日本最後の清流といわれる四万十川(しまんとがわ)がある高知県には、四国最南端にある断崖の足摺岬や室戸岬、日本三大鍾乳洞と呼ばれる龍河洞など多くの自然観光地があります。月見の名所で知られる桂浜には有名な坂本竜馬の銅像があり、こちらも定番の観光スポット。他にも現存天守の高知城や、なぜか人気のはりまや橋など観光名所が豊富です。
<アクセス>
岡山、高松からはそれぞれ2時間、2時間半程度。高知龍馬空港からは便の到着に合わせて定期的にバスが出ています。高知駅、はりまや橋までは約30分程度で720円となります。

<お土産>
カツオ加工品、四万十川のりが定番で他にちりめんじゃこ、かんざし、龍馬の名の付いた菓子など。

高知県の繁華街は高知駅から徒歩10分くらいの場所になります。地図上の円の中の線を引いた場所がアーケード街になっていて賑わいがあります。その北側の片側2車線の道路には、日曜日になると車線を半分ふさいで街路市が行われます。この日曜市は日本で最大の規模を誇り、野菜や果物を中心に、海産物や田舎寿司、カバンやタオル、包丁まで売っています。
繁華街の中心となるアーケード街です。商店街の北側には飲み屋も多く、昼間よりもさらに賑わいが激しくなります。
こちらが高知県だけではなく全国的にも有名な日曜市。朝の7時くらいから日没までやっていますので日曜日に訪れる際には是非寄ってみてくださいね。
はりまや橋からアーケード街に入ってすぐに土佐料理の店が並ぶ一角があります。スライス玉ねぎの上に乗ったカツオのたたきに少量の塩をふりかけ甘い醤油ベースのタレを掛け、ニンニクとネギ、ミョウガなどと一緒に食べる高知の名物料理は絶品です。特に秋の戻り鰹が一年の中で一番脂が乗っていて美味しいんですよ。他、鯨やウツボなどの名物料理もお薦めです。
高知市内の移動には路面電車が便利です。はりまや橋を中心として十字方向に路線があり、市内は何処も200円で日中であれば6分間隔で運行しています。車内で買える市内一日乗車券は500円とお得ですよ。

●桂浜(かつらはま)
土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た  よさこい よさこい♪ 御畳瀬見せましょ 浦戸を開けて 月の名所は 桂浜 よさこい よさこい♪と、民謡のよさこい節でも唄われる桂浜。近くには坂本龍馬(さかもとりょうま)の銅像もあり、定番の観光スポットです。

<アクセス>
堺町、南はりまや橋のバス停から桂浜行きのバスが出ています。運賃は620円で約30分程度です。はりまや橋というバス停もありますが本数が少ないので、堺町、南はりまや橋からのアクセスの方が便利です。
バス停の場所は堺町が地図の大丸があるところから北へ歩くと大きな公園があり、その道路沿いにあります。南はりまや橋ははりまや橋から北側へ道路を渡った場所にあります。40分1本程度の運行です。路面電車の市内一日乗車券をお持ちの場合は、桟橋通5丁目で乗り継ぎされると運賃がお得です。又、JR高知駅〜桂浜の間をMY遊バスというバスが毎日走っています。1日乗車券で1000円、2日は1600円。毎時運行ですが、平日は本数が減るので注意です。

桂浜の手前の丘には坂本龍馬像が立っています。
坂本龍馬
武士には各藩によって上級武士の藩士や、郷士(ごうし)と呼ばれる下級武士などの身分がありました。ある日、ささいなことからこの両者は揉め事を起こし(井口村刃傷事件)、郷士のリーダーでもあった龍馬は事件の翌年に脱藩します。

その後、勝海舟の弟子となった龍馬は、海軍の建設を計画するなど政治運動にも積極的に参加するようになっていきます。黒船来航による開国以来、幕府の権力衰退によって龍馬は次第に王政復古(朝廷の権威を復活させる)を考えるようになります。そして、1866年には薩摩藩と長州藩の薩長同盟を成功させ、翌年には龍馬の発案計画によって大政奉還(徳川幕府、又は江戸幕府が朝廷、つまりは天皇に日本の統治権を返上)が成立しました。尚、龍馬はその1ヵ月後に暗殺されてしまいます(近江屋事件)。そして、歴史はその流れから戊辰戦争、明治維新へと続いていったのです。
坂本龍馬の銅像へは少しだけ階段を上ります。車椅子の方用にスロープの道もあります。手前には写真のようなお土産屋もあるんですよ。龍馬グッズが豊富です。
さらに隣には土佐闘犬センターがあります。迫力ある闘犬は開催日が年数回の不定期となっていますので、事前に下調べをするのだワン。
龍馬の銅像から階段を下りて桂浜に出ます。写真は、そこから少し歩いた場所にある竜頭岬にある龍王宮(海津見神社)。海の神様を祀っていますので、海上安全や大漁祈願は勿論、恋愛成就、縁結びの神様としてもご利益があるらしいですよ。そんでもって、景色がとてもよいのだワン。

●はりまや橋(はりまやばし)
土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た  よさこい よさこい♪と、民謡のよさこい節でも唄われる、はりまや橋。横にある史跡案内板には以下のように書かれています。「はりまや橋」は、江戸時代初期、堀川を挟んで商いを営んでいた播磨屋と櫃屋がお互いに行き来するために架けた私設の橋がその始まりとされています。周辺の賑わいとともに、のちに公共の橋となり、橋の上には十九文屋と呼ばれる小店などが並んでいました。五台山竹林寺の坊さんが思いをかけた人のためにかんざしを買ったのは、橋の南詰東側にあった「橘屋」という小間物屋であったと言われています。
<住所>
高知県高知市はりまや町

<アクセス>
路面電車の交差する十字路にあります。高知駅からは路面電車ではりまや橋を下車。又は高知駅から徒歩10分程度。日本三大がっかり名所の1つとも言われていますが、繁華街からは歩いてすぐの場所にありますので寄ってみましょう・・・
こちらも一応は名所なのでしょうか?からくり時計です。場所は、はりまや橋の道路を渡った向かい側にあります。毎時、よさこい節の音楽に合わせて、踊り子人形、はりまや橋、桂浜が登場します。

●高知城
戦国時代、四国統一を成し遂げた長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)ですが、羽柴秀吉(豊臣秀吉)による四国征伐によって土佐一国の領土となります。その後、関ヶ原の戦いで東軍が勝利すると、山内一豊が領主となります。高知城は関ヶ原で戦功を挙げた山内一豊が創建した城で、子である忠義が完成させます。大火によって現在の天守は1753年に再建したものですが、藩政時代の木造の天守が残る貴重な城であり、日本に現存する12天守の内の1つでもあります。

<開館時間・入場料>
9:00〜17:00 420円。休館日は12月26日〜1月1日。
<アクセス>
高知駅から南北に走る路面電車で、はりまや橋まで行き、そこから東西へ走る路面電車に乗り換えて高知城前下車。高知駅からは徒歩15分程度。はりまや橋からは徒歩10分程度です。
山内一豊(やまうちかずとよ、かつとよ)
織田信長に仕えた豊臣秀吉の下で一乗谷城の戦い(朝倉、浅井攻め)に出陣し武功を上げ、信長の死後も、豊臣秀吉の天下統一への総仕上げと言われる小田原攻めにも参戦し、長浜(近江国:滋賀県)2万石の城主から掛川(遠州:静岡県)5万石を領するようになります。秀吉の死後は徳川家康に仕え、会津征伐や関ヶ原の戦いの功績により土佐一国24万石を与えられます。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と、三代の天下取りの間を生き抜いてきた山内一豊。その後は高知城の築城、城下町の整備を行い現在の高知市の基礎を形作りました。
1664年に再建された正門の追手門です。柱や扉にはケヤキを使用し、各所に銅でつくられた板や金具が付けられています。敵が押し寄せると、裏口である搦手門から城兵が回りこみ、矢狭間塀とともに形成された枡形内に敵を誘い込むようにつくられています。

ちなみに、山内一豊の銅像は、この追手門の手前、右側奥にありますので、通り抜ける前に見学していきましょう。
山内一豊の妻(名は千代、まつなど謎)の銅像です。結婚の時に10両のお金を出して名馬を購入し、それが馬揃え(軍事パレードみたいなもの)にて主君である信長の目にとまり出世の糸口となった有名な逸話があります。また、関ヶ原の戦いの前に、傘の緒に縒りこめた手紙で関東にいる一豊に大阪方の情報(三成の挙兵)を知らせ、その進路を決定づけさせたことが一豊の土佐一国領主への道を開くことになりました。
石垣から突き出ているものが石樋(いしどい)と呼ばれるもので、排水が直接石垣に当たらないような工夫がされています。その下には水受けの敷石が地面を保護しています。雨の多い土佐ならではの独特の設備であり、現在16ヶ所が確認されているようです。
本丸御殿は規模は小さいながら書院造の典型的様式をもち、武家の住宅建築としての格式を整えています。現存の御殿は大火によって焼失し1749年に再建されたものです。上のほうには土佐の左甚五郎(日光東照宮の眠り猫など彫ってた伝説の彫刻職人)と呼ばれた武市高朋(通称甚七)の作の、土佐の黒潮の波をかたちどったとされる透彫欄間があります。
こちらは物見窓と呼ばれるもので、丸い穴の鉄砲座間から覗いているだけだと、敵兵全体を見渡すことが出来ないので、このような横に長い窓があるんだそうです。
天守閣内には様々な資料が置いてあり、土佐漆喰の白壁についてや土佐藩の殖産振興など、とても勉強になります。
現存する貴重な天守なので、エレべーターや緩い階段をつけることは出来ません。なので、とっても急な階段です。
当時、領民に対し食中毒対策としてカツオの生食を禁じたため、領民がカツオの表面をあぶって焼魚として食したのがカツオのたたきの起源だとされています。

●四万十川(しまんとがわ)
日本最後の清流と呼ばれる四万十川は、とても水が綺麗でありウナギや鮎、テナガエビにゴリ、ツガニ、アオサなど清流で育った川の恵みは絶品です。又、四万十川は沈下橋も有名であり、この橋は大雨による増水時に橋が水没して流木が引っかからないように欄干がありません。

<アクセス>
日本最後の清流と言われるだけあってアクセスは悪く、特急列車を利用する場合、高知駅から中村駅まで約1時間40分で4140円(自由席の場合)。普通列車では約3時間30分で2550円です。どちらも1時間1本程度なので注意です。
鉄道の場合、この中村駅を利用すれば四万十川までも近く、レンタサイクルやレンタカーも駅前にはあります。自転車の場合、四万十川までは15分程度かかり、人気の佐田沈下橋までは1時間程度かかります。帰りの列車の時刻表をよく確認してから出発しましょう。
レンタカーを借りる場合、中村駅の他に高知駅にも数店舗あります。高知駅から車でアクセスする場合は、国道56号線をひたすら進みます。車の流れに乗って走行すれば約2時間30分程度で到着します。
中村駅の周辺地図です。国道56号線から中村駅の交差点(観光案内所はこのあたりにあります)を右折し、突き当りを左折してしばらく走ると佐田沈下橋の案内看板があります。
こちらが佐田沈下橋。安く作られているので、水没しようが万が一壊れてしまっても痛くも痒くもないらしいです。
欄干がないので橋を渡る場合は注意が必要です。又、車は1台しか通れませんので前方をよく見て確認してから進みましょう。
佐田沈下橋は河口付近の橋なので、より綺麗な景色を求める方はさらに上流へと行ってみましょう。写真は勝間沈下橋で釣りバカ日誌の撮影現場としても有名です。中村駅から車で30分程度。又、さらに上流へ行くとテレビや観光用のポスターにも登場する岩間沈下橋もあります。ただし、中村駅から車で1時間程度かかります。

●安並水車の里
中村駅から四万十川へ向かう途中にある少しマイナーな観光スポットです。四ヶ村溝は、藩政時代、土佐藩奉行の野中兼山により四万十川の支流後川の麻生に分水目的の井堰(長さ160m、幅11m)を設け、秋田・安並・佐岡・古津賀の四ヶ村を灌漑するために作られたものです。この溝から水田に水を汲み上げるため数多くの水車が設置され、その豊かな風情は、「四ヶ村溝の水車」の愛称で親しまれたと、案内板には書いてあります。

<住所>
高知県四万十市安並
<アクセス>
四万十川の佐田沈下橋へ行く場合と同様に、中村駅から突き当たりのT字路を左折、少し行くと右に橋がありますので渡ります。直進すると小さな案内板がありますので見落とさないように。安並水車は左手方向にあります(道路から少し奥に入ります)。

水車の大半は壊れてしまい、動いているものは観光用に回転しているだけですが、約400年前の水路が今も当時のまま残されているかと思うと感動ですね。

●龍河洞
日本三大鍾乳洞の1つに数えられる龍河洞(りゅうがどう)は、約1億7500万年前という途方もない昔にできた洞窟です。約4kmのうち約1kmが一般ルートとなっており、他にも提灯の灯りだけを頼りに探索する暗やみ体験ツアーや冒険コース(要予約)もあります。

<営業時間>
3月1日〜11月末日 8:30〜17:00 12月1日〜2月末日 8:30〜16:30 1100円。
<住所>
高知県香美市土佐山田町逆川

<アクセス>
高知駅からJRで土佐山田駅まで約30分360円。約1時間1本です。そこからバス(440円)又はタクシー(約2000円)で20分程度。当然、バスの方が安く済みますが、7:28、12:15、14:25、16:25・・・と、運行本数が少なく注意です。帰りのバスの時刻表を参考までに記すと、12:45、14:50、16:50、17:40・・となります。尚、タクシーの場合は帰りの予約も忘れずに。
土産物屋を抜けると急な階段があります。しかし、すぐ右にエスカレーターもありますので安心です。

早速探検です。道は幅の狭い場所や、少しかがまないと奥に行けない場所もあって特に暗やみ体験ツアーの場合は注意が必要です。通常コースで所要時間は30〜40分程度です。
見事な鍾乳石です。ちなみに、炭酸カルシウムの結晶が上から垂れ下っているのが鍾乳石で、地上に沈殿して筍のように上に伸びたものが石筍(せきじゅん)、鍾乳石と石筍がくっついたものを石柱(せきちゅう)と呼びます。
所々に美しくライトアップされた場所があります。見事な石柱ですね。なんと1cm成長するのに100年もかかるんですって。
写真は鮭の石。ほんと鮭みたい!でもちょっと怖い模様です。
左がマリアさまで、右がお釈迦さまです。お釈迦さまは本を読んでいるかのような格好をしています。
洞窟のコースの最後にある「神の壺」は見応え十分。当時、弥生時代の人が10人程度生活していたと思われ、古代人の壺が岩に抱かれている光景は神秘的です。
出口付近にある穴居です。あっ、ここにも弥生土器が埋もれてる!洞窟内には鹿やイノシシの骨や貝類、米、ドングリなどの食物遺物も発見されています。はるか昔、弥生人がここで暮らしていたかと思うと凄いですねぇ。
洞窟を出て帰り道を下っていくと(入口から、かなり山の上まで上ったことを実感します)、龍河洞博物館と龍河洞珍鳥センターがあり、無料で見学できます。

●いの町紙の博物館
中国で発明された紙は日本に伝わり、工芸品や行燈、提燈、傘、野良着など生活のあらゆるところに取り入れ使われました。世界で最も優れた紙と言われる和紙の名産地として有名なのが、この土佐和紙と越前和紙、美濃紙で三大和紙産地と言われています。

<住所>
高知県いの町幸町110-1
<開館時間>
9:00〜17:00 休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、12月27日〜1月4日 入館料は500円。

<アクセス>
JR伊野駅から徒歩10分程度。

和紙の歴史の勉強ができる他、和紙の手漉き体験もできます。又、即売コーナーではお土産も充実していて和紙の素晴らしさをより実感します。