●上花輪歴史館(かみはなわれきしかん)
醤油の発祥は日本では湯浅とされますが、その歴史は古く日本では弥生時代まで遡るともされます。やがて江戸時代になると関東産の濃口醤油が主流となり、野田は銚子と並ぶ一大産地として成長を遂げました。こちらは江戸時代、上花輪村の名主で醤油醸造(現キッコーマン)を家業としていた高梨兵左衛門家の屋敷を保存公開している博物館です。

<住所>
千葉県野田市上花輪507
<入館料>
500円。住宅内の見学は要予約1500円となっています。10:00〜17:00(季節変動あり)、月・火曜日休館。

<アクセス>
東武野田線の野田市駅を下車し徒歩約15分。千葉駅からは乗り換えありで約90分、柏駅からは約20分、船橋駅からは約60分、埼玉県の大宮駅からは約45分、都内からは秋葉原からつくばエクスプレスを乗り継ぎ約90分です。
さすが醤油の町、駅を降りてからここまでの道のり、ずっと醤油の香りが漂ってました。道中にはキッコーマンもの知りしょうゆ館(要予約)や茂木本家美術館、野田市郷土博物館などの観光スポットもあります。
門長屋には虎綱と呼ばれる桧でつくられた大きな綱が保存されています。江戸時代、河川に橋を掛けることは制限されていました。しかし、将軍が鹿狩りに出掛けるなど必要な時には、船を並べその上に道を造り橋にしました。この綱は船と岸とをつないでいたものだそうです。
邸宅内は残念ながら見ることはできません。見たい方は要予約を。ちなみに、土産物を売っている売店で内部の写真を見ることができました。
当時としてはかなりお洒落なステンドグラス。
順路に沿って歩いているんですが、庭と言うか、森の中をただ歩いている感じです。
良い醤油は良い水から。掘みたいなものもありました。
ミニ竹林もあります。
施設名が歴史館となっていますけど、屋内の展示物は少なめです。
当家の林や土地を清掃管理していた人たちが使っていた休憩室です。
様々な工程で使われる醤油造りの道具がいたるところに展示保存されていました。

●野田市郷土博物館
全国的にも珍しい醤油関連資料など、地域の歴史、文化にゆかりのある資料を収蔵、展示している野田市郷土博物館。隣接する市民会館は醤油醸造家(現キッコーマン)の茂木佐平治の旧宅です。

<住所>
千葉県野田市野田370-8
<入館料>
無料、火曜日、年末年始休館。9:00〜17:00

<アクセス>
東武野田線の野田市駅を下車し徒歩約7〜8分。
1917年、野田と流山の醤油醸造家8家が合同して野田醤油株式会社が誕生しました。これが現在のキッコーマン株式会社です。創業者の1人でもある茂木佐平治氏の邸宅、門構えも立派です。
お庭も立派?です。こちらの庭園は大正13年頃に築造されたとのこと。
こちらが茂木佐平治の旧宅で現在は市民会館として使われています。
亀3匹の立派な彫刻があります。キッコーマンのイメージロゴの亀甲萬は、もとは茂木佐平次家の家紋で、香取神社の亀甲と「亀は萬年」が由来だそうです。
特に見所はないんですが、東久邇宮や三笠宮両殿下も宿泊されたとか。
こちらは隣接する郷土博物館です。1階で企画展が行われ、2階が常設展となります。野田市自体、観光で訪れる人も少なく、ましてやこの郷土博物館となると知名度も低く、見学者はいませんでした。見所も無料だけあって・・・ ただボランティアさんの詳しい説明は嬉しいです。
機械を使わない昔ながらの醤油造りの工程も模型で紹介されてました。

●鵜原理想郷(うばらりそうきょう)
鵜原理想郷は太平洋の荒波に浸食された海岸線が2kmにおよぶ典型的なリアス式海岸です。天才歌人、与謝野晶子も当地に滞在し76首の歌を詠んでいるほどの美しさです。

<住所>
千葉県勝浦市鵜原

<アクセス>
JR鵜原駅から徒歩約10分。ドライブでは房総半島の寄り道候補にどうぞ。
鵜原理想郷には1周約2300mのハイキングコースがあります。時間に余裕がある方以外は一番近い見所となる手弱女平(たおやめだいら)まで歩いて帰ってくるのがお薦めです。これなら往復で30分程度でしょうか。
鵜原理想郷までは駅から勝浦海中展望塔まで続く道を途中右手に曲がります。勝浦海中展望塔までも歩いていける距離(約15分)です。こちらは960円(9:00〜17:00)で名の通り海中から自然に住む魚達を見学することができます。
ハイキングコースの入口近くにある不気味なトンネル。戦時中に掘られたものと思われますが、不気味な上に真っ暗。写真では足元が照らされていますが、実際には殆ど足元は見えません・・・
木々に囲まれた小道を抜けると、目の前にはちょっとした開けた丘の上に出ます。こちらが手弱女平で、海を見ればトップの写真の景色が望めます。遠方からの旅行では電車でここまで来るほどの価値はありませんが、房総ドライブの寄り道には最適です。

●勝浦灯台
外房でもっとも東に突き出た「ひらめきの丘」の上に立つ勝浦灯台は県内を代表する灯台であり、この丘上から望む日の出は県内随一とも称され、勝浦湾の落日とならび雄大であり絶景です。

<住所>
千葉県勝浦市川津
<アクセス>
JR勝浦駅から徒歩30分程度。犬吠崎灯台のような人気の観光スポットでもなく、アクセスも悪いので房総半島のドライブのスタート地点にでもどうぞ。。

美しい日の出の待機場所(仮眠場所)となると、国道128号線を銚子方面に向かうと海岸沿いに無料のパーキング(トイレ・コンビニ近くにあり)があります。ただ波の音が騒がしいですけど・・・

灯台周辺(駐車場なし)や近くの官軍塚の駐車場でも仮眠できますが、こちらは静か過ぎて逆に怖いです。

●官軍塚
官軍塚は函館戦争(戊辰戦争)で函館五稜郭に向かう官軍(新政府軍)約350人の援軍が勝浦川津沖で大暴風雨のため難破し200余人の死者を出しました。この時、遭難救助に当たった地元の人々が遭難者の冥福を祈り埋葬供養した場所です。

<住所>
千葉県勝浦市川津1394
<アクセス>
JR勝浦駅から徒歩20分程度。勝浦灯台の近くにあり、展望台もあるので日の出を拝むには勝浦灯台よりもお薦めですよ。

●大黒山(だいこくやま)展望台
安房勝山駅近くの海岸線をドライブしていると突然、山の上に天守閣が現れます。この建物は天守閣ではなく大黒山展望台です。

<住所>
千葉県鋸南町勝山字大黒413
<アクセス>
JR安房勝山駅から徒歩約5分。そこからミニ登山約10分です。

駅から近いのも嬉しいです。ドライブでは房総半島の寄り道候補にどうぞ。かなりマイナーな観光スポットですが、展望台からの景色は最高ですよ。

一帯は里見水軍の拠点でもあり対岸相模の北条水軍としばしば海戦を繰り返したそうです。曲輪跡や堀切の遺構も残っているそうですが、悪路のハイキングコースです。
コースの途中にはこんなものも。。

勝山藩から名字帯刀を許され、里見水軍の血を引く570人に鯨組という世襲制の権利を与え220年間捕鯨を行っていた総元締、房総捕鯨の祖となる初代醍醐新兵衛の墓所。かなりのマイナー観光スポットですな。。
そして、こんなものも。。。

鎌倉長谷寺にて745年行基が開眼し600年余信奉を集めた霊像、十一面観世音菩薩を本尊とした長谷寺。おつげ観音とも呼ばれ醍醐新兵衛は1703年の大津波の際、観音様より「ここから逃げろ」とのお告げを聞き、船で避難し一命を得たと言います。


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