瀬戸内海に面した香川県は海の幸は勿論ですが、グルメでは讃岐うどんが特に有名。全国でもうどんの消費量は半端ではありません。県内には至るところにセルフサービスのうどん屋が存在します。観光では長〜い石段のある神社としても有名な金刀比羅宮や現存天守の丸亀城、美しい庭園がある栗林公園、空海(弘法大師)生誕の地、善通寺など見所も豊富です。

香川県のアクセスは岡山駅から瀬戸大橋を渡り約1時間、1510円で高松駅です。飛行機では高松空港からリムジンバスで約40分、760円で高松駅です。
<お土産>
讃岐うどんをはじめ、こんぴら名物の灸まんに瓦せんべい、しょうゆ豆、和三盆のお菓子やオリーブなど意外と土産物は豊富です。

JR高松駅前にある高松シンボルタワーからは高松市内を見渡すことが出来ます。ただし、タワー棟の最上階は展望台ではなく、エレベーター前のスペースから見学可能というだけです。シンボルタワー右側の建物、ホール棟の8階屋上広場からは美しい瀬戸内海が見学できます。
香川県一の繁華街は高松駅周辺ではなく、少し離れた琴電(琴平電気鉄道)の瓦町(かわらまち)駅周辺になります。
さらに付け加えれば、瓦町駅から少し離れたアーケード街が賑わいの中心となります。
赤線の部分が香川県でも一番賑わいがある通りとなっています。その右手側に飲食店が建ち並びます。ちなみに、瓦町駅から片原駅までは楽々歩いていける距離です。又、JR高松駅から琴電の高松築港(たかまつちっこう)駅までは徒歩で5分程度です。
香川県の観光で電車での移動が主となる方は、瓦町駅から比較的近い場所に竹清という人気のお店も要チェックです。こちらは行列するほどの人気店。日曜日が定休日となっていたり営業時間も短めなので要確認してから出掛けましょう!

●金刀比羅宮
こんぴらさんの名で親しまれている金刀比羅宮(ことひらぐう)は、海の神様としても知られる大物主神(おおものぬしのかみ)と崇徳天皇を祀った神社です。又、長い石段がある神社としても有名であり、本宮(ほんぐう)までは785段、奥社(おくしゃ)までは1368段もあります。

<住所>
香川県仲多度郡琴平町892
<アクセス>
JR高松駅からはJR予讃線で多度津駅、同ホームでJR土讃線に乗り換え琴平駅まで約1時間、850円です。琴電の高松築港駅からは琴電琴平駅まで約1時間、620円です。

JR琴平駅から琴電琴平駅までは徒歩で5分くらい離れた位置にあります。本宮までの所要時間は約1時間程度みておきましょう。さらに奥社までは20分と案内がありますが、石段での20分はかなり疲労しますので注意です。
金刀比羅宮はとても人気があり、江戸時代の頃には伊勢神宮に次ぐ人気だったそうで、現在でも県内外から多くの参拝者が訪れます。参道には土産物屋さんが沢山あって杖も貸してくれますよ。土産物を帰りに買わされますけど。。
本宮までの長い石段は所々で傾斜が平らになるので、ゆっくり上ればそれほど苦ではありません。
場所によっては写真のような長く続く石段もありますが・・・
こちらは神社に奉納された神馬(しんめ)です。神馬とは神様が乗るための馬なんですよ。他にも金刀比羅宮には木馬や銅馬なども奉納されています。写真には載っていませんが、右側には黒毛の神馬がいました。
総本宮で参拝を済ませると、奥社まで足を運ばない方は絵馬殿へと進みます。神馬のような高価な馬は今も昔も庶民には奉納するのは困難。そこで祈願した願いが叶ったお礼として馬の代わりに板に書いた馬の絵を奉納したものが絵馬(えま)です。絵馬殿には馬の絵の他にも海の神様だけに船の絵馬も多いですよ。
奥社まで行かれる方はさらなる石段が待ち構えています。ここから先は冬でも汗だくになりますので覚悟しましょう。ちなみに看板には奥社まで20分とありますが、ここから石段は583段あるぞい。
こんぴらさんには所々に沢山のミニ神社があります。こちらは学問の神様でもある菅原道真を祀った菅原神社。
ようやく奥社に到着。奥社とは文字通り本社より奥にある神社のことで、こちらには金刀比羅本教の教祖である巌魂彦命(いずたまひこのみこと)を祀った巌魂(いずたま)神社があります。
奥社まで行く人は少ないのですが、こちらからの眺めは本宮よりも当然よいですよ。

●善通寺(ぜんつうじ)
善通寺は学僧として唐に渡った空海が、帰国後に父である佐伯直田公より寄進されたこの土地に長安の青龍寺を模して建てた寺院です。空海(弘法大師)誕生の地として多くの参拝者で賑わいます。

<住所>
香川県善通寺市善通寺町3-3-1
<アクセス>
高松駅からはJR予讃線で多度津駅、同ホームでJR土讃線に乗り換え善通寺駅まで約50分、760円です。駅からは徒歩約20分。ほぼ直進が善通寺。尚、駅前に地図があります。バスでは、まんでがんプラザ停留所を下車し徒歩3分。

高松駅からは金刀比羅宮のある琴平駅の1つ手前の駅になります。
善通寺には本堂のある東院(伽藍)と、弘法大師誕生の聖地として知られる西院(誕生院)とに分かれています。位置的に車で来られる方は駐車場のある西院から参拝するようになります。ここでは東院から順を追って紹介します。

正門となる西院にある南大門をくぐって直ぐ左手に弘法大師誕生の時より繁茂していたと思われる樹齢1000年以上の大楠があります。
右手には立派な五重塔があります。残念ながら度重なる倒壊や焼失によって明治時代に再建されたものです。
正面には写真トップにある善通寺の本堂となる金堂があります。本尊は京都の東寺と同じく薬師如来。右手には釈迦如来を安置した常行堂(釈迦堂)があります。金堂で参拝した後は東院へと向かいます。東院の正門が写真の仁王門。
仁王門には守護神でもある金剛力士像がこちらをギロリと睨んでいます。左側には口を閉じた吽形(うんぎょう)像、右側には開口の阿形(あぎょう)像が立っています。
西院から東院へ向かう仁王門手前の道路を右手に行くと、明治時代に創業した古くからある熊岡菓子店があります。1枚15円という安さの名物カタパンは大人気!本当に硬いので歯が弱い人は注意です。。
弘法大師が誕生されたと言われる御影堂(みえいどう、ごえいどう)の地下には約100mもの暗闇の通路があり戒壇巡りが体験できます(宝物館共通券500円)。戒壇巡りと言えば全国的には長野県にある善光寺が有名ですが、同様に一寸先も見えない真っ暗闇をソロリ、ソロリと進んでいきます。
浄土真宗の宗祖である親鸞(しんらん)の御尊像を安置している親鸞堂。隣には不動明王を祀った護摩堂があります。
善通寺から駅までの大きな通り沿いに人気のうどん屋、こがね製麺所があります。讃岐うどんと言えば大抵は、人気の店は駅からも遠くアクセスが困難です。こちらのお店は駅からも近く、年中無休で週末ともなると昼飯時以外でも、そこそこ混雑しています。

●丸亀城(まるがめじょう)
全国にも12ヵ所しかない現存天守のうちの1つである丸亀城(まるがめじょう)。標高66mの亀山に築かれた丸亀城は、石の城と形容されるその名の通り天守まで続く石垣は迫力満点!なかでも三の丸にある22mもある石垣は、扇の勾配と呼ばれる見事な曲線美です。

<住所>
香川県丸亀市一番丁
<営業時間>
城内は見学自由ですが、天守閣は9:00〜16:30で料金200円。冬季は閉鎖される場合あり注意です。

<アクセス>
JR丸亀駅から徒歩15分程度です。

最寄駅となる丸亀駅までは、高松駅からJR予讃線で約25分550円です。丸亀城は駅を出てほぼ正面(正確には少しだけ斜め左前)の方向にあります。
羽柴秀吉(豊臣秀吉)の家臣であった生駒親正(いこまちかまさ)は1595年に讃岐国(香川県)に封ぜられます。その後、高松城の城主となり1597年には丸亀城築城に着手します。子である生駒一正も居城としますが、1615年の一国一城令により廃城となりました。そして1642年になると築城の名手と呼ばれた山崎家治が丸亀城の再築を開始します。現在の天守は1660年に丸亀藩主であった京極高和によって完成されたものです。
こちらは重要文化財でもある大手一の門です。京極氏の時に完成したもので、楼上に太鼓を置き、城下に刻を知らせたことから太鼓門とも呼ばれています。
丸亀城の石垣は、主に築城技術が最も発達した山崎氏の時に築かれたそうで、石を割った矢穴の跡や石の表面をきれいに加工したノミの跡などもあるそうです。
石垣の上端で垂直に立ち、徐々に緩やかな曲線を描いた丸亀城壁の美しさ。ちなみに天守まで続く見返り坂は、とてつもなく急勾配な坂となっています。
見返り坂を上り、三の丸、月見櫓跡、二の丸、二の丸井戸と見学しながら進むと、個人差はありますが10分程度で本丸に到着します。本丸からは瀬戸大橋も見えるんですよ〜。
それにしても天守がちっちゃ〜い!現存する木造天守としては最小だそうですよ。なので、3層3階の天守内部の見学時間は10〜20分程度です。
天守から見える景色は本丸から見た景色と殆ど変わりはありません。
石垣の周りは散策できるようになっていて、途中には三の丸井戸があります。

●栗林公園(りつりんこうえん)
国の特別名勝に指定されている庭園の中で、最大の広さをもつ栗林公園は、松の緑深い紫雲山を背景に6つの池と13の築山を巧みに配した江戸時代初期の回遊式大名庭園です。

<住所>
香川県高松市栗林町1-20-16

<開園時間>
6〜7時くらいから17〜18時まで時期により変動。入園料は410円で年中無休です。
<アクセス>
JR栗林公園北口駅を下車し徒歩3分程度。又は琴電の栗林公園駅を下車し徒歩10分程度。

JRご利用の方は北門から、琴電を利用した場合は東門から入園します。車でお越しの方は北門、東門それぞれに県営の駐車場があります。駐車場料金は25分毎に100円です。
公園内は、区切りはありませんが大まかに北庭と南庭とに分かれています。南庭は江戸時代より現存する庭園で、北庭はそれよりも新しく江戸〜明治時代に造営されたもの。見所は南庭中心となり、北門からお越しの方は公園の奥半分が南庭、東門からお越しの場合は公園の左半分が南庭となっています。

写真は公園中心付近にあるお手植松です。背丈の高い5本の松は、右から秩父宮殿下、高松宮殿下、エドワード・アルバート王太子殿下、良子女王殿下、北白川大妃殿下ご来園賜ったときに記念としてお手植えなられた松、。尚、昭和天皇が皇太子殿下の時にお手植えされた黒松は落雷にて枯死。
お手植松から順路に沿って南庭を歩いていくと、園内で最も美しい松と言われる鶴亀松があります。110個の石を組み合わせ亀を形どった岩組の背中に鶴が舞う姿をした黒松を配したものだそうです。
こちらは屏風松と箱松。背丈の高い松並が屏風松で、写真の絡み合うように屈折して伸びたその見事な枝振りの松が箱松。コレは美しい!
コースは南庭で約1時間の所要時間。30分くらいでも見学可能ですが、時間にゆとりがあれば、のんびりしていたい場所ですね。
涵翠池(かんすいち)。翠(みどり)を涵(ひた)すという意味の池だそうで、本当に緑色が美しい池です。
園内で最大の橋となる偃月橋(えんげつきょう)は弓張り月(三日月)が湖面に影を映す姿からそう名づけられたそうで、美しい反りが特徴の橋です。
偃月橋から見る南湖。栗林公園の中でも一番の見所となる場所です。
違う角度からもう一枚。奥に見える建物は江戸時代初期に建てられた数奇屋づくりの掬月亭(きくげつてい)。
時間があればモデルコースから外れた場所、写真左にある西湖や北庭にある芙蓉沼(ふようしょう)などの散策もお薦め。芙蓉(ふよう)とは蓮(はす)の別称(古名)であり、蓮池とも呼ばれている芙蓉沼は、5月ころから池一面に蓮が茂り、夏には紅色や白色の花が咲いて美しいそうです。写真は真冬なので枯れてしまってますが・・・

●玉藻公園(高松城跡)
瀬戸内の海水を外堀、中掘、内堀に引き込んだこの城は、日本の三大水城の1つと呼ばれ、羽柴秀吉(豊臣秀吉)の家臣であった生駒親正(いこまちかまさ)が讃岐一国を与えられ、現在地に築城に着手した平城(水城)です。

<住所>
香川県高松市玉藻町2-1

<開園時間>
6:00〜17:00くらいまで季節によって変動あり。入園料200円。
<アクセス>
琴電の高松築港駅からすぐ。JR高松駅からは徒歩5分程度。

残念ながら天守は老朽によって明治時代に取り壊されています。老朽により石垣の解体修理が行われていますが、天守復元には当時の資料が乏しく時間がかかりそうです。
高松城は海水を引き入れた日本三大水城の1つとして名高く、完全に海水を掘に取り入れた城この高松城だけです。当時はどのようにして水位を調節していたかは不明ですが、今日でも内堀、中掘の水位は潮の干潮によって変化しています。
西入口から月見櫓へと向かうと石垣には島津家の刻紋があります。1676年頃に完成したと言われる月見櫓。その時代の城主は生駒氏から松平氏へと代わっています。高松藩初代藩主となったのが徳川家康の孫、松平頼重(水戸黄門で知られる徳川光圀の兄でもあります)。その後、城主は松平氏が11代続きます。島津家も石を運ぶのに手伝わされたのでしょうか。このような刻印は苦労して運んだ大きな石を誰が運んだものかを証明するために刻まれているんですよ。
写真トップにある現存する月見櫓、出入りする船を監視する役割を持つとともに藩主が江戸から船で帰ってこられるのをこの櫓から望み見たので、着見(つきみ)櫓とも呼ばれていたそうです。
こちら側はこれといって眺望がよいわけではありませんが、裏手には美しい瀬戸内海が見えます。
公園内はこんな感じ。内苑御庭には重さ11トンといわれる手水鉢もあります。時間に余裕があれば、奥にある披雲閣(ひうんかく)や艮櫓(うしとらやぐら)も見学してみましょう。
岩の亀裂に根を下ろした、ど根性松!
松平藩時代には広大な建物、披雲閣(現在の約2倍)がありました。明治5年に老朽化によって壊され、現在の披雲閣は大正6年に建てられたもの。貸会場として会議、茶会、華展などに利用されているそうです。
艮櫓(うしとらやぐら)。丑寅とは丑(牛)と寅(虎)を合わせた格好である鬼を連想し鬼門と呼ばれ、十二支では北東の方角を指します。元々はこの丑寅の方角となる北東にあったもので、旧太鼓櫓跡に移築復元されたもの。