全国的に有名な観光名所は少ないものの、鉄道博物館は子供から大人まで大人気。鉄道ファンには、一度は訪れてみたい夢のような場所です。秩父まで足を運べば美しい渓谷美の長瀞渓谷や奥秩父には温泉地も豊富です。他にも蔵造りの街並が残る川越や、江戸時代の頃に伝説の彫刻職人と呼ばれた左甚五郎作の、つなぎの龍などの彫刻も見応えある秩父神社も、地味ですがお薦めです。

<お土産>
草加せんべいや狭山茶、川越の芋羊羹など。埼玉県のお土産
新幹線をはじめJRや東武鉄道、埼玉新都市交通(ニューシャトル)が乗り入れる巨大な大宮駅周辺は埼玉県一の繁華街が広がります。近代的な写真の西口に比べて東口から見る駅舎は古臭いイメージもありますが、東口の方が商店街も多く活気があります。
埼玉県の主な観光名所の位置関係は地図の通りです。都心から近いこともあり大宮駅(又は温泉地)以外では、東京の池袋駅や新宿駅を基点として行動するのがよいでしょう。

●蔵造りの町並み
川越にある蔵造りの町並みは、明治26年の川越大火によって町の約3分の1が焼失したのを機に耐火建築の家々がつくられ、小江戸と呼ばれる町の風景は、まるで江戸時代にタイムスリップしたような感じです。一帯は江戸時代の頃にはサツマイモの名産地としても知られ、芋の和菓子、洋菓子を扱った店舗も多く、食べ歩きや土産物としても最適。ちなみに、豊富な豆を扱った「まめ屋」さんも芋ではありませんが大人気です。
<住所>
埼玉県川越市幸町7-9

蔵造りの町並みの中でシンボル的な存在であるのが、写真の時の鐘です。この鐘は江戸時代、時間に厳しかった川越藩2代藩主であった酒井忠勝によって作られたもので、現在も1日に4回の鐘が町に鳴り響きます。
<アクセス>
大宮駅からはJR川越線で川越駅まで約20分、320円。都内からは新宿駅から西武新宿線で本川越駅。尚、蔵造りの町並みまで本川越駅から徒歩で10分程度かかり、川越駅から本川越駅までは徒歩で15分程度もかかるので注意です。

<蔵造り資料館>
9:00〜17:00 100円。

●川越大師 喜多院(きたいん)
平安時代に円仁(慈覚大師)が建立したと伝わる無量寿寺(喜多院)。1537年に北条、上杉との戦乱により寺院は焼失してしまいますが、その後に天海が入山し徳川家康への進言により再興が認められ、名称も無量寿寺から喜多院と改められました。

<住所>
埼玉県川越市小仙波町1-20-1
<拝観料>
境内自由ですが客殿、書院、慈眼堂、五百羅漢は拝観料400円。8:50〜16:30(日祝は16:50まで、季節変動あり)

喜多院にある五百羅漢の石像は有名です。拝観には拝観料が取られますが、近くで羅漢像の様々な表情がご覧いただけます。
<アクセス>
本川越駅から徒歩10分程度です、蔵造りの町並みに近いのでセットで観光されるのがよいでしょう。川越駅、本川越駅からは路線バスの他、小江戸巡回バスもあります(喜多院を下車)。時間と体力があれば、蔵造りの町並み→川越城本丸御殿→喜多院→仙波東照宮とウォーキングされるのもお薦めです。
川越大火によって失われた多くの建築物ですが、徳川家とも繋がりの深い寺院であることから、徳川家光によって客殿(家光誕生の間)や書院(春日局化粧の間)などは江戸城から移されたものなんですよ。
実際には500以上もの羅漢像があるそうで、拝観料を払わなくても外からチラッと見えます。しかし客殿や書院、本堂となる慈恵堂などもセットで見学できるので是非、中に入ってみましょう。近くで見ると一つ一つの表情も違っていて楽しいですよ。
結構周辺には緑が多く、散歩されている方も多いです。
徳川家光の命によって御影堂が建てられ、厨子に入った天海僧正の木像が安置されたのが、この慈眼堂だそうで、重要文化財に指定されています。
松平大和守家の廟所です。松平大和守家は徳川家康の次男、結城秀康の五男、直基を藩祖とする御家門、越前家の家柄だそうです。

●仙波東照宮
日本三大東照宮の1つでもある徳川家康を祀った神社、仙波東照宮。徳川家康の死後、遺言により遺骸を久能山から日光へと移動する道中に立ち寄ったのがこの地であり、ここで天海僧正によって4日間の法要が行われました。川越大火で焼失しましたが、後に家光によって再建されています。

<住所>
埼玉県川越市小仙波町1-21-1
<アクセス>
喜多院のすぐ近くです。境内自由。

トップの写真が拝殿です。奥に幣殿、本殿が建っています。右の写真は重要文化財の随身門・石鳥居です。

●川越城本丸御殿
川越城は、1457年に上杉持朝が家臣の太田道真・道灌親子に命じて築いたといわれています。江戸の北側を守る重要な場所であり、江戸時代には川越藩の藩庁としての役割を果たし、かつての川越の中心となる場所でした。

<住所>
埼玉県川越市郭町2-13-1
<拝観料>
100円 9:00〜17:00 年末年始、月曜休館。

川越駅、本川越駅からは小江戸巡回バスで本丸御殿を下車です。ちなみに駅から喜多院、蔵造りの町並みも含め、歩けない距離ではありません。
1846年の二の丸御殿の焼失により造営された本丸御殿は1848年に竣工しました。現在では玄関、広間部分と家老詰所などの一部が残っています。
入口あたりに大広間がありますが、ここだけは撮影禁止となっていますので注意です。
家老詰所は、藩の政治を取り仕切った家老たちが常駐する場所です。この建物は明治初期に解体され、現在のふじみ野市に移築されていましたが、昭和62年に川越城の遺構であることが確認され現在の位置に移築・復元されました。
少し離れた場所には川越城の遺構が残ります(地図参照)。江戸時代になると川越城は江戸の北の守りとして重視され1639年、藩主となった松平信綱は城の大規模な改修を行い、その時に造られたと思われるのが写真の中ノ門跡です。
富士見櫓跡も川越城の遺構の一つで、天守閣の代わりをしていたそうです。場所は地図を参照。

●鉄道博物館
鉄道ファンであれば、一生に一度は訪れたい場所、鉄道博物館。数多く展示される実物車両は、鉄道ファンでなくとも子供からお年寄りまで楽しむことができます。

<住所>
埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47

<アクセス>
JR大宮駅から埼玉高速鉄道、ニューシャトルで1つ先の駅、鉄道博物館駅を下車。
<入館料>
1000円 10:00〜18:00 火曜、年末年始休館

さすが鉄道博物館、入館はSuica、モバイルSuica、PASMO、Kitaca、ICOCAも利用可能です。
なんか、本当に駅のホームにいるみたいな感じですね。車両の中にも入ることができ、車内でお弁当を食べてもいいんですよ。週末は乗車率100%近くになりますけど。。
こちらもリアルな写真だと思いませんか?館内には時代別に多くの車両が展示されています。
国鉄最大の出力を誇った高速貨物列車用電気機関車、EF66形式電気機関車。
これはED75形式電気機関車。鉄道マニアの聖地だけあって展示物も豊富なのですが、マニアじゃなくても十分に楽しめる博物館です。
こちらは国鉄初の固定編成寝台特急用客車。鉄道に詳しくない私でも見てるだけで楽しいです。
3扉ロングシート車で戦前を代表する通勤車両。車内には通勤風景を再現したマネキン達がいます。
東海道本線の特急用一等展望客車。桃山様式の荘厳な内装を誇るそうで、こちらも車内を見学できます。
勿論、新幹線だってありますよ。こちらは懐かしい初代東海道新幹線車両の0系です。
鉄道博物館には車両展示だけではなく、ミニ運転列車や運転シミュレータ、日本最大の模型鉄道ジオラマなど子供から大人まで一日中楽しめる場所となっています。

●長瀞渓谷(ながとろけいこく)
秩父にある広大な渓谷、長瀞渓谷。露出した岩石は段丘をつくり岩畳と呼ばれていて、国の天然記念物となっています。岩畳を眺めながらのライン下りも人気です。

<住所>
埼玉県秩父郡長瀞町長瀞

<アクセス>
秩父鉄道の長瀞駅から徒歩約5分。
長瀞駅から渓谷に出るまでには土産物屋さんが多く建ち並びます。紅葉シーズンなどの混雑期以外であれば写真の通り比較的に静かな観光地となっています。
こちらが長瀞の一番の見所となる岩畳です。岩が水平にびっしりと畳のように敷きつめられていますね。

●秩父神社
祇園祭、高山祭とともにに日本三大曳山祭の1つに数えられる秩父夜祭でも有名な秩父神社。祭りの日は観光バスも続々流入し、半端ない人出となります。現在の社殿は度重なる火災によって焼失しますが、1592年に徳川家康によって再建されました。

<住所>
埼玉県秩父市番場町1-3

<アクセス>
秩父鉄道秩父駅より徒歩3分、又は西武秩父線の西武秩父駅より徒歩15分。
社殿には子育ての虎、お元気三猿、北辰の梟、つなぎの龍の4つの彫刻が四面にあり、色鮮やかで見応えがあります。

写真は中でも有名な名工、左甚五郎作の彫刻、つなぎの龍です。その昔、天ヶ池と言う池があり、その池に住み着いていた龍が暴れると、必ずこの彫刻の下に水たまりができていたことから、この彫り物の龍を鎖でつなぎ止めたところ、その後は龍が現れなくなったという伝説があるそうです。

●さきたま古墳群(さきたま古墳公園)
埼玉県名発祥の地となる行田市にある、さきたま(埼玉)古墳群。さきたま古墳公園内には日本最大の円墳、丸墓山古墳をはじめ計9基の大型古墳があります。他にも展示館や博物館など見所が満載です。

<住所>
埼玉県行田市大字埼玉4834
<観覧料>
園内自由ですが史跡の博物館、古墳展示館は200円(共通券) 9:00〜17:00(季節変動あり)。尚、小中学生は無料です。

<アクセス>
JR行田駅からは、市内循環バスの左回りで約15分。秩父鉄道の行田市駅からは、市内循環バスの右回り約20分。どちらも、埼玉古墳公園前を下車。尚、バスは1日5本程度しかないので注意です。
バス、又は車をを降りて大型駐車場の道路を挟んで向かい側の奥にある、さきたま史跡の博物館。先ずはここで埼玉古墳について勉強してから、各古墳を見学しましょう。残念ながらHP記載目的の撮影は禁止です。

館内には古墳から出土した多くの埴輪の他にも、金錯銘鉄剣や鈴杏葉などの国宝が多く展示されていて見応えがあります。ほとんど錆びていて鉄くず同然のものが多いですが・・・
博物館近くには移築民家があります。左が江戸時代の旧遠藤家で右が明治時代の旧山崎邸です。園内には古墳以外にも行田市と繋がりの深い松平家の菩提寺でもある天祥寺や、はにわの館、薬用植物園などもあります。ちなみに、はにわの館にレンタサイクルもあります。なにせ園内は広いですから。。
こちらは二子山古墳です。武蔵野国の中では当時最大のもので、古墳の造られた時期は6世紀初め頃と推定されています。奈良、平安時代よりさらに昔の古墳時代の人々が土を盛って造った山となるとなんだか感動しますね。まぁ、現代人も復元するためにある程度は土を盛ったんでしょうが・・・
こちらも6世紀後半に造られたと推定される将軍山古墳。古墳内部は展示室があり、さきたま史跡の博物館の入館券があれば入ることが可能です。
将軍山古墳展示館は、さきたま史跡の博物館と比べると写真の復元された石室くらいしか見所はありません。所要時間もわずか2〜3分といった感じでしょうか。
こちらは埼玉古墳群の中で最初に造られた稲荷山古墳。5世紀後半を考えられているそうですが、2004年に復元された古墳です。尚、この稲荷山古墳からは鉄剣が出土し、115文字の銘文から471年に作られたことが分かっています。
古墳群の中でも特に見所となるのがトップの写真にもある丸墓山古墳です。丸墓山(まるはかやま)古墳は日本最大の円墳で高さも19mあります。
南側から古墳にいたる道は、1590年に石田三成が忍城を水攻めにした時に築いた堤防の跡といわれている石田堤です。水攻めの際には古墳の頂上に陣が張られていたそうです。
埼玉古墳群の周辺には、まだまだ多くの古墳が現存しています。車でここまで来られた方は、近くにある八幡山古墳も寄ってみましょう。一部復元されていますが、リアルな石室内部を見学することが可能です。但し、土日祝日のみ10:00〜16:00にて石室内部を公開しています。
奈良の石舞台に匹敵する巨大な石室と豪華な遺物から、葬られた人はかなりの権力者だったらしく、ちょっとしたパワースポットですね。

●忍城(おしじょう)
戦国時代に成田氏によって築城されたと伝わる忍城。あの上杉謙信をも退け、石田三成の水攻めにも耐え抜いた忍城ですが、明治時代に廃城となりました。現在は郷土博物館として天守閣が建てられています。

<住所>
埼玉県行田市本丸17-23

<入館料>
200円 9:00〜16:30
<アクセス>
秩父鉄道の行田市駅から徒歩約15分、JR行田駅からは循環バス右回りで忍城址郷土博物館前下車です。

右図は埼玉古墳群と忍城の位置関係です。1590年、石田三成は古墳に陣を置き城の周りに14km(総延長28km)にも及ぶ堤(石田堤)を築き利根川から水を引きました。忍城を水攻めにしようとした作戦でしたが、忍城は落城せず、この城は水に浮くのかと恐れられました(忍の浮城)。
写真の下においてある角ばった石は忍城櫓の石垣。城内にあった櫓に使用された石だそうです。他にも土塁がわずかに当時のまま残されています。
最上階にある展望台。あんまり見晴らしは良いとはいえません。館内は何故か大半が撮影禁止。

●吉見百穴(よしみひゃくあな)
吉見百穴は、江戸時代の頃には不思議な穴として存在していたそうで、明治時代になってからは本格的に調査がされ、当時は人骨、土器などの発掘から人の住居と思われたそうです。その後の調査で、横穴の構造から古墳時代の後期に死者を埋葬する墓穴だということがわかりました。

<住所>
埼玉県比企郡吉見町北吉見

<料金>
300円 8:30〜17:00 年中無休
<アクセス>
東武東上線東松山駅から川越観光バス鴻巣免許センター行きで5分、百穴入口下車し徒歩5分。バスの本数が少ないので注意です。私はガッツで駅から歩きました。
これも吉見百穴の見所の1つ、天然記念物の「ひかりごけ」です。なんでも、原糸体がレンズ状の細胞がつながりによって光線を屈折反射して光ってるそうです。写真だとよくわかりませんが、一応光ってるってことで・・・ どちらかと言えば蛍光色といった感じです。
吉見百穴は昭和19年末から20年初めに造られた軍需工場跡でもあり、複数のトンネルがあります。トンネルの長さはかなりあるのですが、入れるのは少しだけです。戦時中はこの工事によって数十基の横穴が壊されたそうです。当時、ここでは航空機のエンジン部品を製造していて、本格的な生産を前に終戦を迎えたとのこと。

トンネルはダイナマイトでガッツンガッツン爆破して造ったそうで、戦時中3000〜3500人もの朝鮮労働者が昼夜を通して工事し死者も多く出たそうです。
横穴墓群から少し離れた場所にも穴があったりします。こうした穴の数は全部で219個もあるそうです。
歩いて3〜4分程度の場所に岩室観音(いわむろかんのん)が建っています。岩をうがって観音様を祀ったことから岩室観音(いわむろかんのん)と呼ばれ、ここにある石仏は、四国四十八ヶ所弘法大師巡錫の霊地に建てられた寺々の本尊を模したもので、八十八体の仏像が祀ってあります。現在のお堂は焼失のため江戸時代に再建されたものです。
また、この石仏を拝めば、いながらにして四国八十八ヶ所を巡拝したのと同じ功徳があるとされているそうです。そんな楽をしてもよいものなのだろうか・・・

●氷川神社(ひかわじんじゃ)
氷川神社は今から凡そ二千有余年前、第五代孝昭天皇の御代三年四月未の日の御創立と伝えられる古い歴史を持つ神社で、日本神話に登場する須佐之男命、奇稲田姫命、出雲神話に登場する大己貴命を祀っています。

<住所>
埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
<アクセス>
東武野田線の北大宮駅から徒歩約10分。JR大宮駅からは徒歩20分程度。尚、境内自由です。

大宮駅の東口を出て大通りを直進すると、ケヤキや桜の木がビッシリと植えられている参道に出ます。あとは参道を左折し、ひたすら直進です。
関東に点在する氷川神社の総本社(大宮氷川神社)だけあって境内はとっても広いです。大宮駅からも近いとあって初詣には多くの参拝者が訪れます。



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