●室岩洞(むろいわどう)
江戸時代から昭和29年頃まで石切りが行われていた室岩洞。石は一般に伊豆石と呼ばれるもので、耐火性に優れ、土蔵、倉庫、建物の基礎石、かまど、長州風呂(五右衛門風呂)用として広く使われていました。

<住所>
静岡県賀茂郡松崎町
<見学時間>
日の出〜日没まで見学自由。

<アクセス>
マイナースポットでもあり、かなり分かりにくい場所にある室岩洞。バスでは松崎バスターミナルから雲見入谷行きで造船所下車。車では堂ヶ島、松崎方面からは松崎の町並みを過ぎてすぐの「道部」交差点を右折(136号線)し、くねくね道の山を登っていきます。彫刻ライン(彫刻が多く立っています)の途中、左手に車が2〜3台止められる駐車スペースがあり、洞窟は道路を渡って階段を下りた場所です。下田方面からは国道136号線を松崎方面と向かい彫刻の多く立っている場所を目印にして下さい。
海に向かって階段を下りた場所に入口があるのですが、この階段には段数のほか高低差もあって高齢者には辛いかもしれませんので要注意です。
洞窟部の広さは約2000uあり、昭和29年頃まで石切りが行われ、手掘りのノミの跡、地下水のたまった石室跡などがほとんど当時のまま残っています。洞内は迷路のように入り組んでいますが、順路も書いてあるので安心です。後半迷いますけど・・・
伊豆石には、目に見えない亀裂様の石目があり、大割り加工にも適しています。石切りはまず石目に沿って線引きが行われその線上に石工職人が、約10cm間隔にU字型の箭枡(やます)をノミで掘っていきます。次に、掘られた箭枡に木製(樫木・椎木)の楔(くさび)を打ち込みます。打ち込んだ楔に水・熱湯を注ぎ、木の膨脹を利用して大割りが行われました。
四方が角ばっているとピラミッドの内部にでもいるみたいな感覚です。この洞窟は係員もなく、何時でも見学無料ですが、午後5時に洞窟内の電気が消えます。真っ暗で写真のような水溜りもあるので注意です。
順路に沿っていくと海に出ます。順路が適当なのでここに辿り着かない人もいるかも・・・

輸送方法は、道路が未発達だったということもあり、ここから海岸へ斜面を滑り下ろし、船を唯一の便としていたそうです。

●伊豆山神社(いずさんじんじゃ)
平家に敗れ伊豆へと流罪となった源頼朝は、この地で再興を伊豆権現に祈願し、やがては鎌倉幕府を開き征夷大将軍となりました。豊臣政権時代は焼き討ちに合い焼失してしまいますが、のちに徳川家康によって復興されました。家康がまだ秀吉に仕えていた頃、統治していた江戸を離れ、お忍びで熱海温泉の湯に浸りに来ていたという記録が残っています。家康もまた伊豆権現に祈願し、いつかは自分も頼朝のように幕府を開くことを夢みていたのかもしれません。家康が天下人となってからは、関ヶ原の戦いで勝利したお礼として三百石の朱印領を寄進し、熱海が現在のように栄えるようになりました。
<住所>
静岡県熱海市伊豆山上野地708-1

<アクセス>
JR熱海駅を出て、左斜め前の建物奥(駅前の道路横断)のAバス停から七尾団地方面行きのバスで伊豆山神社前を下車。バスは約5分、180円で20分間隔で運行しています。
その昔、相模国唐浜に流れ着いた神鏡を松葉仙人が伊豆山に祀り、走湯権現と伝承したといわれる伊豆山神社。その後も伊豆山神社は関東の総鎮守として厚く信仰されます。バス停からは少し長めな石段があります・・・ 実は参道入口は山の麓にあり、バス停から海側に向かって恐ろしい数の石段が続いていました。
近年はパワースポットとして参拝客の呼び込みに力を入れているらしく、頼朝、政子の腰かけ石(妻でもある北条政子との逸話から縁結びの神様としても有名)とか、神様の降り立つ光り石など怪しいものが境内に散らばっています。訪問した日も参詣される女性を多く見かけました。
こちらは熱海駅の駅前にある人工の間欠泉で4分に1回、溶岩の間から湯が噴出します。すぐ隣には足湯、家康の湯があります。
バブル期を境に閑散となってしまった熱海の温泉街ですが、今では徐々にではありますが、街は活気を取り戻してきたようにも思えます。

●沼津魚市場
沼津港にある魚市場には海の幸を扱った魚料理の店や度々、テレビでも紹介される寿司屋さんなどがあり、週末には近隣の県から多くの観光客が訪れます。

<住所>
静岡県沼津市千本港町

<アクセス>
場所的には伊豆半島の入口辺りにあり、沼津駅からバスで10分程度。
遠方からわざわざ観光に来るような場所でもありませんが、東京近郊の人にとっては伊豆半島を含め、一帯は日帰り旅行の人気スポットとなっています。
なんとも恐ろしい姿のカサゴの唐揚げ。他にも、イルカとかも売っているんですよ。あまり売れている感じはしませんが、噂では旨いらしい。
この飲食店街が魚市場の人気の秘密でもあります。テレビで紹介されるお店も多く、何処に入ろうか悩みますねぇ。
すぐ近くに水門と展望台が合体した施設「びゅうお」があります。食後の散歩にちょうどいいですね。ちなみに大人100円、小人50円です。

●柿田川湧水群(かきたがわゆうすいぐん)
今から約8500年前に富士山の爆発によってできた三島溶岩流。その三島溶岩流を通ってきた富士山の雨や雪解け水は、長い時間を掛けて地表に姿を現し柿田川となります。その湧水は一日に約100万トンもの量であり東洋一の湧水と言われ、中でも柿田川湧水群は最大の規模の湧水地帯です。

<住所>
静岡県駿東郡清水町伏見72-1
<アクセス>
JR三島駅からバスで15分程度、西玉川を下車し徒歩5分程度。三島駅からは4番のバス停から出ているバス(200円)で西玉川か柿田川湧水公園前で下車します。柿田川湧水公園前の方が近いのですが、、この柿田川湧水公園前を停車するバスは2時間に1本くらいしかないので注意。詳しくは三島駅を出て右奥にある観光案内所で尋ねましょう。
周辺は公園として整備されていて、写真は第1展望台から撮影したもの。砂地の中央部からコンコンと湧き出ているのがわかりますか?
透明度抜群の水面下には水草が青々と茂っていて、とても癒されますよ。木製遊歩道も周りの景色と調和していて、こんな場所が家の近くにあったら毎日散歩したいくらいです。
続いて第2展望台。第1展望台ほどの感動はありませんが、これまた美しい。写真は昔の取水口でもあった湧き間です。
さらに柿田川公園から外れて少し散歩をしてみました。さすが日本三大清流にも数えられる柿田川は美しいの一言。ここら辺りの人は、こんな綺麗な水を毎日飲めるのかと思うとなんとも羨ましいですね。

●韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)
反射炉は西洋で開発された金属溶解炉で、当時鉄製の大砲を造る際には必要不可欠なものでした。ペリー来航によって、外国の脅威にさらされた日本は、異国船を打ち払うことを目的に反射炉を築造し、品川沖に台場を構築して大砲を据えました。現在遺構として残る反射炉は全国でも韮山反射炉と山口県萩にあるだけで、我が国の産業技術史上たいへん貴重な遺跡とされます。
<住所>
静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268-1

<入場料>
100円。9:00〜16:30 年末年始休み。

<アクセス>
伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅を下車し徒歩約20分。
フェートン号事件やモリソン号事件をはじめ、異国船の脅威に晒されていた日本を救う為、反射炉の築造に挑んだ江川英龍の像。通称、太郎左衛門。誰も知りませんよね・・・ ただ、観光地としてはそこそこ多くの見学者がおりました。
反射炉は鉄を溶解する炉体と煙突から構成され、高さは15.7mあります。日本の反射炉の築造技術は、幕末にオランダから長崎を通じて持ち込まれた大砲鋳造法を翻訳した図面なんだそうです。
構造は燃焼室で焚いた燃料の炎や熱をドーム状に湾曲した天井に反射させることによって千数百度もの高温を実現させています。1つの炉では2〜3tもの鉄を溶かすことが出来るそうです。
創業当時は煉瓦の上に漆喰が塗られ真っ白でしたが、現在では耐震補強用に鉄骨が入り煉瓦むき出しになっています。写真は明治時代に撮影されたものらしいです。反射炉の遺構は山口県の萩にもありますが、萩反射炉は試験炉であったという見方が有力視されているそうです。つまり、韮山反射炉は実用炉として全国に唯一残る反射炉ということになります。
焚所への送風口。燃料の灰を落とすところでもあるそうです。
左の穴から石炭などの燃料を入れて、右穴から溶解させる鉄を入れるんですって。
溶解した鉄が流れ出てくるところ。この手前にある鋳台で出湯口から流れ出た鉄を大砲の鋳型に流し込んでいたそうで、初めて鉄製の18ポンドカノン砲を鋳造した時には完成まで11時間もかかったそうです。
再現された鉄製24ポンドカノン砲。江川家の家臣長澤家に伝来した大砲の図面を忠実に再現しているそうです。


静岡県の観光