約10分。都内からはJR東海道線やJR湘南新宿ラインで大船駅から横須賀線に乗り換えます。
鎌倉観光の中心の駅となるのが鶴岡八幡宮や源頼朝のお墓などがある鎌倉駅と、鎌倉の大仏様で知られる高徳院や花の寺として有名な長谷寺のある長谷駅、そして建長寺や美しい紅葉やアジサイでも有名な円覚寺や明月院のある北鎌倉駅となります。

観光名所周辺の道路は狭い場所が多く、大通りも常に混雑しています。駐車場も少ないので鎌倉観光には電車・バスがお薦めです。
こちらは境内の入口にある源平池。この池は参道を挟むように両脇に2つあり、それぞれ源氏池、平家池と呼ばれています。この池は北条政子が掘らせたと伝わるもので、右側にある源氏池には産を意味する3島、左側の平家池には死を意味する4島があります。写真では一面を蓮の葉に覆われてよく分かりませんが・・・
平安時代、皇位継承の望みがなくなった皇族達は、その身分から外されても政治の実権は握っていました。そのなかでも有名なのが源氏、平氏、橘氏、藤原氏の四姓。平安末期になると平清盛を中心とする平氏政権が誕生しますが、1185年の壇ノ浦の戦いで源氏に破れ平家は滅亡します。清和源氏の源頼朝は、その後に鎌倉に幕府を開き全国を支配することになり、時代は鎌倉時代へと突入していきます。尚、鶴岡八幡宮の読み方は『つるがおかはちまんぐう』なのでお間違えなく。
鶴岡八幡宮には宝物殿の他に、同じ境内に鎌倉国宝館という建物があります。観覧料は日によって300〜500円とバラバラなので興味がある方は事前に調べておきましょう。ちなみに館内は意外と狭いです・・・
鎌倉駅の東口を出て正面に進み、大きな通りに出れば鶴岡八幡宮へと続く広々とした参道へと出ます。大きな通りの手前に、同じく鶴岡八幡宮へと続く路地があります。これが小町通りと呼ばれる路地で、週末には多くの観光客や買い物客で賑わいます。
小町通りにはテレビや雑誌でよく登場するオシャレな店も多く集まり、デートスポットとしても有名です。週末になると写真の通り大混雑するほどの賑わいがありますよ。
参考までに鶴岡八幡宮周辺の鎌倉観光の代表的な観光スポットを地図にまとめてみました。一般的なモデルコース(観光客の多い)としては、鶴岡八幡宮+小町通り+高徳院、長谷寺の鎌倉散策と、円覚寺+明月院+建長寺の北鎌倉散策となります。これらの寺院以外は観光客も少なめで、地元民向けの観光スポットとなります(銭洗い弁天除く・・・)。渋めのコースとしては杉本寺+報国寺+瑞泉寺あたりでしょうか。観光客は少なめですが、テレビ、雑誌等でよく紹介されます。


●長谷寺(はせでら)
一年中、季節の花を見ることができ、花のお寺としても有名な長谷寺。奈良にある長谷寺(こちらも花のお寺として有名)と同じく、本尊は十一面観音菩薩像となっていて両寺とも繋がりの深い歴史があります。

<住所>
神奈川県鎌倉市長谷3-11-2

<入山料>
300円。
3月〜9月 8:00〜17:00、10月〜2月 8:00〜16:30
<アクセス>
江ノ島電鉄(江ノ電)の長谷駅から幹線道路を右手に出て徒歩約5分。バスでは鎌倉駅から長谷観音を下車です。江ノ電は区間によっては路面電車となり、道路を走ったり住宅の中を抜けたりと楽しさいっぱい。長谷寺で下車するとその雰囲気は味わえませんが、沿線には稲村ヶ崎や七里ヶ浜、江ノ島など海沿いの景色は最高ですよ。時間がある方はこちらへも是非寄ってみましょう。
境内には地蔵堂や阿弥陀堂など見所は多く、順路には季節ごとの花が多く咲いています。
桜や牡丹をはじめ多くの花が咲き乱れる庭園は、どの季節に来ても訪れる人の目を楽しませてくれます。なかでも眺望散策路の周辺には40種類以上約2500株のアジサイが群生しており、梅雨時のアジサイは見事ですよ。ただ、アジサイの咲く時期は恐ろしい人込みとなりますので注意ですが・・・
のんびり散策すれば、なんとも可愛らしいお地蔵(和み地蔵)にも出会えますよ。この笑顔、和みますねぇ。
本尊でもある十一面観音菩薩(撮影禁止)のある観音堂の横には見晴台があります。鎌倉の街並みと海が一望できます。
境内の右奥には弁財天を祀った弁天堂があります。中は洞窟になっていて写真の入口から入り、左の方から出てきます。ちょっとした探検気分も味わえますよ。


●高徳院(こうとくいん)
高徳院の本尊でもある阿弥陀如来坐像は鎌倉の大仏様として知られ、鎌倉でも人気の観光スポットです。そもそも誰が何のために造られたのか謎の多い大仏さん。分かっているのは地震による大津波によって大仏殿が破壊され、奈良の大仏様とは違い雨ざらしになってしまったということです。。

<住所>
神奈川県鎌倉市長谷4-2-28

<拝観料>
200円。4月〜9月 7:00〜18:00 10月〜3月 7:00〜17:30 大仏胎内(20円)は16:30まで。
<アクセス>
江ノ島電鉄(江ノ電)の長谷駅から徒歩約7分。手前にある長谷寺へと向かう道を進みます。鎌倉駅から散歩がてら歩く場合は徒歩約30分です。

奈良の大仏さんは不可能ですが、鎌倉の大仏さんは胎内を見学することが出来ます。しかも料金たったの20円!しかし、実際に中へと入ってみれば・・・ 20円出費したのが悔やまれます(笑)
鎌倉には、あじさい寺として有名な長谷寺や明月院がありますが、6〜7月にかけては至る場所で美しい紫陽花を見ることができます。


●銭洗い弁天(宇賀福神社)
源頼朝に宇賀福神の夢のお告げがありました。「西北の谷に湧き出す霊水で神仏を供養せよ。天下は泰平になるであろう。」お告げの通りにこの地に湧き水があったので、さっそく宇賀福神を祀り、その水で神仏の供養を行ったことが、創建の由来だそうです。

<住所>
神奈川県鎌倉市佐助2-25-1
<アクセス>
鎌倉駅から徒歩20分程度。鶴岡八幡宮へと続く小町通り入口を左折し踏み切りを越えると案内板があります。尚、境内自由です。
創建は1185年とされ祭神に宇賀神を祀っていますが、もとは七福神の一柱でもある弁財天と合わさって生まれた(神仏習合)神様です。それが明治時代の神仏分離令により神社となりました。

写真が入口で洞窟の奥に神社があります。無料駐車場も小さいですがこの坂の手前にあります。
ここの湧き水でお金を洗って使うと、何倍にもなって返ってくるそうですよ。皆さん、そりゃ〜必死です。


●寿福寺(じゅふくじ)
源頼朝が没した翌年、妻の北条政子が明菴栄西を開山に招いて建立した鎌倉五山第三位の寺です。裏山の「やぐら」(中世の横穴墳墓)には、源実朝、母・政子の墓といわれる五輪塔があります。

<住所>
神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-17-7

<アクセス>
鎌倉駅から徒歩約20分。
銭洗い弁天から近い場所にあります。線路沿いにあり、近くまで行けば案内板もあるので迷うことはないでしょう。
本堂内は残念ながら一般公開されていないため、遠くからしか眺められません。本堂左手にある小道に沿って進むと墓地に出ます。墓地内を右奥へと回り込んだ先に源実朝、北条政子の墓といわれる墓があります。鎌倉で多く見かける山に開いた穴は、やぐらと呼ばれるもので、この地域の特徴でもあります。


●源頼朝の墓
源頼朝(みなもと のよりとも)は1180年に平家打倒のため挙兵、鎌倉を本拠として1185年には平家を滅ぼしました。又、鎌倉幕府を開き武家政治の基礎を築きました。

<住所>
神奈川県鎌倉市西御門2-5-2

<アクセス>
JR鎌倉駅から徒歩15〜20分程度。
分かりにくい場所にあるのですが、鎌倉には至る場所に看板も立っているので迷うことはないでしょう。


●鎌倉宮(かまくらぐう)
鎌倉宮は後醍醐天皇の皇子である護良親王(もりながしんのう)を祭神とする神社で、護良親王は後醍醐天皇の鎌倉幕府倒幕の動きに呼応して幕府軍と戦うなど貢献しました。

<住所>
神奈川県鎌倉市二階堂154

<拝観料>
無料 宝物殿は300円で9:30〜16:30(季節変動あり) 
<アクセス>
鎌倉駅からバスで大塔宮を下車すぐ。徒歩では鎌倉駅から25分程度です。少し手前には鎌倉幕府の初代征夷大将軍、源頼朝の墓や学問の神様としても有名な菅原道真を祀った荏柄天神社などもあり、散策しながら鎌倉宮へと向かうのもお薦めです。
広い境内入口と拝殿手前には厄割り石があります。盃(100円)に息を吹いて石に投げて割ると厄除けになるそうです。


●瑞泉寺(ずいせんじ)
鎌倉幕府の重臣、二階堂道蘊が創建し、後に初代鎌倉公方の足利基氏が帰依した高僧、夢窓疎石(むそうそせき)を開山とし寺号も瑞泉院から瑞泉寺へと改めました。鎌倉公方(鎌倉府の長)の菩提寺であり、鎌倉五山に次ぐ関東十刹に列せられた格式ある寺院です。

<住所>
神奈川県鎌倉市二階堂710

<拝観料>
200円 9:00〜16:30
<アクセス>
鎌倉駅からバスで大塔宮(鎌倉宮)を下車し徒歩約15分。鎌倉駅から徒歩では30〜40分程度かかりますが、散策コースを駅から小町通り→八幡宮→源頼朝の墓→鎌倉宮→瑞泉寺と巡れば古都鎌倉を十分に堪能できますよ。
鎌倉には別名に花の寺、あじさい寺、竹寺などの寺院が多く、この瑞泉寺も別名、花の寺として1年中、季節の花々を鑑賞することができます。
鎌倉観光は鎌倉駅〜北鎌倉駅までの寺院に人気が集中し、紅葉などの特別なシーズンを除いてはこちら方面の観光客はグッと少なくなります。古都鎌倉を存分に堪能したい方は、是非寄ってみて下さい。
本堂の裏手には夢窓疎石が岩を削って作った庭園(発掘復元)があり、瑞泉寺の見所の1つでもあります。正面にある洞窟は天女洞で水月観道場と呼ばれ、ここで疎石も池に映る月を眺めていたのかもしれませんね。
本堂の左手には、どこも苦地蔵があります。どこも苦、どこも苦(何処へ行っても苦しいのは一緒だと)地蔵さんが言っております。このお地蔵さん、見ると結構怖いです。。


●報国寺(ほうこくじ)
報国寺は、足利、上杉両氏の菩提寺(ぼだいじ)として栄え、中国より招聘された無学祖元に師事し、のちに中国へ渡って修行した高僧、天岸慧広(仏乗禅師)が開山した寺院です。竹寺としても有名で、美しい竹林は見所の1つ。

<住所>
神奈川県鎌倉市浄明寺2-7-4

<拝観料>
200円 9:00〜16:00
<アクセス>
鎌倉駅よりバスで浄明寺を下車し徒歩2〜3分。徒歩では鶴岡八幡宮や鎌倉宮から県道204号線をひたすら直進です。
境内には岩を削って作られた、やぐらがあり足利家の墓や供養塔があります。鎌倉周辺には至る場所にこのような「やぐら」が多くあります。
しかし、なんと言っても報国寺の見所は竹林の美しさでしょう。別名、竹寺と呼ばれるだけあって、その美しさは心が落ち着きます。ちなみに、それほど広い敷地に竹があるわけではありません。あくまで竹の庭です・・
サラサラサラ〜と言う心地よい音に囲まれて心も体もリフレッシュ!平日や観光客の少ない時間帯が静かでお薦めですよ。


●浄妙寺(じょうみょうじ)
源頼朝の伊豆挙兵以来の重臣・足利義兼が、退耕行勇を開山として建立しました。退耕行勇は源頼朝や政子が帰依した高僧です。本堂の奥にある鎌倉稲荷神社は鎌倉の地名の由来になったとされています。

<住所>
神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31

<拝観料>
100円 10:00〜16:30
<アクセス>
鎌倉駅からバスで浄明寺を下車し徒歩2〜3分。徒歩では鶴岡八幡宮や鎌倉宮から県道204号線をひたすら直進です。報国寺や杉本寺にも近いのでセットで観光するのがよいでしょう。

鎌倉五山第五位の浄妙寺の美しい枯山水を眺めながら美味しいお抹茶も頂けます(別途500円)。


●杉本寺(すぎもとでら)
鎌倉幕府が成立する500年も前の奈良時代(8世紀)に、行基が開いたと伝える鎌倉最古の寺です。行基は奈良の大仏造営への貢献や貧民救済の社会事業などで知られています。

<住所>
神奈川県鎌倉市二階堂903

<拝観料>
200円 8:00〜16:30
<アクセス>
鎌倉駅からバスで杉本観音を下車し徒歩1分。報国寺や浄妙寺にも近いのでセットで観光するのがよいでしょう。

小さなお寺ですけど、仏像が沢山あったり美しい石段があったりと心和みます。ちなみに写真の石段は上れず、迂回するような順路となっています。
鎌倉には切通し(きりどうし)と呼ばれる古道が幾つもあり、代表的なものが鎌倉七口(かまくらななくち)と呼ばれる7つの道です。これらは昔、鎌倉へと続く主要な道路でありました。杉本寺近くにある釈迦堂切通しは鎌倉七口には含まれませんが、迫力のある切通しを見ることができます。
当時の面影を残した雰囲気のよい場所ですが、古道と呼べるほどの距離はありません。又、通り抜けは岩が崩れる恐れもあり危険ですのでご注意を(立入り禁止の看板あり)。


●覚園寺(かくおんじ)
健保六年(1218)、二代執権・北条義時が、戌神将のお告げにより建てた薬師堂が前身です。その後九代執権・北条貞時が、元寇が再び起こらぬことを願い、戒律を中心とした四宗(真言・天台・禅・浄土)兼学道場に改めました。

<住所>
神奈川県鎌倉市二階堂421
<拝観料>
境内自由ですが、トップの写真の愛染堂から先は拝観料300円が必要。説明付きで境内を案内してくれますが、拝観時間が10:00〜15:00の毎時と決まっていますので注意(境内は撮影禁止)。又、雨天時や法要日は拝観中止となり要確認です。
<アクセス>
鎌倉駅からバスで大塔宮(鎌倉宮)を下車し徒歩15分程度。健康志向の方は鎌倉駅から鶴岡八幡宮→源頼朝の墓→鎌倉宮を目印に散策してみましょう。健康志向&自然大好きな方は北鎌倉駅から円覚寺→明月院→建長寺から天園ハイキングコースに入り途中、瑞泉寺、覚園寺の分岐路を右方面へ進んでください。ただし、かなりの気力と体力が必要。


●鎌倉七口(かまくらななくち)
鎌倉七口(かまくらななくち)と呼ばれる7つの古道は、かつて多くの人々がこの道を行き交い、各地より運び込まれた物資の運搬にも使われてきました。又、道幅を狭くして造られた切通しは鎌倉防衛上必要な防禦施設でもありました。ここで紹介するのは、そんな昔の面影をよく残した朝比奈(朝夷奈)切通しです。

<住所>
神奈川県鎌倉市十二所
<アクセス>
鶴岡八幡宮からでも徒歩30分程度かかります。バスでは鎌倉駅から金沢八景、又は鎌倉霊園正門前太刀洗行きで十二所神社を下車しY字の交差点を右方向に進みます(案内標識あり)。京浜急行の金沢八景駅からも徒歩では30分程度かかります。
鎌倉側から六浦側に進むと、その先には海があり、当時の六浦は塩の産地であり、安房・上総・下総等の関東地方をはじめ、海外(唐)からの物資集散の港でもありました。舟で運ばれた各地の物資は、この切通しを越えて鎌倉に入っていたそうです。
鎌倉側から朝夷奈切通しへと向かうと、ちょっとだけ心癒される滝があったりします。
昔の人が多く行き交ったこの朝夷奈切通しも、現在は週末でも通り抜ける人は少なく、鎌倉観光の穴場的なスポットでもあります。美しい岩道は途中、階段状のものがあったり、両脇に流れる小川が氾濫していたり、晴天日でも靴がぐちょぐちょになる可能性があり注意です。
大仏さんの像が彫られている場所もあったりします。当時、行き交う人々の安全を願っていたのでしょうかね。
道中には鎌倉側から進むと、右手に熊野神社へと続く道があります。分かれ道からは歩いて3〜4分です。

この辺りには多くの野生のリスを見かけることができます。
森に囲まれた静かな場所に突然神社が現れると、ちょっと感動。熊野神社は鎌倉から見て鬼門にあたり、守り神として祀られたと伝えられています。鎌倉側から進むと、車の音が騒がしくなるとコースは終点となります。ここから再び鎌倉へと戻るか、金沢八景を目指すかは悩みどころですね。一応、金沢八景駅のほうが距離は近くバスも通っています。
海蔵寺近くにある鎌倉七口の1つ、化粧坂(けわいざか)。趣のある道は短いものの、土と石とで固められた、段差の激しい古道は当時のままの姿です。

高徳院、長谷寺〜銭洗い弁財天〜化粧坂〜鶴岡八幡宮という、ハイキングコースもあります。
長寿寺〜薬王寺の間にある鎌倉七口の1つ、亀ヶ谷坂 (かめがやつさか)。ほんの少しだけ当時の面影が見えます。

場所的には鶴岡八幡宮と北鎌倉駅の中間くらいの中途半端な位置になります。
距離は短いものの、こちらの大仏切通しも当時の面影がかなり残る古道です。アクセスは、長谷駅から高徳院への道を通り、トンネル手前の右手にある階段を上ります。この道は大仏ハイキングコース(銭洗い弁財天方面)にもなっているのですが、それを上ってすぐの看板を大仏切通し方向へ進んで下さい。高徳院から切通まで徒歩で15〜20分程度です。途中現れる謎の方向看板は「火の見下」へ進んで下さい。最初のトンネル手前の階段を切通側ではなく、道路をまたぐように上ると、見晴らしのよい長谷配水池に出て、そこから極楽寺へ抜けることが出来ます(最後、突き当たりの小学校は左です)。


●極楽寺(ごくらくじ)
深沢(鎌倉市)にあった寺院を、1259年にこの地へと北条業時が移転した極楽寺。奈良の西大寺で戒律を学んだ忍性(にんしょう)が、北条業時に招かれ多宝寺往持となり、その後1267年に開山として迎えられたとされます。当時の寺域は広大で、国家安泰を祈る勅願所としての寺格を保っていたといいます。

<住所>
神奈川県鎌倉市極楽寺3-6-7
<アクセス>
江ノ島電鉄の極楽寺駅の線路を渡ってすぐ。

<拝観時間>
9:00〜16:00 境内自由。尚、境内は写真禁止です。


●光明寺(こうみょうじ)
材木座に所在する光明寺は、江戸時代には浄土宗関東十八壇林の第一位として格付けされた格式の高い寺院です。開山は記主禅師然阿良忠、開基は鎌倉幕府の第四代執権北条経時で、1240年鎌倉に入った良忠のために、経時が佐助ガ谷に寺を建てて蓮華寺と名づけ、それが1243年に現在地に移り光明寺と改められたと伝えます。

<住所>
神奈川県鎌倉市材木座6-17-19 境内自由。
<アクセス>
鎌倉駅よりバス7番のりば小坪経由逗子駅ゆきで光明寺前バス停下車約15分。お寺は海沿いの国道134号線と同じ標高にあります。車でお越しの方は、ナビによっては裏山へと導かれますので注意。
1847年に再建された山門(三門)は鎌倉に現存する最大の山門なのだそうです。楼上には江戸後期作の釈迦三尊像、四天王像、十六羅漢像が安置されているそうです。
額が掲げられている天照山の筆は1436年、後花園天皇より下賜されたご宸筆とのこと。

写真トップにある阿弥陀三尊像を本尊とする本堂は、1698年に建立されたもので、重要文化財に指定されています。鎌倉で現存する近世仏堂のうちでも最大規模を誇り、今なお建長寺、円覚寺と並ぶ壮大な伽藍を構成して、内部の円柱、格天井、欄間の透彫などは建立当初の荘厳さを今に伝えています。
こちらは開山堂。もともと現在の本堂も祖師堂(開山堂)だったらしく、関東大震災で倒壊した阿弥陀堂の本尊を旧開山堂へと移し本堂としたそうです。現開山堂は平成になってから再建されたものです。
本堂右手には三尊五組の石庭と名付けられた美しい枯山水庭園があります。三尊では、極楽浄土の阿弥陀如来と観音、勢至の二大菩薩を表し、五祖は浄土教を布教した五人の高僧、お釈迦様、善導大師、法然上人、鎮西上人、当寺開山の良忠上人の浄土宗五大祖師を示すそうです。
本堂左手には記主庭園と呼ばれる蓮池があります。たまたま訪れたのが12月なので、枯れた蓮しか写っていませんが・・・
鶴岡八幡宮や奈良大仏、北鎌倉からも多少離れているので訪れる方は少ないのですが、立派な山門や本堂、石庭などは多少なりとも見応えがありますので、車でお越しであれば寄ってみては如何でしょうか。境内の駐車場は無料です。


神奈川県の観光