●北口本宮冨士浅間神社
静岡県にある総本社の浅間大社と同じく木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ)と彦火瓊瓊杵命、大山祇神を祀り、富士山を神体山とした神社です。富士山とともに世界遺産にも登録され人気の観光スポットでもあります。

<住所>
山梨県富士吉田市上吉田5558
<アクセス>
富士急行の富士山駅から徒歩約20分。バスでは浅間神社前を下車。マイカーの場合、無料駐車場が点在しています。
社伝によると西暦110年に日本武尊ご東征の折、当地の大塚丘に立ち寄った際に浅間大神と日本武尊を祀ったのがはじまりとのこと。その後、781年に富士山の噴火があり、卜占(占い)によって北方に社殿を建立し浅間大神を移されたのが現在の浅間神社となります。
大きな鳥居が見えてきました。左手に進むと神鹿がいます。
立派な随神門です。他にも仁王門礎石や角行の立行石、富士太郎杉に富士夫婦桧、地主神である諏訪神社などの見所、拝み所も豊富です。
随神門を抜けると神楽殿があり、その先にトップの写真、拝殿とその奥に本殿があります。外陣は格天井、内陣は鏡天井で、全て金箔を置き、柱には黒漆、彫刻には極彩色が施されていたそうです。
拝殿は文化財指定(江戸時代修覆)、本殿は重要文化財に指定されていて1615年に再建されたもの。
こちらも重要文化財の東宮本殿。1561年に武田信玄が上杉謙信と川中島で戦うにあたり、戦勝祈願のためあらたに本殿として造営されたもの。
1594年に谷村城主であった浅野左衛門佐氏重が本殿として造営した西宮本殿。これまた重要文化財に指定されています。
ここから吉田口登山道が富士山頂に向う起点となっており、富士信仰とともに発展していきました。
初めて富士登山を行ったのは、701年の役小角という行者であるとされ、のちに富士講の開祖と仰がれる藤原角行師は1533年に登山しています。

●甲府城(舞鶴城公園)
別名、舞鶴城とも呼ばれる甲府城は武田氏滅亡後、1600年頃に浅野氏によって築かれたとされ、関ヶ原の戦い後は徳川家一門、柳沢氏などが城主となりました。残念ながら大規模な火災ののち明治時代の廃城令によって全ての建物は取り壊されてしまいました。

<住所>
山梨県甲府市丸の内1-5
<アクセス>
JR甲府駅の南口から徒歩約5分です。入口は数多く、右地図の舞鶴城公園西交差点あたりや、堀のある繁華街側などにもあります。
明治37年に舞鶴公園として開放されている甲府城ですが、石垣ばかりのこの公園内に櫓が1つだけありました。それが写真の稲荷櫓で、もともとは武具の置き場になってたらしいです。内部はちょっとした資料館になっています。櫓手前にある壁の構造模型も勉強になりますよ。ちなみに公園内は自由ですが、この稲荷櫓(見学無料)、時間も16時までで月曜日や年末年始は入れません。
こちらは天守台からの眺めです。トップの写真も天守台の石垣です。尚、当時天守が存在していたかどうかは不明なようです。
稲荷櫓を見下ろすとこんな感じです。電車の窓から見ると稲荷櫓と石垣しか見えませんが、けっこうな広さがあります。
本丸から、かすがモールなど(甲府駅から少し離れた繁華街の場所)に抜ける方向にあるのが鉄門。幕末の頃の姿かたちを復元しているらしいです。一応、中にも入れます。さらに下へいくと中の門跡や坂下門跡なんかもありました。跡なので何も建造物はありませんが・・・
他にも屋形曲輪と二の丸をつなぐ内松陰門や銅門跡など見どころ?も豊富です。おかげで石段を上ったり下りたり、さらには線刻画という石垣に絵などが刻まれているものがあるらしいのですが、結局見付からず疲れました・・・

●大善寺((だいぜんじ)
718年、僧の行基が甲斐国を訪れたとき、勝沼の柏尾にいたり、日川の渓谷の大岩の上で修行をしたところ、満願の日、夢の中に、右手にぶどうを持った薬師如来があらわれたといわれています。行基はその夢を喜び、早速夢の中にあらわれたお姿と同じ薬師如来像を刻んで安置し寺を開山したのが、今日の柏尾大善寺であります。

<住所>
山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
<アクセス>
JR中央線勝沼ぶどう郷駅下車、駅からは市営バスのワインコースで約40分(300円)、大善寺を下車です。バスは一日数本しかないので注意です。タクシーは駅から約5分。

<参拝時間>
9:00〜16:00(季節変動あり) 拝観料500円。参拝料を納めると駐車券がもらえます。拝観券は本堂(薬師堂)内陣にて必要です。
棟札により1798年に土屋但馬守英直(茨城県 土浦城主)によって再建されたという重厚な山門。

勝沼周辺は、ぶどう園がとても多いことでも有名です。そして大善寺は別名、ぶどう寺とも呼ばれ、甲州ぶどう発祥の地でもあります。その昔、開山の行基は薬園をつくって民衆を救い、法薬のぶどうのつくり方を村人に教えたので、この地のぶどうが栽培されるようになり、これが甲州ぶどうの始まりだと伝えられています。
客殿や庫裏(くり)からは抹茶やコーヒーを飲みながら美しい池泉鑑賞式の庭園を眺めることが出来ます。写真トップの国宝でもある本堂は、薬師三尊像(重文)を安置し薬師堂と呼ばれています。なかでも木造の十二神将立像は必見で、解体修理の際に、江戸時代に塗られた色を剥いだところ、武田軍の赤備え(あかぞなえ)を象徴する赤色の塗装が浮かび上がりました。この真っ赤な十二神将は主人である薬師如来や脇侍の日光、月光菩薩を差し置いて迫力があり一番の見所でもあります(撮影禁止)。
全国統一を競った武田信玄亡き後の勝頼は、織田徳川連合軍の近代装備と物量の前に敗退し、1582年3月3日、群内の岩殿城で再興を図ろうと韮崎の新府城を出発し、途中この柏尾山大善寺で戦勝祈願をして、一夜を明かしました。その後に武田勝頼は、岩殿城主の小山田信茂の裏切りや、家臣の大半が離散するなど追い詰められ、ついに3月11日に勝頼以下一族と家臣は自決し甲斐源氏もここに滅亡します。勝沼信元が武田信玄により滅ぼされたとき、嫁先から離縁された勝沼氏の娘、松葉(理慶尼)は、行き場のなくなった勝頼一行を大善寺に泊めたそうです。写真は理慶尼の墓。
その理慶尼が一部終始を見聞した理慶尼記は、別に武田滅亡記ともいわれ、尼の住んでいた大善寺に今なお大切に保管されているそうです。

この大善寺のある勝沼ぶどう郷駅を出て線路沿いを左手に進むと、明治36年から平成9年まで中央本線の下り線として使用されていたトンネル、大日影トンネル遊歩道というのがあります。片道30分。興味がある方はこちらも一緒にどうぞ。

●長禅寺(ちょうぜんじ)
甲府五山の中でも筆頭(一位)ともされる長禅寺は、武田信玄の母である大井夫人の菩提寺です。兵火によって建物等は焼失していましたが、再建された迫力ある南大門に三重塔や五重塔、大井夫人の墓所など見応えがあります。


<住所>
山梨県甲府市愛宕町208
<アクセス>
JR甲府駅の南口から線路沿いに歩いて約10分です。
歩いていくと突然、ものすごく大きな長禅寺の南大門が現れます。
奥には山門(仁王門)がありました。柵がしてありますが、裏側からまわって仁王像も拝むことができます。往時の面影もなく、境内もあまり手入れされていないのが残念ですが、日々進化しているらしく、角材などが多く転がってました。
昭和以降の建立とは言え、三重塔と五重塔が合わさった絵は格別ですね。尚、こちらの寺院、本堂の拝観は不可らしい、と言うか誰もいないし案内も見付からず・・・

●山梨県立博物館
山梨県の歴史・美術・民俗に関する資料を展示している山梨県立博物館。展示資料は決して多くはありませんが、里の生活が学べるジオラマコーナーは数も多く、違う意味でも見応えがあります。

<住所>
山梨県笛吹市御坂町成田1501-1
<アクセス>
JR中央本線の石和温泉駅からバスで約10分240円、山梨県立博物館を下車です。徒歩だと駅から約35分だそうです。
写真はここだけ撮影可能です。大きな建物の割りには展示スペースが少ないのですが、山梨県の歴史に興味がない人でも、ジオラマだけは見る価値があります・・・
車の方は帰りに関東でもそこそこ有名な、ほったらかし温泉へどうぞ。富士山を拝みながらの露天風呂が贅沢です。後は美味しい蕎麦かほうとうでも食べて気をつけてお帰りください。

●清白寺(せいはくじ)
足利尊氏が夢窓疎石を開山として1333年に創立したと伝えられる臨済宗の寺院、清白寺。重要文化財の庫裏や国宝の仏殿が見所です。

<住所>
山梨県山梨市三ヶ所620
<アクセス>
JR中央本線の東山梨駅から徒歩7〜8分程度です。エリア的には大善寺などがある勝沼エリアになります。境内自由。
無人駅だったりします。
ちいさな味のある山門です。ここから仏殿、本堂は一直線に並んでいて、禅宗独特の伽藍の配置となっています。
こちらが国宝の仏殿です。1415年に建立された仏殿は、禅宗様建築の代表的な遺構なんだそうです。
奥に見えるのが重要文化財の庫裏です。この左手が写真トップにある本堂となっております。参拝客、観光客なるものは日々、ゼロに近い寺院かと。。

●西沢渓谷((にしざわけいこく)
笛吹川の源流となる場所に位置する西沢渓谷。西沢渓谷の青色がかった水の色は、昇仙峡と比較してみても美しく、幻想的な風景をつくりだします。

<住所>
山梨県山梨市三富川浦
<アクセス>
JR山梨市駅からバス1時間程度(運賃900円)ですが本数が1日に5本程度しかありません。車やタクシーでのアクセスが便利です。

甲府駅からはJR中央本線で山梨市駅まで約15分、230円。車でお越しの方は中央道勝沼ICから国道140号をひたすら直進、約1時間。無料駐車場あり。尚、冬季は一番の見所でもある七ツ釜五段ノ滝から先は通行止めとなります。
それにしても青くて美しい渓谷の水。
写真は3月下旬のものですが、ご覧の通りにまだ雪が積もってました。昇仙峡と比べるとアップダウンも多く、道の横が崖であったりと危険が潜んでいます。さらに、このあたりの時期はまだまだ道が滑りやすいので、渓谷歩きは夏から秋にかけてがお薦めです。
見所となる美しい七ツ釜五段ノ滝です。ここまでゆっくり歩いて約2時間のコースとなります。

●猿橋(さるはし)
木を重ねて組み上げられた珍しい猿橋は、1426年には武田信長と足利持氏が、1524年には武田信虎と上杉憲房が合戦した場所でもあります。江戸時代には日本三奇橋の1つとしても知られ、甲州街道の要衝として多くの人々が往来していたそうです。

<住所>
山梨県大月市猿橋町猿橋
<アクセス>
JR中央本線で猿橋駅。そこから徒歩20分程度。車では国道20号線で新猿橋西交差点を右折(東京方面から)。駐車スペースは数台分あります。
今日までに何度もの修理と架け替えが行われており、現在の猿橋は昭和59年に架け替えられたものですが、江戸時代を通してこの姿や規模であったそうです。



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