●西明寺(さいみょうじ)
西明寺は平安時代の834年に三修上人が、仁明天皇の勅願により開創された寺院です。戦国時代には織田信長により焼き討ちにされますが、本堂、三重塔は火難を免れ国宝にも指定されています。また、琵琶湖の東に位置する百済寺と西明寺、金剛輪寺を合わせて湖東三山と呼ばれています。
<住所>
滋賀県犬上郡甲良町池寺26

<拝観料>
500円。8:30〜17:00

<アクセス>
近江鉄道の尼子駅よりタクシー約10分。春・秋シーズンはシャトルバスが運行しています。
先ずは江戸時代に作庭された蓬莱庭(ほうらいてい)が出迎えてくれます。池の中央は折り鶴を形どった鶴島で隣が亀島だそうです。よく分からなかったので、上から眺めるも・・・
なんとも京都らしい、いい苔もありました。
こちらは仁王門ではなく二王門でもなく、さらには山門でもなく、二天門と呼ぶのだそうです。両脇に安置されるのは持国、増長の二天王立像。1429年に院尋(いんじん)という仏師によって造られたそうです。
立派な三重塔は、本堂と同じく国宝に指定されています。トップ写真の本堂内には十二神将も安置されているのですが、それぞれの頭の上に干支の動物がちょこんと乗っかっている姿はは可愛らしくもあり必見です。
自分の悪いところをなでるとその部分の病が治るという賓頭盧(びんずる)さんもいました。

●金剛輪寺(こんごうりんじ)
聖武天皇の勅願により741年に行基が開山したと伝わる金剛輪寺。秘仏の本尊である聖観音菩薩は、行基が一刀三礼で彫り進めたところ、木肌から一筋の生血が流れ落ちたという伝説から「生身の観音様」と呼ばれています。また、琵琶湖の東に位置する百済寺と西明寺、金剛輪寺を合わせて湖東三山と呼ばれています。国宝の本堂は必見です。

<住所>
滋賀県愛荘町松尾寺874
<拝観料>
500円。8:30〜17:00

<アクセス>
JR稲枝駅からタクシーで約15分。春・秋シーズンはシャトルバスが運行しています。
作庭の時期(南庭は桃山時代、東庭、北庭は江戸時代と推定)や作者は不明なのだそうですが、滝石組もあり美しい庭園です。
参道の両脇に並ぶ千体地蔵も見所の1つでもあります。
何気に勾配がきつくなって来ているような・・・
と思ったら、それほどハードな石段ではありませんでした。重文の二王門を抜ければ写真トップにある国宝の本堂が目の前にあります。
重文の立派な三重塔も見たかったのですが工事中でした・・・

●百済寺(ひゃくさいじ)
聖徳太子の御願によって創建されたと伝えられる百済寺。室町時代の焼失や、1573年には信長の焼き討ちによる焼失にあい、現在ある本堂は江戸時代(1650年)に再建されたもの。また、琵琶湖の東に位置する百済寺と西明寺、金剛輪寺を合わせて湖東三山と呼ばれています。

<住所>
滋賀県東近江市百済寺町323
<拝観料>
500円。8:00〜17:00

<アクセス>
JR能登川駅、又は近江鉄道の愛知川駅下車し、バスで百済寺を下車。春・秋シーズンはシャトルバスが運行しています。
百済寺の縁起書によれば、湖東の地に来た聖徳太子が、東の山の中に毎夜、不思議な光が見られたので、慧慈に尋ねたところ、翌朝に慧慈は太子を案内して深山入ります。そこには光を放つ杉の巨木が立ち、その周りに一群の猿が木の実をお供えしている光景に出合ったそうです。 太子が不思議に思って慧慈に尋ねると、この杉の上半分の幹は百済に運ばれて「龍雲寺」の本尊十一面観世音菩薩像になっていることが判りました。そこで太子は、これは願ってもない素晴らしい「御衣木(みそぎ)」を得たとばかりに下半分の幹に十一面観世音菩薩像を彫り始められました。というのが創建の由来だそうです。
百済寺に残る石垣は城砦化された百済寺城の一部だそうです。小石を積み上げた石垣であった為、織田信長も安土へ「石曳」をせず、破壊されずに残りました。
仁王門に掲げられた草鞋は、江戸時代あたりから願掛けによって巨大化していったそうです。トップ写真が本堂で、国の重要文化財にも指定されています。

●観音寺(伊富貴山観音護国寺)
平安時代に建立された観音寺は(伊富貴山観音護国寺)。本堂は1715年に再建されたものですが、国の重要文化財に指定されています。また、豊臣秀吉が鷹狩りで立ち寄った際に、寺の小僧をしていた石田三成を三碗(さんわん)の才で見出したことでも名高い寺です。
<住所>
滋賀県米原市朝日1342

<アクセス>
JR長浜駅からバスで朝日下車、徒歩5分。境内自由です。
石田三成ゆかりの地を訪ねたかったので訪問してみたのですが、やはりというか・・・だれも訪問する人はいませんでした。石田三成が秀吉をもてなした水汲みの井戸は惣門を抜け左へ進むとあります。本堂は正面に進み3分程度。
石田三成が秀吉に仕えた頃の武将感状記に、『石田三成はある寺の童子也。秀吉一日放鷹に出て喉乾く。其の寺に至りて誰かある茶を点じて来れと所望せり。石田、大なる茶碗に七、八分ぬるくたてて持ちまいる。秀吉之を飲み舌を鳴らし、気味よし今一服とあれば、またたてて之を捧ぐ。前よりは少し熱くして茶碗半ばに足らず。秀吉之を飲み、また誠に一服とある時、石田此の度は小茶碗に少し許りなるほど熱くたてて出る。秀吉之を飲む。その気はたらきを感じ住持に乞い、近侍に使うに才あり。次第に取立て奉行職を授けられぬ』と記されています。絵本太閤記では、その寺を大原の観音寺としているそうです。

●善水寺(ぜんすいじ)
奈良時代に創建された善水寺は、1360年に焼失してしまいましたが、その後の1364〜1366年に再建されました。本堂は国宝に指定され、常楽寺、長寿寺とともに湖南三山の1つとして知られています。

<住所>
滋賀県湖南市岩根3518
<拝観料>
500円。9:00〜17:00 無休。

<アクセス>
JR草津線の甲西駅から巡回バスで岩根を下車し徒歩約10分。
境内はこんな感じです。決して広くはないです。写真トップの国宝の本堂は入母屋造、檜皮葺の立派な建物です。内陣には本尊である薬師如来をはじめ十二神将像を含む30余躯の仏像が安置され、息を呑むほどの素晴らしさです。住職さんの説明もしてくれます。
1713年に再建された元三大師堂。堂内には慈恵大師良源の等身大像が安置されています。
庭園もあります。参拝客らしき人は1組だけでした。この静かさがたまりませんね。
山の下の方へ坂道を1分程度下ると観音堂もあります。新しく見えるんですけど、実は1696年に建立されたものらしいです。

●長寿寺(ちょうじゅじ)
奈良時代、聖武天皇の勅願によって良弁が創建されたとされる長寿寺。善水寺、常楽寺とともに湖南三山の1つとされ、常楽寺の西寺に対し、長寿寺は東寺と呼ばれています。

<住所>
滋賀県湖南市東寺5-1-11 
<入山料>
500円。本堂拝観は要予約。9:00〜16:00。

<アクセス>
JR草津線の石部駅からバス約15分、長寿寺を下車です。
1550年に建築された入母屋造の小さな弁天堂が池の中にあります。
トップの本堂は鎌倉時代に建てられたもので国宝にも指定されています。受付に誰もいなかったのですが、本来は要予約の寺院なようです。なので本堂内、重文の丈六阿弥陀如来坐像も拝めませんでした・・・ ちなみに、この後に湖南三山の常楽寺にも立ち寄りましたが、こちらも要予約で、本堂は囲いが厳重になっていて見れませんでした・・・
隣には長寿寺の鎮守社でもある白山神社もありました。
同じく白山神社の拝殿。実は重要文化財だったりします。室町時代に建てられたものだそうですよ。

●不動寺(磨崖不動明王尊)
弘法大師が創立したという不動寺に彫られた磨崖仏。明王は、大きな自然の岩に磨崖仏としてきざまれ、信仰の本尊とされており、それがそのまま寺名となりました。

<住所>
滋賀県湖南市岩根
<アクセス>
善水寺より車で約5分。拝観自由。
こちらが崖の上にある本堂で、靴脱いで上がります。なんか普通の小屋みたいな感じです。
奥に磨崖仏が見えるらしいのですが、なんとなく見える程度です。意外と知られていませんが、滋賀県には磨崖仏が多く存在します。ネットで検索してもこの不動寺もあんまり情報がありませんでした・・・
お堂の下から覗いた方が不動明王の姿がよく見えます。どうやら鎌倉時代に彫られたものだそうです。



滋賀県の観光