●八重垣神社(やえがきじんじゃ)
日本神話の中の八岐大蛇退治ゆかりの神社として知られる八重垣神社。主祭神に話の中で登場するスサノオとクシナダヒメを祀ります。クシナダヒメが飲料水を得、また姿を写されたと伝わる鏡の池があることから、近年では縁結び&パワースポットとしての人気が高いものの、なんといっても一番の見どころは、宝物館にある約1000年以上前に描かれたといわれる六神像の壁画です。

<住所>
島根県松江市佐草町227
<アクセス>
JR松江駅から市営バスで約20分、250円、八重垣神社を下車です。
ヤマタノオロチ退治
(ここからは宮崎県・天岩戸神社で紹介する日本神話の続きとなります)高天原を追放され葦原中国に降りたったスサノオは、そこでアシナヅチ(足名椎命、脚摩乳)とテナヅチ(手名椎命、手摩乳)の夫婦と、娘のクシナダヒメ(櫛名田比売、奇稲田姫)と出会います。夫婦が泣いているので、スサノオがどうしたものかと尋ねると、この夫婦神には8人の娘がいたのだが、毎年一人づつ、ヤマタノオロチ(八俣遠呂智、八岐大蛇)という八頭八尾を持った大蛇に食べられてしまい、今年は最後に残ったクシナダヒメも食べられてしまうだろうとのこと。この話を聞いたスサノオは、クシナダヒメを娶ることを条件にヤマタノオロチ退治を約束します。まずスサノオは、クシナダヒメを櫛に変えて頭に挿し、八つの門に八つの桶を置き、その桶に強い酒(八塩折之酒)を注ぎました。そこに現れたヤマタノオロチは、八頭を八つの桶に突っ込み全ての酒を飲み干し、酔って眠ったところを十拳剣で切り刻み、息の根を止めました。最後に尾を切ると、剣の刃が欠け、今日の天皇が継承してきた三種の神器の内の一つである草薙剣(くさなぎのつるぎ、天叢雲剣:あめのむらくものつるぎ)が出てきたといいます(後にアマテラスに献上)。
こちらは随神門で、この奥にトップの写真の拝殿、本殿と続きます。八重垣神社には、この地に古くからあった佐久佐神社と合祀された経緯から、スサノオとクシナダヒメの夫婦の他に、オオナムヂ(大国主)やアオハタサクサヒコ(青幡佐久日古命)も祀ります。宝物館(200円)にある約1000年以上前と言われる、スサノオやクシナダヒメ、アマテラスなどの六神の描かれた壁画(板絵著色神像)は必見で、女子は置いといて、境内で一番の見どころでもあります。元は本殿にあった板壁画だそうで重文にも指定されています。
女子は縁占いへ。こちらは本殿から少し離れた(歩いて2〜3分)ところにある鏡の池。この池はクシナダヒメがヤマタノオロチから身を隠し、鏡代わりに姿を映したと伝えられる場所。社務所で売られている紙に小銭を乗せて池に浮かべ、早く沈めば早く良縁があり、近くに沈めば、近くに縁がある人がいると言われています。遠くに沈めば遠い場所に縁ある人が、遅く沈めば・・・とのこと。このため使用する硬貨は軽い1円玉ではなく10円、100円で占うのが良いらしい。なんかズルい。。

●須佐神社(すさじんじゃ)
日本神話に登場するスサノオ(須佐之男命)を主祭神として祀る須佐神社。スサノオの御終焉の地ともされ、厳かな雰囲気もありますが、近年ではアクセスが悪いのにも関わらず、縁結び&パワースポットとしての人気が高く、神道は云々、若い女性が多く訪れます・・

<住所>
島根県出雲市佐田町須佐730
<アクセス>
JR出雲市駅からバスで約40分、820円、出雲須佐を下車し、タクシーで約5分です。バスは1〜2時間に1本程度なので注意です。
交通費を安く済ませる場合は、出雲須佐から1つ手前の佐田大橋を下車して徒歩で約40分、距離にして約3kmです。
随神門の奥に拝殿があり、幣殿で本殿とつながっています。スサノオを祀る本殿は出雲大社と同じ大社造で1861年に建てられたものだそうです。
こちらが本殿です。大社造とは四方の柱の間に一本ずつの柱があるのが特徴なんだそうです。入口が右に寄っているのも特徴の1つらしい。なるほど確かに入口が右側にあります。
こちらにある湧水の塩ノ井は須佐の七不思議とも言われ、大社の稲佐の浜に続いているといわれ、微かに塩味を感じるとも書いてありました。実際に舐めてみましたが塩味は感じなかったです。う〜ん不思議。他にも神馬や相性の松、陰無し桜、落葉の槇、星滑、雨壷などの伝承があります。
道を挟んだ向い側には末社の天照社があり、その名の通りアマテラス(天照大神)を祀っています。

●美保神社・青石畳通り
七福神の1柱でもある恵比寿様。日本神話においてはイザナギとイザナミの子のヒルコ(蛭子)、あるいはオオクニヌシとカムヤタテヒメの子のコトシロヌシ(事代主)と同一とされ、事代主の説をとる事代主神系の総本社が美保神社となります。是非とも雨の日に訪れたい青石畳通りも、とても風情があります。

<住所>
島根県松江市美保関町美保関608
<アクセス>
JR松江駅からは一畑バスで美保関ターミナル40分、そこから(万原ターミナルから)美保関コミュニティバスに乗り換え約30分、美保神社入口を下車です。ほとんど鳥取県なので、米子観光とセットで訪れるのもオススメです。ちなみに、鳥取県側の境港駅からでもバスで宇井渡船場にて乗り換えがあり、同じくアクセスが良いとはいえません・・・
風光明媚な美保関港は、ボケ〜っと何時間でもいられるかのような空間です。この港のすぐ横に美保神社があります。
五穀豊穣や夫婦和合、安産などにご利益がある三穂津姫命と海上安全や大漁満足、歌舞音曲などにご利益のある事代主神を祀る美保神社。えびす様とも同一ともされる釣り好きの神様、事代主神が神話の中で国譲りをあっさり承諾してしまったことでも知られます。
昭和に建てられたものですが、立派な神門と横にのびる回廊があります。
写真トップが昭和に建てられた拝殿で、奥の本殿は1813年に建てられたものだそうで、国の重要文化財にも指定されています。この大社造の二殿の間を装束の間という間ででつないだ形式を美保造または比翼大社造と呼ぶそうです。ちなみに本殿は左殿(参拝者から見て右殿)に三穂津姫命、右殿(参拝者からに事代主神が祀られているとのこと。神様側から見るとはややこしいですね。
美保神社の鳥居の横に青石畳通りと呼ばれる小道があります。青石畳通り(あおいしだたみどおり)は、江戸時代の頃より栄えていたという石畳で、古くからある美保神社への参拝道です。
とっても風情のある通りです。美保関は古くから日鮮貿易の拠点として栄えてきた町で、当時は人が通れないほどの賑わいがあったそうです。天然石が敷き詰められた石畳は美しいの一言で、雨に濡れた石畳が光を反射し青く見えることから青石畳通りと名が付けられたそうです。通常の旅であれば雨は遠慮したいところですが、こちらは雨の日の方が観光には最適です。
訪問時は雨が降ったり止んだりの空模様で、写真は丁度雨上がりの頃です。正直、雨に濡れても石畳は青ではなく緑色ですけど、昔の人的には青なのでしょう。。
小さいですけど美保関資料館なるものもあります。
こんな遊び心もあって、短い通りですが楽しいです。

●由志園(ゆうしえん)
中海に浮かぶ大根島にある由志園は、山陰一の回遊式日本庭園と謳われ、初代園主である門脇栄によって昭和50年に完成しました。父である由蔵が夢見志した庭園であったことが、その名の由来となっていて、園内では四季折々の花々を鑑賞することが出来ます。なかでも牡丹は有名で、牡丹の館では一年中、牡丹を見ることが出来ます。

<住所>
島根県松江市八束町波入1260-2
<アクセス>
JR松江駅からは1〜2時間に1本程度の市営バスで八束町中央を下車、約50分、680円、そこから徒歩で約5分です。他、JR松江駅からは毎時1本程度、H番のりばから松江境港シャトルバスが出ています(約25分、700円)。

<入園料>
800円。8:30〜17:30(季節変動あり)年中無休。
ずいぶんと立派な門構え。入口はこんな感じです。
漢方でもお馴染みの高麗人参(高麗人蔘)。大根島で栽培されたものは雲州人蔘として江戸時代の頃より高級品として扱われてきました。
ここの庭園は車椅子の方でも周遊できるよう、ユニバーサルデザインとなっています。
牡丹の館では温度、湿度、日照管理などを管理し、一年中牡丹を鑑賞できるよう開花調整がされています。
大きな池もあります。築山と松との見事なコラボです。
枯山水もあったりします。大根島からの風景を模しているものと思われます。他にも滝とか川とか溶岩だったり、四季折々の花々とともに、そこそこ楽しめました。

●宍道湖(しんじこ)
約1万年前に形成されたとする宍道湖は、汽水湖であることからシジミ漁が盛んなことでも全国的に知られます。また、夕日がとても幻想的で美しく、島根県のシンボル的存在となっています。

<住所>
島根県松江市・出雲市

<アクセス>
大きな湖なので、どこからでもアクセス可能ですが、JR松江駅からは徒歩10分程度です。
夕日のスポットとしても有名な国道9号線沿いにある島根県立美術館。この美術館前にある公園には12羽のうさぎの彫刻があり、宍道湖うさぎの名でも知られています。なんでも、前から2番目のうさぎに触ると幸せが訪れるらしい。さらに西の方角で撫で撫でし、シジミをお供えすると効果アップなんだとか。信じるか信じないかはあなた次第。
トップの写真の翌日に撮影した宍道湖。さすがは汽水湖です。雨模様でだいぶ濁りが入ってきました。この宍道湖では、名産のヤマトシジミの他、ウナギやコイ、スズキ、シラウオなど淡水と海水のどちらにも適応できる生物が暮らしています。当たり前のこと言ってますが・・・

●宍道湖自然館ゴビウス
ラテン語で小魚を意味するゴビウス。自然館ゴビウスという名称ですが、全体的にはミニ水族館といった感じで、主に島根県にある宍道湖や中海などの汽水域に生息する生物を展示しています。

<住所>
島根県出雲市園町沖の島1659-5
<アクセス>
JR松江駅からはバスで一畑電車の松江しんじ湖温泉駅まで移動し(徒歩だと20分程度)、湖遊館新駅まで。駅からは徒歩約10分。

<入館料>
500円 9:30〜17:00 火曜、年末年始は休館。 
館内はこんな感じです。ミニ水族館といった感じですが、見せ方にも色々工夫がされていて見応えがあります。
他にもいっぱい写真撮ったんですが、これ(ダイナンギンポ)が一番可愛かったのでアップしておきます。可愛いと言うかちょっと怖い・・・
滝とか川とか植物などがある大きなテラリウムです。たくさんの岩魚とか山女などが上流からの餌を待ち構えています。お魚さんたちは餌待ちで真剣なせいか、まるで静止画のように動かず、じっくりと観察ができます。
こちらの水族館は汽水域の生き物をテーマにしていますが、なかでも島根県の宍道湖と中海(なかうみ)が主となっています。写真の大きな水槽では再現された宍道湖と中海の違いを、並んだ別々の水槽で観察することが出来ます。ちなみに中海(なかうみ)は塩分濃度が1.5%の湖で、これは海水の2分の1程度だそうです。対して宍道湖の塩分濃度は0.3%で海水の10分の1程度の濃度らしいです。
順路の最後には、これまた大きな水槽が!ここでもまた宍道湖と中海の魚がそれぞれ見比べられるように展示されています。
入っている魚も大きくて迫力があります。ミニ水族館のわりには・・ですが。他にも昆虫とか爬虫類とか、湖周辺で暮らす鳥類などの展示もあって全体的には子供向けの展示がされていますが、大人でも十分満足できます。たぶん。。

●津和野(つわの)
津和野伝統的建造物群保存地区は旧城下町の北側にあって後田と呼ばれ、鎌倉・室町時代は津和野城の搦手に位置し水田として開発が行われたと考えられています。中世末期に津和野城主、吉見氏により城下町として整備されて以来、江戸期を通じて城下町における武家地、町人地として栄えました。

<住所>
島根県鹿足郡津和野町後田
<アクセス>
JR津和野駅から徒歩5分程度ですが、電車で移動の場合、JR松江駅から特急を利用しても約3時間かかります。山口県のJR山口駅からは約90分ですが運行本数が少なく、アクセスはマイカー・レンタカーがおすすめです。又、新山口駅から萩⇒津和野のルートで高速バスを利用する方法もあります。
津和野の見所としては図の通りになります。中でも一番有名な通りは掘割りに鯉が泳ぐ殿町通りになります。
観光の起点となる津和野大橋近くにある多胡家の表門。津和野藩の筆頭家老職を藩主亀井家十一代にわたり務めた多胡家の表門は江戸時代中期の武家屋敷門の建築様式を今に伝えています。
先程の通りの地図で言えば殿町通りの一番下の場所になります。二又に分かれる通りの中央に多胡家の表門が小さく見えます。この通りを右に行けば殿町通り、左に行けば津和野駅方面となります。と言ってもほぼ平行に道が通ってますけど。
なんと言っても津和野は掘割りに泳ぐ鯉が有名です。
こちらが津和野で一番有名な殿町通り。だ〜れも歩いてません・・・ 山口県の萩との観光セットで『萩・津和野』として有名な観光名所ではありますが、いかんせんアクセスが悪いというか都市部から離れすぎているのが原因なのでしょう、観光客もまばらです。まぁ、それが良いところでもあるのですが。
こちらが有名な掘割り。掘割りとは地面を掘って造った水路のことです。なまこ塀もいい味出してますねぇ。
鯉がたくさん泳いでいます。今回、津和野に来た目的は、以前来た時の記憶がぼやけてしまったからなんです。そうそう、これが見たかったんですよねぇ。
ただ、水路に鯉が泳いでいるだけと言ってしまえばそれまでです・・・
実際、鯉の泳ぐ掘割り部分は距離も短く、あれ?こんなんだったっけ・・と言うのが再訪の正直な感想です。ちなみに、近くに餌も売ってますので、餌やりが出来ます。
藩校や武家の表門など武家地の面影が残る殿町通りを抜けて、明治初期の造り酒屋や大正〜昭和の長屋造りの建物がある本町通りへ。
さらに進めば、どことなく宿場町のような佇まいです。写真トップの場所とほぼ同じ位置から撮影しています。
ちょっと裏手に迷い込んだ万町通り。なんか、映画のセットみたい。
江戸期には魚棚があり、旅館も多くあったという魚町通り。宿場町は宿場町でも、中山道の馬籠宿のような山あいにある宿場町のような佇まいです。ちなみに、今でも営業してそうな古びた旅館もありました。
シェーファー神父が建てたという津和野カトリック教会も見所の1つ。
風呂屋丁通りを越えた少し先にある鯉の米屋(吉永米店)。こちらも津和野では有名?な観光スポットらしいです。入口が普通に米屋の雰囲気なので、ちょっと入るのに勇気がいりますが、顔を覗かせれば店主さんが気持ちよく迎い入れてくれますよ。鯉の米屋という木彫りの看板が目印です。
中庭にある静かな池なんで、とてつもなく癒されます。ここでも餌やりができますよ。ん〜、行けば分かりますが贅沢な時間です。
(ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。)

●太皷谷稲成神社(たいこだにいなりじんじゃ)
1773年に津和野藩第7代藩主、亀井矩貞が三本松城(津和野城)の安穏鎮護と住民の福祉多幸を祈願するため、京都の伏見稲荷大社から勧請し、三本松城の鬼門にあたる東北端の太皷谷の峰に創建したのが始まりとされます。一説には日本五大稲荷の一社ともされ、県内では出雲大社に次ぐ参拝者数を誇るそうです。

<住所>
島根県鹿足郡津和野町後田409 境内自由
<アクセス>
JR津和野駅から徒歩で約30分です。津和野の名所でもある鯉が泳ぐ掘割り(殿町通り)から歩いてすぐのところに、表参道の入口となる千本鳥居があります。尚、徒歩以外では車の場合、山頂(拝殿横)に無料の駐車場があります。
下から見ると、かなりの高台にあることが分かります。公式サイトより引用しますと、太皷谷とは津和野城の城山の一角であり、江戸期には時刻を知らせる太鼓が鳴り響いた谷間であることから、この地名がつけられたそうです。また津和野城の東北、つまり鬼門に位置し、古来より神聖な地であったといわれております。
表参道側から徒歩で移動する場合、写真の千本鳥居を進んでいくことになります。さすが日本五大稲荷の1つとも呼ばれるだけあって、ズラリと並んだ朱色に染まる何本もの鳥居には感動します。なんでも、この朱色は魔除けの効果があるとか、ないとか。
石段は263段、鳥居の数も実際に約1000本程度建てられているそうです。江戸時代以降に広がったとされるこれらの鳥居は、祈願成就したお礼として奉納されたものが殆どですが、公式サイトによれば約2割の鳥居は未だ祈願中らしいです。成就してないパターンもあるのね・・・
高台にあるだけあって景色は最高です。この左手方向に津和野のシンボルでもある霊峰、青野山があります。
写真トップが拝殿でその奥に本殿があります。太皷谷稲成神社では主祭神に宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)=稲成大神と伊弉冉尊(いざなみのみこと)=熊野大神の二柱を祀っています。尚、社殿は昭和44年に新社殿として建て直されたものとなっています。
正式な参拝ルートではありませんけど、駐車場からは歩いてすぐです。稲荷神社と言えば狐さん。駐車場の脇では、お供え用の油揚げやローソクも売って(お頒かち)います。


島根県の観光