世界遺産の五箇山・合掌造り集落や国宝の瑞龍寺をはじめ、蜃気楼が見える魚津など観光名所も豊富な富山県。県内最大規模を誇る宇奈月温泉、宇奈月からは日本一深い黒部峡谷をトロッコ電車で満喫することができます。立山駅からはケーブルカー、高原バス、立山トンネルトロリーバス、立山ロープウェイ、黒部ケーブルカー、関電トンネルトロリーバスと乗り継げば大自然豊かな立山黒部アルペンルートも楽しむことができます。

県下一の繁華街は、富山駅周辺ではなく少し離れた総曲輪(そうがわ)を中心に中央通り、西町周辺の範囲で賑わいを見せます。特に人通りの多い総曲輪通り商店街もまた、他の地方都市同様にアーケード街になっています。
え?これが富山駅、と思ってしまうほど簡素な造りの駅舎。いずれ開業予定の新幹線がくれば、もっと綺麗で賑わいのある街並みになると思われます。

<お土産>
富山県の土産物としては、鱒寿司、白エビせんべいやクッキー、ホタルイカは春以外の時期外れは干物や塩辛も美味しいです。地元ならではのグルメとして富山ブラックは一度は味わってほしい地元ラーメン。ただし、かなりしょっぱいので、肉体労働者限定です・・・
写真中央に見えるのはバスではなく路面電車です。富山の路面電車は海方面へと向かう富山ライトレールの富山港線や、富山地方鉄道の環状線や南富山駅方面などがありますが、どこでも運賃は均一200円です。
街の中心となるアーケード街。撮影は週末の昼時です。もう少し駅側には通行人がいましたよ・・・

●黒部ダム(黒四ダム)
石原裕次郎主演の映画、黒部の太陽でも有名な黒部ダムは日本一の高さを誇るダムです。関西電力の社運をかけたダムの建設には1,000万人以上の人手と、7年もの歳月がかかっており、建設費も当時の金額で513億円もの大事業でした。この建設費は当時の関西電力の資本金の約5倍にあたるそうです。

黒部ダムは立山黒部アルペンルートの一部であり、ダムから先はケーブルカー5分→立山ロープウェイ7分→立山トンネルトロリーバス10分→高原バス50分→立山ケーブルカー7分→富山地方鉄道60分などを乗り継ぎ富山中心部へと抜けることができます。
<住所>
富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ国有林

<放水期間>
毎年、おおよそ6月下旬〜10月中旬まで観光放水されます。
<アクセス>
長野県側からは東京駅→信濃大町(約3時間半)又は大阪駅→信濃大町(約4時間)。信濃大町からはバスで約40分で扇沢駅(1330円)。そこから関電トンネルトロリーバスで約16分片道1500円。徒歩10分で黒部ダムに到着です。勿論、富山県側からのアプローチも可能です。
架線からの電気で走るトロリーバス。大型連休などはトロリーバスの混雑も半端ではありません。ほぼ30分間隔で数台のバスが発着しますが、1時間以上待たされる可能性もありますので注意しましょう。又、混雑時はレストランも満員御礼です。食事は出来るだけ済ませておきましょう。
トロリーバスを降りて、トンネルを抜ければダムに出られます。220段の地中階段を上れば眼下の黒部ダムや立山連峰を見渡せる展望台へと出られます。体力に問題なければ、まず階段を上がって展望台→野外階段を下りながら新展望広場→ダムのコースがお薦めです。
黒部湖には湖畔遊歩道や遊覧船もあります。しかし、それほど綺麗な湖ではありません・・・
多くの観光客は、下から展望台へと上がっていきます。高齢者などはこちらのほうが階段が緩やかで、景色を見ながら歩けるので体への負担は少ないです。
新展望広場から放水が近くで見られます。あくまで観光用の放水なので時期が決まっています。小さい穴から放射状に水が出ているので、意外と迫力に欠けがっかりします。。たくさん水が出ているように見せるためなのか?と思われますが、一応下の川底を保護するためだとか。
ダム堰堤の近くに黒部ダム建設の殉職者慰霊碑があります。ダム建設に関して一番の難工事が現在の関電トンネルでした。工事中に入口から2,6kmの位置で地下水と土砂が大量に吹き出し、大破砕帯に遭遇し、一時は開通が絶望視されたほど。ここには犠牲となった殉職者171名の名前が刻まれています。関電トンネルトロリーバスでは車内でそのエピソードが紹介されます。
ダムから先もアルペンルートの大自然が続きます。お金はかかりますが、その昔には登山者しか入山を許されなかった秘境を手軽に見られるのですから仕方ありません。ちなみに新宿駅からアルペンルートを越える(富山駅)まで片道だけでも18000円(特急あずさ指定席利用時)もかかります・・・

●富山城址公園
1543年に神保長職によって築かれた富山城。上杉謙信や武田信玄との攻防に巻き込まれ、1582年には織田信長の重臣でもあった佐々成政が入城しますが、1585年に秀吉の征討をうけ富山城は破却となりました。その後には前田利長が入城し大改修を行いますが、大火や一国一城令などにより廃城となりました。現在の天守閣は鉄筋コンクリート構造による模擬天守(富山市郷土博物館) となっています。

<住所>
富山県富山市本丸1-62
<営業時間>
9:00〜17:00 休館日は年末年始、臨時休館日あり。入館料200円。

<アクセス>
富山駅から徒歩10分程度。

当時の富山城の面影はありませんが、遺構として堀や写真の石垣などの一部が残っています。
博物館のわりには富山城の資料も少なく、しかも館内は写真撮影禁止です。最上階は富山市内が一望できる展望台があります。あまり景色もよくはなく、金網も邪魔です・・・

●池田屋安兵衛商店
全国に知られる富山の薬売り。そんな中でも、江戸時代から続く池田屋安兵衛商店は老舗中の老舗です。富山の薬を有名にした胃腸障害、食べ過ぎや飲みすぎに効く反魂丹(はんごんたん)をはじめ、六神丸や通じ丸も旅行のお供として、又はお土産に喜ばれます。

<住所>
富山県富山市堤町通り1-3-5
<営業時間>
10:00〜18:00 年末年始休み。

<アクセス>
路面電車の西町を下車し徒歩2〜3分です。富山駅からは徒歩15分程度です。
なんとも歴史を感じるつくりです。越中反魂丹の他にも、レトロなパッケージが楽しい風邪薬や頭痛薬もあります。店員さんも親切に薬の説明をしてくれる雰囲気の良いお店です。店舗の2階では健康薬膳を召し上がることも出来ます(要予約)。
反魂丹の製造マシンも置かれています。富山でも最も古い歴史をもつ薬、反魂丹。この反魂丹を有名にしたのが江戸城腹痛事件です。江戸城内にて福島の三春藩の藩主であった秋田輝季が、突然の腹痛に苦しみだしたところ、富山藩の藩主、前田正甫が印籠から反魂丹を取り出して与えたそうです。すると、たちまち腹痛は治まり、それを見ていた各藩の藩主達がその効き目に驚き、自分の藩でも売ってほしいと懇願したそうです。

●瑞龍寺(ずいりゅうじ)
高岡城を築城し、この地で亡くなった加賀藩二代藩主、前田利長の菩提を弔うために三代藩主、利常によって建立された高岡山 瑞龍寺。加賀百二十万石を譲られた異母兄弟、利常公はその恩を感じ、時の名匠、山上善右衛門嘉広をして禅宗建築の七堂伽藍を完備し、広山恕陽禅師をもって開山しました。

<住所>
富山県高岡市関本町35
富山駅からはJR北陸本線で約20分、320円です。他の観光名所として、駅から徒歩10分程度の場所に高岡大仏、高岡古城公園、宿場町のような家々が建ち並び、石畳が美しい金屋町通りなどもあります。
<アクセス>
JR高岡駅の南口から徒歩約15分です。石燈籠が並ぶ参道(八丁道)を寺院とは反対方向に進めば、徒歩15分程度の場所に前田利長公墓所があります。時間があれば、その少し先にある、墓所の廟守の寺として造営された繁久寺(はんきゅうじ)もお薦めです。

<拝観時間>
9:00〜16:30 拝観料は500円。 
重文の総門を過ぎると1820年に再建された国宝の山門があります。山門の両脇にはかつて、七間浄頭(東司)と浴室、禅堂、それらを取り囲む回廊の前半部分などがありましたが、焼失のため現在はありません。屋根が大きく反っているのは禅宗様建築の特色でもあります。
瑞龍寺の造営は約20年の歳月を要して完成し、当時の寺域は三万六千坪で、周囲に壕をめぐらし、まさに城郭の姿を想わせるものがあったそうです。山門、仏殿、法堂が国宝に、禅堂、大庫裏、大茶堂、回廊が重要文化財に指定され、江戸時代を代表する禅宗建築として高く評価されています。写真トップにあるのが仏殿で、隣の写真が内部です。中国から約300年前より渡来されたとされる釈迦・文殊・普賢の仏像が安置されています。こちらも禅宗建築の特色でもある正方形の仏殿となっています。
仏殿のすぐ奥にあるのが1655年に建立された総欅造りの法堂です。天井には金箔押の美しい花々が描かれています。内陣の中央には加賀藩二代目藩主の前田利長の位牌が安置されています。
仏殿や法堂を取り囲む回廊には、寺の台所となる大庫裏や、禅堂もあり見学が可能です。写真は禅堂で、瑞龍寺の禅堂は重要文化財として登録されている禅堂三棟の内の一つにもなっています。
法堂の左手奥には石廟があります。前田利長は本能寺の変後、織田信長父子の分骨を迎えてその霊を慰めたと伝えられます。瑞龍寺を造営した時、開山広山恕陽禅師も同じ形式の五基、前田利長、前田利家、織田信長、信長の側室(生駒吉乃)、織田信忠の石廟を建造したとされます。

●薬種商の館金岡邸
この金岡邸は、富山の典型的な薬種商で売薬業も営まれた金岡家の邸宅を、昭和56年9月富山県が寄附を受け、富山県民会館分館金岡邸として広く一般の利用に供しています。現在の邸宅は母屋は江戸末期の建築で、当時の商家の屋形を示し、特に店舗については薬種商の典型的な構えを残しており、新屋については大正期の総桧造りの豪壮な屋敷で、ほとんどそのまま今日まで残ったものだそうです。

<住所>
富山県富山市新庄町1-5-24
<営業時間>
9:00〜16:00 200円。火曜日、年末年始休み。

<アクセス>
富山地方鉄道の東新庄駅から徒歩約5分。富山駅からは隣接する電鉄富山駅から約5分、300円です。
ひっそりと建っているので要注意です。車でこられる方は建物左手に6〜7台分?程度の無料駐車場があります。
昔の薬屋さんは、こんな様子だったんでしょうね。それにしてもこの施設、200円とは思えないような展示内容です。
いろんな薬の原料となるものが置いてあります。トカゲみたいのとか・・・
富山でも最も古い歴史をもつ薬、反魂丹。この反魂丹を有名にしたのが江戸城腹痛事件です。江戸城内にて福島の三春藩の藩主であった秋田輝季が、突然の腹痛に苦しみだしたところ、富山藩の藩主、前田正甫が印籠から反魂丹を取り出して与えたそうです。すると、たちまち腹痛は治まり、それを見ていた各藩の藩主達がその効き目に驚き、自分の藩でも売ってほしいと懇願したそうです。反魂丹の他にも六神丸などの有名な薬の説明書きもありました。
こんなところにもマネキンが。こちらは手動式製丸機だそうです。
武家屋敷のように広くて、居心地のよい邸宅です。この日は見学者もいなく、庭を眺めながらまったりと長いこと寛いでしまいました。

●ほたるいかミュージアム
幻想的な光を放つホタルイカ。豊かな自然に囲まれた滑川市の文化・観光拠点、地域のシンボルとしてつくられた、ほたるいかミュージアム。シーズン中には、ほたるいか定置網漁を見学することが出来ます(要予約)。

<住所>
富山県滑川市中川原410
<営業時間>
9:00〜17:00 入館料600円。ホタルイカシーズン3月20日〜5月31日は800円となります。休館日は火曜日、年末年始他。

<アクセス>
JR滑川駅から徒歩約8分、富山駅からはJR北陸本線で約15分、320円です。
正直、建物の大きさのわりには・・・ 子供でも物足りなさを感じる内容の薄さです。ただ、出口の土産物屋さんは試食品も多く、ホタルイカ関連充実しています。車で来られた方は、近くにある金太郎温泉が景観よく、露天風呂も大きくお薦めです。鉄道では2つ先の駅、JR魚津駅からタクシーで約10分と少し不便です。