米所、ササニシキや、ひとめぼれでも知られる宮城県は、東北地方最大の駅でもある仙台駅を中心に、蔵王連峰をはじめ日本三景でもある松島、鳴子温泉などと自然にも恵まれています。仙台の繁華街は駅から少し離れた場所にある国分町付近になります。写真で見ると正面のビル群付近を左に曲がった先が国分町です。東北新幹線では東京駅から仙台駅、仙台空港からは仙台空港線で約30分で仙台駅にアクセスできます。

駅構内には仙台名物の牛タンを食べられる「利久」という店があります。駅周辺にも牛タンを出す店は数多くありますが、この利久が肉厚で一番美味しい気がします。最近は他県にも進出してますが・・
<お土産>
定番は文句なしで萩の月ですね。他には、牛タン、笹かまぼこなど。

地図の円で囲った部分が東北一賑わう繁華街である国分町です。特に青色で塗られた道路付近が人通りも多く、アーケード街になっているので雨に濡れる心配もありません。全国的にも有名な仙台七夕まつりも、このアーケード街を中心に飾り付けが行われます。期間は月遅れなので7月7日ではなく、8月7日を中間日とした8/6〜8/8ですのでお間違えなく。
仙台駅から続くアーケード街は国分町あたりまで延びており、昼夜を問わず活気があります。

●松島
宮城県の観光で一番の名所と言えば松島でしょうか。日本三景の1つでもある松島は、大小260もの島が集まった場所です。もともとは陸地であった松島丘陵が沈降してできた地形であり、その独特な島々の風景は、まるで絵の中にいるような美しさと感動があります。

その昔に伊達政宗が月見御殿を建てたり、松尾芭蕉は・・・松島の月先心にかゝりてと、芭蕉の代表的な紀行本でもある、おくのほそ道の序盤にも記されています。又、アルベルト・アインシュタインもかつて松島を訪れ、どんな名工の技も、この美しさを残すことはできないと語ったそうです。
<アクセス>
仙台駅から仙石線(せんせきせん)で松島海岸駅まで約25分410円です。駅から遊覧船の発着所までは徒歩で10分程度です。

同じく仙台駅から東北本線で松島駅までのルート(約25分410円)でもアクセス可能ですが、遊覧船発着所からは少し離れます。この場合は、駅からは徒歩で20分以上かかるため100円循環バスが便利です。尚、この循環バスは周辺のホテルを幾つか経由するため、歩くのと時間的には差がありません・・・
松島へ来たのであれば遊覧船に乗らなければ感動も半分以下です。是非、遊覧船に乗ってみましょう。松島湾の島々を巡る遊覧船は定期大型船が毎時出航しています。料金は50分で1500円の松島湾一周のコースが一般的で人気があるようです。塩釜港まで行くコースもあり、同じく50分、1500円で景色も殆ど変わりません。
塩釜港からは塩釜神社へと寄り道してみるのもお薦めです。これは、おくのほそ道で芭蕉が辿ったコースでもありますが、あまり人気はないようです・・・
船内にはカモメの餌(かっぱえびせん)も売っています。撮影したのは塩釜コースの遊覧船なのですが、乗客が2人しかいなくて売店のおばちゃんが餌を撒いていました・・・
遊覧船発着所からも見える場所にある、松島のシンボルでもある五大堂です。平安時代初期の807年、坂上田村麻呂がこの島に毘沙門堂を建て、828年には慈覚大師が瑞巌寺の前身、松島寺を建てて、ここに五大明王を祀ったことから五大堂と呼ばれるようになったそうです。現在の五大堂は1604年、伊達政宗が紀州(和歌山県)の名工鶴衛門家次に命じて建立したものだそうです。
橋は足元が透けて海水が見えます。橋を渡ると重要文化財にも指定されてる五大堂があります。尚、本尊である五大明王像は秘仏なので見ることができません。
大型の遊覧船乗り場の左手に五大堂があり、その左手には中型の遊覧船乗り場があります。さらにその左手に朱塗の橋、福浦橋が見えます。ここから福浦島に渡ることが出来(橋渡るのに200円)、島を一周することが出来ます。

●瑞巌寺
平安時代に慈覚大師(円仁)によって開創(創設)されたと伝わる寺院で、現在あるのは初代仙台藩主であった伊達政宗によって1609年に建てられたものです。

<住所>
宮城県松島町松島字町内91

<拝観料>
700円。8:00〜16時頃。閉門時間は季節によって異なります。
<アクセス>
瑞巌寺は松島の遊覧船発着所の向かい側にある杉林を通り抜けたところにあります。又、瑞巌寺のすぐ隣に人気はありませんが円通院という寺院があります。時間がある方は合わせてでどうぞ。
写真は瑞巌寺の山門。土産物屋さんも並びます。参道には見事な杉林がビッシリ!
境内に入るとすぐ左手に怪しい洞窟があります。鎌倉時代に現在の瑞巌寺を開山した法身禅師(法身性西)が修行したと伝わる洞窟です。
禅宗寺院の台所となる庫裡(くり)は本堂と共に国宝に指定されています。残念ながら内部は撮影禁止です。

●円通院(えんつういん)
瑞巌寺の左手には伊達政宗の孫である伊達光宗の菩提寺、円通院もあります。松島を訪れたら瑞巌寺と円通院とセットでの観光がお薦めです。

<住所>
宮城県松島町松島字町内67

<拝観料>
300円。8:30〜17:00(12〜3月は9〜16時まで)
<アクセス>
瑞巌寺の左手にあります。

境内に入るとすぐに美しい石庭があります。白い砂は松島湾の海を表しています。
円通院の見どころは光宗の霊廟である三慧殿(さんけいでん)です。伊達家が鎖国という時代背景に関わらず、支倉六右衛門常長を通じて伝わった様々な西欧文化を伊達家の秘蔵として厨子に図案化されたものが残されています。
三慧殿の厨子には日本最古の洋バラの絵があります。この為、境内には寺院には似つかわしくないバラ園があり、初夏には薔薇が満開となりバラ寺としても有名なんですよ。他にも十字架やダイヤ、クローバー、ハート、スペードなどの模様もあり、隠れキリシタンの苦労がうかがえます。三慧殿の扉は鎖国のため長い間、開かれることはなく隠されていたそうです。このため保存状態が素晴らしく、思わず見とれてしまいます。
三慧殿の扉の蝶番にもハートマークがあり、よく見れば逆さまになっています。キリシタンであることを隠す目的なのだとか。近くにいた団体客のガイドさんが言ってました。寺社にはこのようなハートの形をした猪目(猪の目)というデザインが古くからあるので、これは違うと思いますが・・・

●鹽竈神社(塩竈神社・塩釜神社)
鹽竈(鹽竃・塩竈・塩竃・塩釜・塩釡)神社は武甕槌神と経津主神の二神が主祭神である鹽土老翁神の案内によって、陸奥国を鎮定して当地に祀られたのが始まりとされます。平泉の藤原氏や陸奥国留守職の伊澤氏などの崇敬を集め、仙台藩主の伊達家も厚い崇敬を寄せていたそうです。

<住所>
宮城県塩竈市一森山1-1
<アクセス>
JR仙石線の本塩釜駅から表参道(表坂)の石鳥居まで徒歩15分、東参道(裏坂)の石鳥居まで徒歩7分。尚、仙台駅から本塩釜駅までは仙石線で約30分です。

<開門時間>
5:00〜20:00 境内自由。
駅からだと東参道が近いんですが、初めてなんで表から参拝することにしました。で、現れた長い石段・・・ 全くの予習不足で目が点です。ちなみに鹽竈神社は、写真の鳥居や本殿、拝殿、別宮など、その多くが江戸時代に建立されたものですが、国の重要文化財に指定されています。
表参道(表坂)の石段は202段もあるそうです。さすがに訪問時は真夏のなで、ノタノタと牛歩戦術です。
1704年に建立された随身門。こちらも国の重要文化財に指定されています。
随身門を通り抜けると、その正面にトップの写真にある左右宮拝殿があります。拝殿奥には本殿が左右にある為、向かって左が右宮、右手が左宮の拝殿となっています。左の写真は拝殿奥にある本殿で、鹿島(武甕槌神)・香取の神(経津主神)がそれぞれ祀られている右宮本殿と左宮本殿とがあります。向かって左の本殿なので右宮本殿ですね。少しややこしい・・・
左右宮拝殿の右手に松島湾を背にして建っているのが別宮拝殿。拝殿なので奥に本殿があります。こちらの別宮本殿に祀られているのが鹽竈神社の主祭神、塩土老翁神となっています。別宮に主祭神?以下、公式サイトより引用です。
これは伊達家の守護神たる鹿島・香取の神を仙台城の方角に向けて建て、大神主たる藩主が城から遙拝出来る様に配し、海上守護の塩土老翁神には海難を背負って頂くよう海に背を向けているとも言われております。
こちらは1809年、伊達九代藩主周宗(ちかむね)公が蝦夷地警護の凱旋ののち奉賽として寄進した銅鐵合製燈籠。
続いてこちらは藤原秀衡の三男、和泉三郎忠衡が父の約束を守り自分の命に代えてでも源義経を守る誓いを込めて寄進したとうい文治神燈。
末社の神明社、八幡社、住吉社、稲荷社。
こちらは御神木の杉で推定樹齢は800年だそうです。800年というと戦国武将として有名な仙台藩初代藩主、伊達政宗が生まれてくる、はるか昔よりこの地に根を張っていたことになります。いや〜!ですなぁ。
帰りは東参道(裏坂)から帰ることに。東参道は女坂とも呼ばれ(表坂は男坂)緩やかな下り道になります。写真はその途中の右手にある七曲坂。神社で最も古い参道だそうで登り口には藩政時代の道標があるそうです。
舞殿の建物内から伸びる杉の大木は見事です。写真だと普通に建物裏に立っているように見えますけど・・・
振り返って見た東神門。ここから鹽竈神社と同じ境内にある志波彦神社(しわひこじんじゃ)へと向かいます。
こちらが志波彦神社で、どうやら明治時代に遷座したらしく、志波彦大神という古事記にも日本書紀にも登場しない謎の神様を祀っています。
ここから塩釜港がよく見えます。この後、遊覧船に乗って日本三景の松島を見るのもよしですね。
仙台藩の鋳銭事業に使用されていた鋳銭釜だそうです。貴重な産業遺産としては、すごい物なんでしょうが、なんとも・・・
東参道の途中に無料で見学できる旧亀井邸があります。旧亀井邸は亀井商店『現・総合商社カメイ梶xの初代社長の亀井文平氏が大正13年に建てた別邸だったかな?そう説明された記憶が・・・
建物は日本建築と西洋建築を取り入れた和洋併置式住宅という建築様式なんだそうです。つまり、和洋折衷のように混ざった感じではなく、和館、洋館を別々に配置したような建物の事です。この部屋は若干、和が見えているので自信がないんですが・・・
なので、こちらの2階の部屋は完全に和でしょ?眺望が素晴らしいです。あ〜、住みたい。
この階段と踊り場は、1階の玄関、台所、2階の2つの和室の、4箇所につながっています。複数の接客が必要なことなどを想定し、お客様が鉢合わせすることのないように配慮した造りと考えられているそうです。
昭和30年代まではよく見られたという砂で磨(す)って造られた板ガラスだそうです。他にも説明するまでもありませんが、洋館の外壁にはアールヌーボー様式やウィーンを起点とする水平線、垂直線を強調し、幾何学模様を多用するセセッション様式のデザインも取り入れられ、現代の左官技術においての再現は難しいデザイン様式を取り入れています。ふふ〜ん。
関係の深い旧日本石油鰍フ社章だったこうもりをかたどって作られたふすまの取手。
お疲れ様でした。こちらが裏参道の入口です。往きの表参道までは長い道のりに感じましたが、ここから駅まではあっと言う間でした。

●仙台城址(青葉城址)
この地を千代から仙台へと改め1600年、伊達政宗によって築城を開始された仙台城は、立派な天守閣などはありませんが、仙台藩62万石の領国経営の本拠として、また藩政の庁として整備されました。現在、本丸を含めた全ての建造物は取り壊され現存するものはありませんが、仙台のシンボルともいえる伊達政宗の騎馬像があります。

<住所>
宮城県仙台市青葉区川内1
<アクセス>
仙台駅から歩いていくと地図の矢印のようなルートになりますが、徒歩で30分以上ある上に山の上に城跡があるのでかなりハードです。現実的には仙台駅から、るーぷる仙台というレトロな観光バスがお薦め。運賃は260円、約20分です。1日乗車券620円もありますよ(注:車内販売が廃止になっています)。
ただし、このるーぷる仙台は一方通行のルートのみなので、仙台城址に行く前に手前にある伊達政宗が眠る廟所、瑞鳳殿を見学しておきましょう。この間の距離だけでも徒歩で30分以上かかります。さらに仙台城址からの帰り道は、るーぷる仙台で仙台駅まで戻るとなるとかなりの遠回り。植物園や自然史標本館、美術館を巡る方はよいのですが、そのまま駅まで戻る方にはかなり時間を浪費します。時間を無駄にしたくない方は仙台城址から歩いて博物館・国際センター前から路線バスを利用した方が賢いと思います。
伊達政宗は1600年の関ヶ原の戦いで、会津の上杉景勝を牽制し石田三成と景勝との二正面同時作戦の不利を回避させた功により、徳川家康から仙台60万石に封ぜられました。その後伊達氏は13代わたって戦火にあうことはなく、仙台城は要塞としての役目を終えます。又、本丸の地は仙台七崎の1つ青葉ヶ崎で仙台城の俗称を青葉城と呼ぶのはこのためだそうです。
本丸の跡地には護国神社(宮城縣護國神社)があります。現在の神社は戦災によって全焼し戦後に建てられたものです。
護国神社の隣には青葉城資料展示館(700円。るーぷる仙台1日乗車券を持っていれば500円です。)があり、仙台城の実物資料をはじめ、大画面シアタ−で当時の青葉城を再現したCGも見れます。
仙台城址から歩いて山を下りると、途中右手に進める道があり、当時の面影を残す石垣をチラホラと見ることができます。写真は清水門跡地にある石垣で、この道は仙台市博物館へと続き、少しだけ近道になっています。

●瑞鳳殿(ずいほうでん)
瑞鳳殿は霊屋(たまや、おたまや)と呼ばれる霊廟で、伊達政宗は1636年5月24日、江戸で70歳の生涯を終えると、仙台に送られここ経ヶ峰に葬られました。政宗は生前、ホトトギスの初音を聴くために経ヶ峰に登り、同行の家臣に死後ここに墓所を造るように命じていたそうです。

<住所>
宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2
<観覧料>
550円。9:00〜16:30(年末年始は16時まで)

<アクセス>
るーぷる仙台で約15分です。

石段を少し登ると分かれ道があります。左手に進むと瑞鳳殿に、帰りは右側から下りてくるような順路となっています。
瑞鳳殿の正面門は涅槃門(ねはんもん)と呼ばれています。残念ながら戦災によって焼失してしまいますが、焼失前と同様の豪華な飾り彫刻が施されています。
まさに豪華絢爛な廟です。政宗の命日である5月24日、新年の礼拝式など特別な場合の日に御開帳されるそうです。
涅槃門をはじめ瑞鳳殿には伊達家の家紋でもある竹に雀紋が至るところに見えます。尚、政宗公はこの地下に眠っています。
瑞鳳殿資料館を見学し、再び涅槃門へと戻り左手へと進むと二代忠宗を祀る霊廟、感仙殿(かんせんでん)が右手に、三代綱宗を祀る善応殿(ぜんのうでん)が左手に見えます。

●大崎八幡宮(おおさきはちまんぐう)
全国的にも知られる、どんと祭(ドント焼き、松焚祭)が行われ毎年多くの方が訪れる神社で、市内から八幡宮を目指して歩く裸参りも有名です。伊達政宗が1607年に創建し、社殿は安土桃山建築を代表する遺構であり現存最古の権現造りの建築物として国宝にも指定されています。

<住所>
宮城県仙台市青葉区八幡4-6-1
<アクセス>
仙台駅からは地下鉄で3つ目の駅、北四番丁駅を下車(200円)。そこからバスで約10分(180円)、大崎八幡宮前で下車です。仙台駅と大崎八幡宮前の間を運行するバスもあります。

写真は創建時からのものとされる大石段。98段とも100段とも言われると看板には書いてありますが、どっちなんだよ!ということで、実際に数えてみましたが途中で忘れました。。。
石段を上りきったら目の前に本殿があると思ったらまだ先のようです。写真は1716年に伊達吉村公によって寄進された三之鳥居。
写真は割拝殿様式の長床で、奥に社殿があります。

社殿は拝殿と本殿そしてそれらを連結する石の間の三殿が一体となった権現造りの形式を有す霊廟建築で、豊国神社を模したものだそうです。


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