名将、加藤清正が7年もの歳月をかけて築城し、日本三名城としても知られる熊本城は定番の観光スポット。世界有数の大カルデラで雄大な大自然が残る阿蘇山も人気の観光名所であり、近くにある黒川温泉で旅の疲れを癒すものいいですね。海側には天草四郎ゆかりの天草があり、多くの島々が浮かぶ光景は美しいの一言です。グルメでは馬刺しや、たご汁などの郷土料理も旅の楽しみの1つですね。

<お土産>
お土産にはやっぱり定番の辛し蓮根ですね。他、熊本ラーメンや馬刺しなど。
熊本の県下一の繁華街は、多くの地方都市と同じように駅から少し離れた場所になります。繁華街、歓楽街は熊本城近くの下通アーケード街を中心に多くの人で賑わいます。
熊本の繁華街まではバス又は路面電車が便利です。路面電車では熊本城前を下車します。料金は市内均一で150円。乗り方は後方から乗車し下車時に運賃を支払います。右手がアーケード街を中心とした繁華街で、左手には少し歩いた場所に大きなバスターミナル、熊本交通センターがあります。

熊本空港からお越しの際は、リムジンバスで交通センターまで約40分、670円です。便の時刻に合わせて発着します。交通センターの正面を真っ直ぐ進めば繁華街(徒歩5分程度)です。左手に進めば熊本城があります。
熊本の繁華街は地図上の縦に走るラインの下通りアーケード街に集中し、横に走るラインの銀座通りや隣の西銀座通り、サンロード新市街と賑わいをみせます。青色で囲まれた地域が歓楽街となり、ピンク色一帯は風俗街となっています。どちらかと言うとショッピングよりも飲食店の占める割合が多いような気がします。
熊本県の観光といえば、定番は熊本市街の他は阿蘇山や天草のエリアです。どちらも移動には車で2時間程度かかります。

●熊本城
日本三名城の一つに数えられる熊本城は、加藤清正(かとうきよまさ)が幾多の実践の経験を生かし、1601年から7年の歳月を費やして完成したと伝えられています。1877年の西南戦争で多くの建物を焼失しますが、西郷軍の猛攻撃に耐え、名城としての真価を発揮しました。

<住所>
熊本県熊本市本丸
<開園時間>
4月〜10月 8:30〜18:00分(入園は17:30まで)11月〜3月 8:30〜17時:00分(入園は16:30まで)入園料500円。湧々座(桜の馬場 城彩苑)や旧細川刑部邸との共通入場券もあり。

<アクセス>
路面電車で熊本城前を下車。
熊本城の石垣は清正流石組と呼ばれ独特の勾配になっています。武者返しと恐れられるこの勾配は、上に向かうに従って角度を高め、天端では75度の絶壁になります。鉄串が突き出した忍び返しも鉄壁の守りがうかがえます。築城の名手としても知られる加藤清正は他にも江戸城や名古屋城、朝鮮の蔚山倭城などを手がけています。

復元は外観だけなので、内部はこんな感じです。展示物は少ないですが、熊本城の歴史や加藤清正についても学べますよ。
熊本市街を一望できます。
熊本城の復元は当時の写真や絵地図が大量に残っていたこともあり、瓦の列や枚数など細部まで忠実に行われているんですよ。つまり、内部こそ鉄筋コンクリートですが、外観は当時のままの姿なのです。
熊本城の櫓のほとんどは西南戦争で焼失してしまい、現在でも残っているのは左の写真の宇土櫓、監物櫓(長岡図書預櫓)、平櫓、五間櫓、北十八間櫓、東十八間櫓、源之進櫓、四間櫓、十四間櫓、七間櫓、田子櫓です。とにかく広いので、見学時間は十分に取りましょう。
まだ新しい復元された本丸御殿です。復元と言っても、思わず見とれてしまう昭君之間や若松之間は美しいの一言。
車で来場すると見落としてしまいそうな場所にありますが、熊本城の入口には加藤清正の銅像があります。
加藤清正
織田信長の武将として仕え、さらには同郷でもあり血縁関係にあった豊臣秀吉にも仕え、1582年に本能寺の変で織田信長を討った明智光秀を追った山崎の戦い、1583年にその後の信長の権力を手に入れるため秀吉と柴田勝家が争った、賤ヶ岳(しずがたけ)の戦いで功績を挙げます。1588年には肥後半国の領主になり、1600年の関ヶ原の戦いでは東軍につき九州で功績をあげ、54万石の大名にまでなります。治山治水に尽力し領民からも厚く信頼されていました。

●本妙寺(ほんみょうじ)
1585年に加藤清正が父、清忠の菩提寺(ぼだいじ)として大阪に建立した本妙寺。肥後入国後、熊本城内に移されますが清正の死去後に遺言によって現在地へと移建しました。本堂から長い石段を登れば清正が眠る浄池廟(じょうちびょう)があります。尚、戦災により焼失した本堂と浄池廟は明治27年に再建されたものです。

<住所>
熊本県熊本市花園4-13-1
<アクセス>
路面電車で本妙寺前を下車し徒歩約10分です。

境内自由ですが宝物館は9:00〜16:30で入館料は300円です。
仁王門を抜けて長い参道を進めば石段手前の右手にトップの写真、大本堂があります。左手の写真は胸突雁木(むなつきがんぎ)と呼ばれる176段の石段で石灯籠がたくさん並んでいます。
石段を登りきると浄池廟があります。写真は拝殿で、奥に本殿があります。
こちらが本殿で、築城の名手と呼ばれた加藤清正がこの建物下に眠っています。ちなみに清正の遺言によって、この地点の標高は熊本城の天守の高さとほぼ同じになっているんですって。
さらに本殿から左奥へと進むと、すげ〜長い石段が見えてきます。この石段、300段もあるそうでトレーニングには最適です。。
石段を大汗をかいて登りきれば清正公の銅像があります。どっこいしょと腰を下ろした熊本城の銅像と比べて、より勇ましい姿です。
ここからは熊本市が一望でき、ここから眺める阿蘇山も美しいです。熊本城を見学されたら是非、こちらにも足を運んでみてください。運動にもなりますし。。。

●阿蘇山
放し飼いにされた牛を間近に見られる草千里ヶ浜、今なお噴煙を上げ続ける阿蘇中岳や名湯など、世界最大級のカルデラをもつ阿蘇山は熊本を代表する観光スポットです。写真は草千里ヶ浜(くさせんりがはま)で、広い草原に牛がたくさんいます。
<アクセス>
草千里ヶ浜までは熊本駅からはJR豊肥本線で阿蘇駅まで行き(約90分、1110円)、そこからバスで阿蘇山上行きに乗り換え約30分、草千里火山博物館前を下車です。鉄道、バスの本数がかなり少ないので注意です。阿蘇山は車の免許があればマイカーやレンタカーがお薦めです。

神様がすくったお米のくぼみという神話があり、ひょっこり突き出た山が米塚です。阿蘇への観光は車がとっても便利です。ちなみにここへ来るには草千里火山博物館前のバス停から徒歩約40分かかります。
草千里ヶ浜には牛がたくさん放し飼いされています。馬にも乗れるんですよ。周辺には阿蘇火山博物館(860円)があります。又、上の方には火口があります。
車でない方は、バスの本数が少ないので火口までは、草千里ヶ浜から歩いて行くのもお薦めです。ちなみにバスだと阿蘇山西駅まで行き、そこからロープウェイ(往復1200円)で火口まで。車の場合はロープウェイを使用しなくても上までいけますが、阿蘇山西駅から先は有料道路(普通自動車600円、軽自動車300円、単車100円)となります。
火口周辺では常に火山ガス(二酸化硫黄)が発生しています。喘息、気管支疾患、心臓疾患、体調不良の方は見学禁止なっています。又、火山ガスの状況に応じて立ち入りゾーンが規制されることもあります。
グツグツ煮えたぎっている火口は、46億年前に誕生した地球が今も生きているのだと実感します。
阿蘇観光の帰りに温泉に立ち寄るのであれば、火の山温泉どんとこ湯がお薦めです。近くにある温泉と言えば黒川温泉が有名ですが、自然木や溶岩石を多く使用したこちらの温泉は、まるで森の中で湯に浸かっているような雰囲気で、黒川温泉にも負けないくらいの満足度ですよ。

●黒川温泉(くろかわおんせん)
熊本県だけでなく、全国的にも知られる黒川温泉。広葉樹に囲まれた静かな温泉街は風情があり、のんびりと旅を満喫したい方にはお薦めの温泉地です。宿泊しなくても各旅館での入浴(各500円)が可能で、好みの旅館の露天風呂に3ヶ所まで入浴ができる1200円の入湯手形も人気です。

<住所>
熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉
<アクセス>
JR熊本駅から九州産交バス、九州横断バスで約2時間半かかります。山の奥深くにある温泉地なのでアクセスにはマイカー、レンタカーがお薦めです。
日帰りであれば阿蘇観光とのセットでのプランもいいですね。写真は道中の、やまなみハイウェイから。この辺りの景色は言葉にならないほど美しいです。
旅館の軒先に多く吊るされているトウモロコシ。鑑賞用ですが、乾燥したとうもろこしは種として撒くこともできるんですよ。
いい露天風呂が沢山あるのも黒川温泉の魅力です。全国的に有名な温泉地とは言え、どちらかというと県内や近県の方が多く訪れる場所です。写真は洞窟風呂でも有名な新明館です。
中でも、ここの主人がノミを片手にコツコツと掘った洞窟風呂が人気です。手前に女性用の洞窟風呂、奥に男性用の洞窟風呂があります。奥にもう1つ岩戸風呂がありますが、こちらは混浴となっています。

●白川水源(しらかわすいげん)
名水百選にも選ばれている湧水地、白川水源。年間通して14℃、毎分60トンもの豊富な湧水は県内外から水を汲みにくる人も多く、通りに並ぶ土産物屋で水汲み用の大小様々なペットボトルも売られています。

<住所>
熊本県阿蘇郡南阿蘇村白川

写真の美しい湧水を飲みに(汲みに)行くのには環境保全協力金として100円が必要となります。
<アクセス>
JR熊本駅からは立野駅で南阿蘇鉄道に乗り換えの阿蘇白川駅。駅からは徒歩約20分。本数も少なく(毎時1本程度)、周辺の阿蘇観光とセットで考えると、こちらもマイカー、レンタカーが便利です。

美しいとしか言いようがない透き通った湧水。コンコンと水が湧き出るところも見られますよ。当然ですが、水が美味しいです。
奥には水源の守護神として、罔象命(みずはのめのみこと)が祀られた吉見神社があります。訪れる方は地元中心と言うか、地元オンリーでしょうか。。。

●天草(あまくさ)
熊本県の観光といえば、エリア別に見ると熊本市街、阿蘇、そして天草の3本柱ではないでしょうか。美しい島々や人気のイルカウォッチング、天草四郎やキリシタン弾圧の歴史に関連した観光スポットがお薦めです。

<アクセス>
鉄道で行けるのはJR三角線の終点である三角駅までです。そこからは、バスやタクシーを使っての観光となります。さらに、マイカーやレンタカーであれば行動範囲も広がります。
熊本市街から天草を一通り観光しようと思ったら、移動だけでも片道2時間以上はかかります。時間には十分ゆとりを持って出掛けましょう。
熊本市からマイカーやレンタカーで観光に訪れると、天草四郎の銅像や、景色が素晴らしい天草五橋(五ヶ所ある橋)、その先には天草四郎メモリアルホールなどの観光スポットがあります。ちなみに天草四郎の銅像は各地に点在し、たくさんあったりします。
こちらは天草四郎メモリアルホール。天草を観光する場合、是非とも立ち寄って歴史の勉強をしておきましょう。天草四郎を知らなければ、ただの海岸線ドライブになってしまいますよ。熊本交通センターからバスあまくさ号で約80分、天草四郎公園前を下車です。入館料600円で開館時間は 9〜17時です。館内の資料は乏しすぎるくらいなのですが、島原の乱についての3D映像は是非とも見学しましょう。逆に3D見ないと入館した価値なし・・・
天草四郎メモリアルホールから景色を楽しみながら車を走らせると、富岡城があります。鉄道もなくこんな奥地に突然、こんな立派な城が現れて結構驚きます。ここまで来ると観光客も少なく、地元の人しか訪れない穴場の観光スポットです。途中には人気のイルカウォッチングができる船着場があります。イルカを見るには船で沖に出なければなりません。予約が要らない船もありますので時間があれば旅の思い出に寄ってみましょう。
1600年の関ヶ原の戦いで、東軍が勝利すると、一帯は寺沢広高が支配をします。そして1605年に富岡城を築きます。1637年には幕府のキリシタン禁止令や重税によって農民の怒りが爆発します。キリシタンの迫害では、雲仙岳の噴火口に投げ込むなどの残忍さだったようです。
そして当時16歳でありながら、様々な難病を治すなどキリシタンの救世主として崇められていたカリスマ天草四郎を大将とし、島原・天草の乱が起こります。この一揆を抑えるために富岡城から本渡へ向けて出兵しますが、逆に富岡城は一揆軍に猛攻撃を食らってしまいます。結果的には幕府の増援によって原城の籠城戦を繰り広げていた天草四郎率いる老若男女37000人は、一人残らず殺されてしまった悲しい出来事です。
ここからの眺めは最高です。