断崖絶壁の続く世界的に見ても貴重な地質、東尋坊をはじめ、曹洞宗の修行道場として有名な永平寺。そこから比較的に近い場所には日本に12箇所しかないと言われる現存天守、丸岡城と観光名所が多い福井県。観光的には若者よりも大人向けの場所が多いのが特徴ですが、勝山市には福井県立恐竜博物館といった子供から大人まで楽しめる博物館もあります。

<お土産>
羽二重餅、五月ケ瀬、越前ガニ(ズワイガニ)など。
県下一の繁華街は福井駅西口周辺になります。飲み屋などが多い歓楽街はさらに先の順下(片町)周辺になります。遠方から観光に訪れる場合、福井駅までは東海道新幹線で米原駅→敦賀駅経由でのアクセスが便利です。又、石川県、金沢駅からは北陸本線で約90分程度かかります。
繁華街と言うか、駅前です・・・
東口よりも西口のほうが栄えています。だからと言っても活気があるわけではありませんが、飲食店やデパートが建ち並んでいます。
歓楽街は駅前から少し離れていますが、徒歩で行ける場所にあります。通称、片町と呼ばれる一帯には片町通りを中心に賑わいが・・・ 夜は多少の賑わいがあります。
福井県にも路面電車(福井鉄道)が走っています。あまり観光では利用することはなさそうですが、乗り方は他県と同じです。使うとすれば駅前から市役所前で下り、歓楽街まで160円。歩いた方が早そうですけど・・・

●東尋坊(とうじんぼう)
東尋坊の素晴らしい景観は約1200〜1300万年前に起こった火山活動でできたマグマが冷え固まり、それが日本海の波浪による侵食を受けて地表に現れたものです。

<住所>
福井県坂井市三国町東尋坊
<アクセス>
えちぜん鉄道の終点、三国港駅からバスで約15分。1つ手前の駅、三国駅でうっかり下車しても東尋坊まで同じ路線のバスが通ります。尚、本数は1時間1本程度なので注意。

東尋坊の他、福井県の有名な観光スポットの位置関係は地図の通りです。観光名所が密集しているわりに鉄道、バスでのアクセスは悪く、福井県の観光にはマイカー、又はレンタカーがお薦めです。
自然によってつくられた高さ25mもの断崖絶景は周囲150mにわたり見ることができます。遊歩道も整備されており、この芸術的な海食崖をじっくり観察してみましょう。
すぐ近くには地上55mの展望台、東尋坊タワーがあります。荒々しい日本海の海風を受けて、かなり老朽化していますが、越前海岸を一望することができます。入場料は500円で8:30〜17:30(季節変動あり)。
東尋坊のいわれは、県内にある勝山の平泉寺にいた悪僧、東尋坊が恨んでいた者から突き落とされ、その後に色々な怪異がおきて名がうまれたと伝えられています。そんな恐ろしい東尋坊は自殺の名所として全国的にも有名な場所でもあります。実際見ると、死ぬには微妙な高さなんですけど・・・

●永平寺(えいへいじ)
1244年に道元禅師(どうげんぜんし)によって開かれた坐禅修行の道場、永平寺。東尋坊と並び、福井県を代表する観光スポットとなっていて、大小70余りの建物は見応えあり。

<住所>
福井県吉田郡永平寺町志比10-5

<拝観料>
500円。 8:30〜16:30(季節変動あり)
<アクセス>
福井駅からバスで約30分、720円です。運行は1時間1本程度なので注意。車で来られる方は土産物屋さんと併設された駐車場400〜500円があり、無料駐車場はありません。お土産には名物、ごま豆腐をどうぞ。

拝観料を支払い先ず最初に向かうのが写真の近代的な建物である吉祥閣(きちじょうかく)です。実はこの永平寺、勝手に境内を見ることはできず、初めに修行僧より説明を受けてから参拝開始となります。
美しい天井画のある大広間、傘松閣(さんしょうかく)を抜けて山門へと出ます。写真は山門から見た中雀門(ちゅうじゃくもん)。
そんでもって、こちらが中雀門から見る山門となります。山門は永平寺で最古の建物だそうですよ。永平寺の守護神でもある四天王も安置されています。
さすが日本曹洞宗の大本山だけあって境内は広いです。参拝順路は右回りに進んで、日常の修行に欠かせない七堂伽藍(7つの伽藍)を中心に見学していきます。七堂伽藍には東司(とうす)と呼ばれるトイレや浴室も含まれており、お手洗に行くのも、お風呂に入るのも日々の修行なんだそうです。
こちらは僧堂で修行僧の根本道場で坐禅、食事、就寝などが行われます。永平寺では法話や坐禅、写経、中食(精進料理の昼食)などの日帰り参禅の他、1泊2日〜3泊4日の参籠も受け付けています(要予約)。
僧堂の上に永平寺のご本尊、釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)が祀られている仏殿(ぶつでん)があります。ちなみに釈迦牟尼仏とはいわゆる、お釈迦様のことです。
仏殿は1902年に改築されたもので、中央に釈迦牟尼仏が祀られています。境内は修行僧以外の撮影は全て可能とのこと。嬉しいかぎりですね。私にとっては撮影も修行なんですな。
まだまだ伽藍(がらん)は上へと続いていきます
運がよければ修行僧達がズダダダダァ〜と駆け抜けていく姿も目撃できますよ。曹洞宗(そうとうしゅう)は坐禅を基本として悟りを開こうとする禅宗の1つであり、坐禅だけが全てではありません。食事も入浴も就寝もズダダダダァ〜と駆け抜けていくのも修行の1つなんです。決して修行の邪魔をしないように注意しましょうね。
さらに上に上がっていくと1843年に改築された法堂(はっとう)があります。こちらは、説法や法要などが行われる場所です。写真の石段は参拝者は通ることができません。尚、全ての伽藍は床の上を素足で見学するようになっています。
法堂の左手にあるのが承陽門(じょうようもん)です。奥には承陽殿(じょうようでん)がチラッと見えます。承陽殿は日本曹洞宗の発祥の根源として曹洞宗の聖地とも言うべき場所だそうです。
そんでもって、廊下をまわって承陽殿の前に来ました。近過ぎて撮影は困難なので龍の彫刻だけでもパチリ。。。
ここから順路は廊下を下っていきます。こちらは来客を接待する瑞雲閣です。
写真の大庫院(だいくいん)は、今まで見た伽藍の中でも一段と大きな建物で1階に台所があります。永平寺の名物?大すりこぎもあります。

●丸岡城
全国に12箇所しかない当時より現存する天守です。丸岡城は賤ヶ岳の戦いでも有名な、柴田勝家の甥で養子の柴田勝豊が1576年に築城したと言われます。賤ヶ岳の戦いでは敵対していた羽柴秀吉(豊臣秀吉)に寝返った人物でもあります。

<住所>
福井県坂井市丸岡町霞町1-59

<営業時間>
8:30〜17:00 無休 300円。
<アクセス>
福井駅からバス約40分。丸岡城=丸岡駅と、間違えて丸岡駅で降りると、無人駅で呆然と立ち尽くす私のようになってしまいます。一応、1日数本のバスがあるようですが・・・ 芦原温泉駅からもバス(約20分、540円)が出ています。こちらは一応、観光案内所も有りますが、こちらも運行本数が少ないので注意です。。
賤ヶ岳の戦い
織田信長が亡き後の後継者をめぐって争われた羽柴秀吉(豊臣秀吉)と柴田勝家との戦い。賤ヶ岳の戦いについては滋賀県の賤ヶ岳古戦場を参照してください。

現存天守とは言っても、堀も埋め立てられてしまって残るのは天守のみ。城の歴史自体もインパクトが弱いせいか観光客には人気がないようです。しかしながら、現存しているわけですし、現存天守としては最古とも言われるそうです。屋根が石製の瓦であるのが特徴です。
現存する城ですから、階段も当時のままです。現存天守全てに言えることですが、階段が急ですので高齢者や子供さんは特に注意が必要です。

階段を上れば遠くに琵琶湖も見えます。
丸岡城は別名、霞ケ城とも呼ばれますが、伝説では一揆の残党が攻撃を仕掛けてくるごとに、この井戸より大蛇があらわれ城に霞(かすみ)をかけて城の危機を救ったとのことです。
こちらも伝説、人柱お静。築城の際、天守閣の石垣が何度積んでも崩れるので人柱を入れるようにと勝豊が進言する。そこに選ばれたのが片目のお静。苦しい生活をしていたお静は2人いる子供のうち1人を侍に取りたててもらうことを約束に、人柱として中柱の下に埋められたそうです。こうして無事に城が完成するも勝豊の移封によって、お静の子は侍にはなれませんでした。その後、堀の水が毎年卯月の頃になると溢れ、これを「お静の涙と」呼び、小さな墓をたて霊をなぐさめたそうです。
霞ヶ城公園内にある歴史民俗資料館。丸岡城共通券で見学できます。展示物も少なく、あまり見所もないかと思いますが、せっかく共通券だし・・・ バスを待つ間、めぼしい観光スポットは少なく、時間を潰すとなるとレストランか図書館しかありません。

ここから先の場所に有名な永平寺があります(丸岡城からはバスで約35分)。

●一乗谷朝倉氏遺跡
戦国時代の山城であった一乗谷城。周辺には当時、戦国大名であった朝倉氏の城下町の遺跡が多く存在しています。遺跡とは言え福井県を代表する観光名所でもあります。

<住所>
福井県福井市城戸ノ内町
<アクセス>
福井駅から浄教寺行きのバスで約25分、武家屋敷前を下車。又は1日数本しかないJR越美北線で一乗谷駅を下車し、近くの朝倉氏遺跡資料館で自転車をレンタルすることが可能(要確認)。

こちらの一乗谷朝倉氏遺跡(いちじょうだにあさくらしいせき)に車で来られる方は駐車場は無料となっています。写真は唐門で江戸時代に再建されたものです。
ついでに遺跡見学も無料です。遺跡なので特に何があるわけでもなく、朝倉館跡や館跡庭園が残るだけです。写真の階段を頑張って上ると、トップの写真、朝倉館跡が一望できます。
越前朝倉氏の最後の当主、朝倉義景(あさくらよしかげ)の墓もあります。信長の上洛を断ったことにより敵対し、一乗谷城の戦いで敗れた義景は逃げ延びた賢松寺で自刃し朝倉氏は滅亡することとなりました。
一乗谷朝倉氏遺跡(いちじょうだにあさくらしいせき)は一乗谷城跡でもありますが、遺構がある一の丸、二の丸、三の丸までは、さらに上に上にと登らなければなりません・・・
こちらは一乗谷城を築城した朝倉氏初代の朝倉孝景(あさくらたかかげ)の墓で、同姓同名の区別により法名の英林孝景から英林塚と呼ばれています。

尚、一乗谷城跡に向かう方は、ここから登山ルートが上に延びています。
一乗谷で最も古い4代孝景の頃の朝倉湯殿跡庭園です。
一乗谷で最も大きい庭園、諏訪館跡庭園です。上から下へと滝石を介して流れる水は美しく、見所の1つでもあります。
再び山を下りると、武家屋敷や町屋が再現された施設、復原町並があります。こちらは入場料210円で時間は9:00〜17:15となっています。
こちらは武家屋敷を再現したものです。これらの建物は、発掘された塀の石垣や建物礎石をそのまま使いリアルに再現されています。
建物内も柱、壁、建具など出土した遺物に基づいて復原されているそうです。

●一乗滝(いちじょうだき)
巌流島の宮本武蔵との決闘でも有名な剣豪、佐々木小次郎は江戸の書物(二天記)によれば越前宇坂の庄、淨教寺の産とされ、小次郎が必殺技の燕返しを編み出したと伝わる滝。

<住所>
福井県福井市浄教寺町
<アクセス>
福井駅から浄教寺行きのバスで約25分。終点の浄教寺から徒歩約20分。車でのアクセスでは一乗谷朝倉氏遺跡の先、5分程度の場所にあります。

燕返しとは、刀を振り上げた(又は振り下げた)状態から素早くもう一振りする剣術であり、宮元武蔵の二刀流のように隙のない技と言えましょう。
一乗滝は落差12mと、比較的高さのない滝ですが近くまで寄ることができ、水しぶきや滝によって発生した風を浴びることができます。車で一乗谷朝倉氏遺跡まで来られた方は、とても近いので是非お立ち寄り下さい。

●福井県立恐竜博物館
日本最大の恐竜の博物館は、子供だけではなく大人までもが見て楽しめる場所です。国内最大だけあってその展示物や資料も豊富です。

<住所>
福井県勝山市村岡町寺尾51-11

<観覧料>
720円 9:00〜17:00 年末年始休館。
<アクセス>
えちぜん鉄道の勝山駅から市内観光バス(100円)、又はコミュニティバス(100円)で博物館前を下車。

館内はエスカレーターで先ず1階に下りてから徐々に上に進んで見学していくコースになっています。
うお〜!恐竜かっちょええ〜!何とかサウルスですねコレは・・・

さすが国内最大規模を誇る福井県立恐竜博物館。日本最大であることから、これでも立派な福井県の観光スポットです。展示内容も素晴らしく、真剣に見ればかなりの時間を要します。
うお〜!何とかサウルスだぁ〜!恐竜に興味はあっても名前とかよく知らないのでアレなんですが・・・

カメラ撮影はフラッシュ、三脚はNGだそうです。お客さんの7〜8割は子供ですが大人も十分、いえ十分過ぎるほど楽しめます。

●越前大野城(えちぜんおおのじょう)
織田信長に仕えていた金森長近が、軍功により1575年に大野群の3分の2を与えられ越前大野城を築城しました。現在見る大野城は再建されたものですが、周辺の街並みは奥越の小京都と呼ばれ、当時の城下町の面影が今も残ります。

<住所>
福井県大野市城町3-109

<入館料>
200円 9:00〜17:00(季節変動あり)
<アクセス>
福井駅からはJR越美北線で越前大野駅まで約50分、670円。本数は1時間1本程度です。駅からは徒歩約15分。

駅前の六間大通りを直進し、亀山公園手前に柳廻社(やなぎのしろ)という、お宮さんがありその左横を抜けたところに登山口があります。
登山と言っても頂上まで約900m、看板には20分と書いてありますが健脚であれば10分程度で行くことができます。
健脚であれば・・・ こんな階段もあったりします。地元では有名でも全国的には穴場の観光スポットとなっていて、大型連休でも混雑することもありません。
越前大野城を築城した金森長近の銅像です。長近は城下町の建設も行い、現在の美しい町割りの基礎となる街路や水路を整備しました。
昭和43年に再建された鉄筋コンクリートの大野城は一部、忠実に再現されたものではない復興天守となっています。ちなみに復元天守が外見を忠実に再現した城、現存天守は当時から現存している城、模擬天守は忠実には天守がない城や当時あった城の場所と違うところに建てられた城です。

城内には歴代城主の遺品が展示されています。
最上階からの展望はこんな感じです。訪問時はGW期間中だったのですが、街は恐ろしいほど静まり返っています。
京を模してつくられたという風情ある街並みの散策もお薦めです。散策コースの中でも写真の寺町通りには特に見所の場所でもあり、狭い路地には15〜16ヶ所もの寺院が建ち並びます。
大野城の往きでも帰りでも是非寄ってみて下さい。車でお越しの方は大野城の手前に大きな無料駐車場があります。地図で見ると裁判所あたりになります。

●平泉寺(へいせんじ)
717年に泰澄大師が白山に登ろうとしてこの地を訪れ一林泉(御手洗池)を発見し、ここが神明の地であることを知り平泉寺を建てました。明治維新での神仏分離令によって寺(平泉寺)から神社(白山神社)へとなっており正式名称は白山神社となっています。

<住所>
福井県勝山市平泉寺町平泉寺56-63
<アクセス>
えちぜん鉄道の勝山駅からバス約15分、平泉寺白山神社前を下車。

泰澄大師(たいちょうだいし)が白山参拝の途中で発見し名前の由来にもなった泉、御手洗池(みたらしいけ)です。お手洗いではありませんので注意(勘違いして通り過ぎた人がいたもので・・・)。
中世の巨大宗教都市でもあった平泉寺。48社36堂6千坊、僧兵8千人もの規模は当時かなりの勢力であり、これでも当時の7分の1の姿だそうです。堂6千坊が現存していれば間違いなく世界遺産ですねぇ。
朝倉義景も平泉寺の裏切りがなければ自刃することもなかったかもしれません。そして、あの東尋坊がいた寺でもある平泉寺。歴史的には凄い場所なのですが、東尋坊のような人気スポットではなく静かな境内です。

写真は拝殿です。兵火で焼失していなければ国内最大の拝殿であったそうです。周囲には大きな杉の木が密集し、絨毯のような青苔も美しいですよ。
拝殿の奥には本社があります。現在は寺院から神社となってしまったので、本社には日本神話に登場する伊奘冊尊(イザナミのみこと)が祀られています。


福井県の観光